【名称】長母趾伸筋
【よみ】ちょうぼししんきん
【英語名称】Extensor hallucis longus muscle
5本ある趾をそらす動作には、親指を反らす際には長母趾伸筋を使い、親指以外の4本をそらす際には長趾伸筋が使われます。
長母趾伸筋は、足の親指を上に向かって反らすという動作に関与している筋肉で、その他にも足先を背屈させる動作に貢献しています。
目次
長母趾伸筋とは
長母趾伸筋は、膝より下の下腿前面にある筋肉で、骨に近い部分にあるインナーマッスルです。
この筋肉は、頚部の辺りだと前脛骨筋や長趾伸筋などで覆われているため、皮膚の上から指で触れて筋肉の位置や状態を触診することはできません。
しかし、母趾の近くの足の甲のあたりなら、表皮に近い部分を走っているため、触診することは可能です。
長母趾伸筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#101)
長母趾伸筋の位置(起始停止)
長母趾伸筋は、腓骨の前面から中央にかけての部分、そして下腿骨間膜を起始点としています。
そこから、足の親指である母趾の末節骨底まで伸びています。
イメージとしては、脛の中央外側の部分から、前面を斜めに伸びて、最終的には足の内側にある親指の先まで伸びている筋肉です。
親指以外の趾4本を反らせる際に使う長趾伸筋とは、下腿部から並行して走っています。
クロスはしていません。しかし下腿骨の背面にある長母指屈筋や長趾屈筋は、並行ではなくて走る途中でクロスしていると特徴があります。
この点が、伸筋と屈筋の大きな違いとなっています。
起始 | 脛骨の外側顆、腓骨頭、腓骨の前面上部2/3 |
停止 | 第2〜5趾の中節骨・末節骨の背側面 |
神経 | 深腓骨神経 |
作用 | 第2〜5趾の伸展、足関節の背屈、足の外反 |
長母趾伸筋の作用
長母趾伸筋は、前脛骨筋や長趾伸筋とともに、足関節の背屈に大きく貢献しています。
そのことから、これらの筋肉は、足関節背屈筋群とも呼ばれています。
長母趾伸筋の足首の背屈動作を動画で簡単解説
【消音】タップして足首の背屈動作を見る(#D53)
足首の背屈動作では、長母趾伸筋の他に、前脛骨筋、長趾伸筋なども連動して足首の背屈動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
足関節の背屈動作というのは、趾を上に向かって反らすという動きのことで、日常生活においては歩いたり走ったりするときに、趾をそらせることによって地面に躓いて転ぶというトラブルを防ぐことにつながります。
もしも何もない所で躓いたり転ぶことが多いという人は、もしかしたら長母趾伸筋の筋力が低下していることが原因かもしれません。
この筋肉はまた、足の母趾の伸展運動や、親指を持ち上げて足の裏を外側に向ける外反運動にも貢献しています。
日常生活においては、足元が良くない所を歩く際には、無意識のうちに使っている筋肉です。
長母趾伸筋の趾の伸展動作を動画で簡単解説
【消音】タップして趾の伸展動作を見る(#D58)
趾の伸展動作では、長母趾伸筋の他に、短趾伸筋、長趾伸筋なども連動して趾の伸展動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
北野 優旗
では、さっそく長母趾伸筋のストレッチを行ってみましょう!
長母趾伸筋のストレッチのやり方
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
長母指伸筋ストレッチ(母指を持って足のアーチ、甲、母指をほぐす方法)
【消音】タップしてストレッチ動画を見る (#Q_IMG_3377)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右20秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
椅子に座りながら長母指伸筋ストレッチ(足のアーチ、甲、母指をほぐす方法)
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姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右20秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
長母趾伸筋のストレッチ効果
長母趾伸筋をストレッチすることは、足首の柔軟性を高めたり可動域を広くする効果が期待できます。
足元が良い場所しか歩かないという人だと、普段の生活ではあまり使うことが少ない筋肉かもしれません。
一方、アウトドアを楽しむ人だと、足場が悪い所を歩く際にはよく使う筋肉です。
筋肉を使わないと硬くなってしまい、怪我をしやすくなってしまいます。
そのため、普段からストレッチして足首をほぐしておきたいものです。
引き締まったキレイな足首
キュッと締まった足首は魅力的です。
アキレス腱が浮き出た締まった足首は、脚全体が細く見えます。
溜まった老廃物を流し、むくみを改善するため足首が引き締まるのです。
またキレイな足のアーチを作ることができますので、ヒールを履きこなすのに欠かせないストレッチとなります。
不安定な場所でも安定した柔軟性のある足首になる
この筋肉をストレッチすることで、柔軟性を高めて可動域を広くすることができます。
柔軟性が高くなれば、足場が悪い所を歩いても怪我をしづらくなりますし、可動域が広くなれば、靭帯にダメージをあたえるリスクも軽減できます。
長母趾伸筋ストレッチのまとめ
長母趾伸筋は、足の親指を上に反らす際に使う筋肉です。
ストレッチして柔軟性を高めれば、地面で躓いたり転ぶことが少なくなりますし、血行が良くなります。
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