【名称】長趾屈筋
【よみ】ちょうしくっきん
【英語名称】Flexor digitorum longus muscle
ふくらはぎの中央ぐらいから足関節をまたいで伸びている長趾屈筋は、骨に近い部分に位置する深層筋です。
ふくらはぎ部分には、腓骨筋やヒラメ筋のように扁平で面積が大きな筋肉があり、膝関節や足関節の動作に大きく関与しています。
長趾屈筋もこれらの筋肉に連動して、足関節の動きをサポートしますが、膝関節にはまたがっていないため、膝関節の動きに影響を受けることはありません。
この筋肉は足関節の底屈動作に関与するほか、親指以外の趾の屈曲運動にも貢献しています。
目次
長趾屈筋とは
長趾屈筋は、つま先を上に持ち上げる底屈運動の際によく使うほか、趾の屈曲運動に関与しています。
また土踏まずのアーチ維持にも大きく貢献しています。
足首の強さに大きな影響を与える筋肉で、筋力低下すると足首の強さやアーチ維持にもマイナスの影響が出てしまいます。
インナーマッスルなので筋力はそれほど強くないものの、筋力が低下するとアーチの維持が難しくなり、脚力低下につながります。
また、アーチの維持が難しくなると、体にかかる体重などの負荷や衝撃を吸収分散する機能が低下するため、足首にさらに大きな負担がかかりやすくなります。
長趾屈筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#107)
長趾屈筋の位置(起始停止)
長趾屈筋は、脛骨の背面の中央ぐらいを起始部としています。
内果の後ろをぐるりと回るように通ってから第2末節骨底~第5末節骨底へと4本に枝分かれし、それぞれの末節骨底が停止部となっています。
この筋肉は、趾に関しては母趾以外の指の屈曲動作に関与しており、母趾には筋肉は伸びていません。
この筋肉は、骨に近い部分にあるインナーマッスルです。
筋肉の上部は腓骨筋やヒラメ筋に覆われているため、触診することはできません。
起始 | 脛骨後面下方2/3 |
停止 | 第2~5趾の末節骨底 |
神経 | 脛骨神経 |
作用 | 足の第2~5趾の屈曲、足の内反 |
長趾屈筋の作用
この筋肉は、主に足関節の底屈動作と、母趾以外の趾の屈曲動作に貢献しています。
中でも趾の屈曲動作をする際には主役として貢献する主動筋です。
長趾屈筋の趾の屈曲動作を動画で簡単解説
【消音】タップして趾の屈曲動作を見る (#D57)
趾の屈曲動作では、長趾屈筋の他に、長母趾屈筋、短母趾屈筋、虫様筋、短趾屈筋、少趾外転筋、足底方形筋、背側骨間筋、足底骨間筋なども連動して趾の屈曲動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
足関節の底屈運動は、つま先を上に反らせるという動きですが、この筋肉は底屈運動以外にも、足を内側に反らせる内反動作の際にも関与しています。
長趾屈筋の足首の内反動作を動画で簡単解説
【消音】タップして足首の内反動作を見る(#D55)
足首の内反動作では、長趾屈筋の他に、前脛骨筋、長母趾屈筋、後脛骨筋、長母趾伸筋なども連動して足首の内反動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
この筋肉は脛骨神経に支配されています。
そのため、脛骨神経の作用に合わせて、腓腹筋やヒラメ筋などと連動することが多いという特徴もあります。
北野 優旗
では、さっそく長趾屈筋のストレッチを行ってみましょう!
長趾屈筋のストレッチのやり方
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
足底とふくらはぎのインナーマッスルをストレッチで伸ばしてむくみや疲労を解消する
【消音】タップしてストレッチ動画を見る (#Q_IMG_3393)
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 |
|
ポイント |
|
効果 |
|
足裏とアキレス腱をストレッチで伸ばし、血行が促進しむくみや疲労を解消する
【消音】タップしてストレッチ動画を見る (#Q_IMG_3394)
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 |
|
ポイント |
|
効果 |
|
長趾屈筋のストレッチ効果
この筋肉をストレッチする事は、足関節の柔軟性を高めるとともに、趾の可動域を広げる効果が期待できます。
足関節の動きに関与する筋肉は長趾屈筋以外にもたくさんあり、その中にはヒラメ筋や腓骨筋など大きな筋肉もあります。
足関節部分の柔軟性を高めることで、ふくらはぎの筋肉を柔らかくし、むくみや張りを解消することができるでしょう。
ふくらはぎのインナーマッスルがほぐれる
長趾屈筋をストレッチすることによって、ふくらはぎから足首にかけて骨に近い部分のインナーマッスルの凝りをほぐすことができます。
インナーマッスルがほぐれれば、血行が良くなりますし、日常生活の中での足首の動きが楽になります。
また、足首の動きがスムーズになるため、怪我をしにくい足首を作ることにもつながります。
足首の血行促進
この筋肉は、足首の底屈動作に貢献しています。
そのため、この部分の筋肉をストレッチすると、筋肉がほぐれて血行が促進され、代謝も良くなります。
すると、周囲の脂肪を筋肉細胞が燃焼してくれるため、ストレッチを続けることによって足首を引き締める効果が期待できます。
長趾屈筋ストレッチのまとめ
長趾屈筋は、ふくらはぎから足首を通り、趾の動きに大きく関与しています。
深層筋なので触診することはできませんが、ストレッチすることによってコリをほぐし、ふくらはぎから足首にかけての動きがスムーズになります。
コメント