【名称】大内転筋
【よみ】だいないてんきん
【英語名称】adductor magnus muscle
全身には大小さまざまな筋肉があります。
その中には、日常生活の中で十分にストレッチできている筋肉もあれば、普段の生活では使う機会が少ないものもあります。
あまり使う機会が少ない筋肉においては、意識してストレッチをしないと筋力低下が起こりやすく、トラブルの原因にもなりかねません。
大内転筋は大腿を内転させる役割を持つ筋肉で、普段の生活においてはあまり使わない筋肉の一つです。
大きい筋肉なので、ストレッチを心がけることによってたくさんの効果を実感できます。
大内転筋とは
大内転筋は、大腿の内側にあります。
長内転筋や短内転筋、薄筋、恥骨筋などと合わせて内転筋群を構成していますが、その中でも最も筋肉が大きいのが大内転筋です。
大きな筋肉ということは大腿を内転させる際には最も強い力を発揮するということでもあり、太腿を内側に寄せたり内側に力を入れるという大腿内転動作において、大きな役割を持っています。
またこの筋肉には内転筋腱裂孔があるという特徴があります。
この内転筋腱裂孔は、大腿動静脈が通っており、血管の通り道として機能しています。
ここを通過する大腿動静脈は、下半身に栄養や酸素を運ぶ栄養血管として知られている膝窩動静脈へとつながっています。
つまりこの筋肉には、とても重要な役割を持つ血管を保護する役割もあります。
大内転筋の位置(起始停止)
この筋肉は、坐骨恥骨枝と坐骨結節から始まり、大腿骨粗線内側唇まで伸びています。
停止部となっている大腿骨粗線内側唇は、他にも内側膝蓋支帯や内側広筋、内側側副靭帯や腓腹筋内側頭など多くの筋肉や靭帯が付着している内転筋結節です。
ただ停止部が同じというだけではなく、繊維交流することによってお互いに相互影響があります。
大内転筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#89)
この筋肉は大きいので、触診することはそれほど難しくありません。
大腿を内側に寄せた時、股関節から膝にかけて広く伸びているのが大内転筋です。
力を入れると動く様子を触診することもできます。
サイズが大きな大内転筋には、2つの異なる線維があります。
大きく分けると股関節屈曲や内旋を司る上部線維で、もう一つは股関節の伸展と外旋を司る下部線維です。
どちらかの繊維を持つ内転筋は多いのですが、大内転筋の場合にはどちらもあります。
そして、上部線維と下部線維とで異なる働きをしているという点が特徴です。
起始 | 恥骨枝、坐骨枝、坐骨結節 |
停止 | 大腿骨中央後面、大腿骨内側上顆 |
神経 | 前方/閉鎖神経 後方/坐骨神経 |
作用 | 股関節の内転、股関節の内転に伴う股関節の外旋 |
大内転筋の作用
大内転筋の股関節の内転動作を動画で簡単解説
【消音】タップして股関節の内転動作を見る(#D48)
股関節の内転動作では、大内転筋の他に、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、薄筋なども連動して股関節の内転動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
この筋肉は、股関節から膝関節にかけての大腿部を動かす際に、股関節の内旋や内転、そして伸展に大きく関与しています。
日常生活においては、股を閉じる動作をする時に作用する筋肉で、筋力低下するとO脚になってしまうリスクがあります。注意しましょう。
普段の生活においては、この筋肉を全く使わないという人は少ないものです。
しかし、日常生活においてよく使う筋肉というわけではありません。
そのため、ライフスタイルによっては筋力低下が起こりやすいため、普段から内股を意識したストレッチをするのがおすすめです。
スポーツにおいては、平泳ぎで足を開閉してキックする動作や、乗馬で内またに力を入れるようなスポーツの時に大きく作用します。
その他にも、体操など内股に力を入れるスポーツでは駆使する筋肉です。
北野 優旗
では、さっそく大内転筋のストレッチを行ってみましょう!
大内転筋のストレッチのやり方
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
四つんばい姿勢で内転筋ストレッチのやり方
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#53)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
内ももを伸ばして、股関節の可動域を広げる方法
【消音】タップしてストレッチ動画を見る (#Q_IMG_3122)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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開脚ストレッチで内転筋を伸ばすやり方
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#94)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
足パカストレッチのやり方
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#96)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 約10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
動かしながら股関節と内転筋群の可動域を広げるやり方
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#50)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右交互に10回×2セットずつ(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
片脚ずつ集中して内転筋を伸ばすやり方
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#109)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右15回×2セットずつ(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
股関節前後の開脚で内転筋群をほぐす方法
【消音】タップしてストレッチ動画を見る (#Q_IMG_3118)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右20秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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大内転筋の筋膜リリース!太ももの内側をローラーストレッチ
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_MVI_1071)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
セルフでほぐすのにはグリッドフォームローラーがおすすめです!
カラダの部位に合わせていろいろな使い方ができて、気持ちいいです!
背中をほぐす筋膜リリース
使い方、特徴、機能性など、もっと詳しく商品を知りたい方は、下のページで紹介していますので、参考に読んでみてください↓↓↓
大内転筋のストレッチ効果
大内転筋をストレッチすることは、見た目に嬉しい効果が期待できる他、日常生活の動きやすさという点でも大きな効果が期待できます。
内ももが痩せやすくなる
この筋肉をストレッチすると、内股の筋肉全体残りがほぐれ、血行が良くなります。
代謝が良くなることで、下半身に貯まりやすい老廃物や毒素などがスッキリと排除されやすくなり、セルライトを作りにくい内股環境へと近づきます。
また、ストレッチすることによって筋肉が引き締まるので、だらしなくたるんだ内ももを引き締めて細く見える効果も期待できます。
ストレッチを続けることによって、代謝が良くなって太りにくく痩せやすい下半身を手に入れることもできます。
開脚可動域が広がり、脚腰が安定する
普段の生活ではあまり使わない大内転筋をストレッチすると、股関節の可動域を広げることができます。
スクワットが簡単にできるようになったり、開脚する際にも足をこれまでよりも広く開きやすくなるでしょう。
ヨガやピラティスなどストレッチ系のスポーツをしている人にとっては、開脚可動域が広がることによって骨盤などの足腰が安定しやすくなり、ポージングが安定して決まるようになるという効果もあります。
大内転筋ストレッチのまとめ
大腿内転筋の中でも最も大きな大内転筋は、大腿を内側に内転する際に大きく貢献します。
普段の生活においてはあまり使わない筋肉ですが、意識してストレッチすることによって見た目を引き締めてセルライトを作りにくい太腿を手に入れることができます。
開脚可動域が広くなることによって普段の生活も動きやすくなります。
また、足パカエクササイズをやって、なかなか痩せないと思う人は、足パカのやり方が間違っているのかもしれません。
正しい足パカを知って、6種目の足パカプログラムを取り入れることをお勧めします。
また、内転筋の鍛え方や内ももを細くしたいと思う方は、こちらの記事も参考に読んでみてください。
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