【名称】大腿筋膜張筋
【よみ】だいたいきんまくちょうきん
【英語名称】tensor fasciae latae muscle
大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)について、詳しく説明できる人は多くないでしょう。耳慣れない名前の筋肉ですが、股関節の可動域や代謝・歩き方などに重要な影響を与えているのです。
目次
大腿筋膜張筋とは
大腿筋膜張筋は、普段スポットライトが当たりにくい筋肉ですが、股関節などの下半身をサポートする働きを持っています。ストレッチの効果を高めるためにも、まずは、具体的な位置や働きについて理解しておきましょう。
大腿筋膜張筋の位置(起始停止)
大腿筋膜張筋は上前腸骨棘から始まり、脛骨外側顆に付随する腸脛靭帯で終わります。幅広の筋肉であり、太腿の外側を覆っています。中殿筋や大殿筋のように骨盤の腸骨稜に付着しており、その下には小殿筋が位置しています。
大腿筋膜張筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#80)
日ごろから運動する習慣があったりよく歩いたりする人は、この筋肉がよく発達している傾向があります。ただし、位置的に体重の負荷がかかりやすいこともあり、疲労がたまりやすい性質も持ち合わせています。
起始 | 腸骨稜外唇の前部、上前腸骨棘、大腿筋膜の深面 |
停止 | 腸脛靱帯を介して脛骨外側顆の下方につく |
神経 | 上殿神経(L4~L5) |
作用 | 股関節の屈曲、内旋、外転 |
大腿筋膜張筋の作用
主な働きは、股関節や膝関節を曲げることです。たとえば、太腿を前や横に引き上げたり膝を内側に回したりするときに使われます。実際には、周辺に位置する大殿筋などと連動して働きます。
大腿筋膜張筋の股関節の屈曲動作を動画で簡単解説
【消音】タップして股関節の屈曲動作を見る (#D43)
股関節の屈曲動作では、大腿筋膜張筋の他に、大腰筋、腸骨筋、中殿筋、小殿筋、大腿直筋、縫工筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、大内転筋、腸脛靭帯なども連動して股関節の屈曲動作を行います。
大腿筋膜張筋の股関節の内旋動作を動画で簡単解説
股関節の内旋旋動作では、大腿筋膜張筋の他に、大殿筋、中殿筋、小殿筋なども連動して股関節の内旋動作を行います。
大腿筋膜張筋の股関節の外転動作を動画で簡単解説
【消音】タップして股関節の外転動作を見る (#D47)
股関節の外転動作では、大腿筋膜張筋の他に、大殿筋、中殿筋、小殿筋、梨状筋、縫工筋なども連動して股関節の外転動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
何らかの原因で働きが弱くなると、うまく太腿を上げたり膝を回したりできなくなり、日常生活に不便を感じる原因になります。しかし、ストレッチすることにより刺激を与えて柔軟性を高めることで、正常な働きを維持することが可能です。
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では、さっそく大腿筋膜張筋のストレッチを行ってみましょう!
大腿筋膜張筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
大腿筋膜張筋に効果のあるストレッチ方法
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#47)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
腸脛靭帯&大腿筋膜張筋の筋膜リリース!太ももの外側をローラーストレッチ
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_MVI_1067)
方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
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大腿筋膜張筋のストレッチ効果
大腿筋膜張筋をストレッチすることで、下半身を中心に多くのメリットを感じることができます。30代以降の女性にとって見逃がせない内容ばかりなので、ストレッチする甲斐があるでしょう。
メリット下半身の代謝があがり、痩せやすくなる
下半身の代謝がよくなり、痩せやすくなるのもうれしいメリットでしょう。日本人女性の多くは、下半身に何らかのコンプレックスを持っているものです。しかし、どんなにがんばってダイエットをしても、下半身はなかなかサイズダウンしてくれません。たとえ食事制限や激しい運動をして摂取カロリーを減らしたり消費カロリーを上げる努力をしても、代謝が悪い状態では効果が出にくいのです。
本気で下半身をスリムにしたいのなら、まずは、代謝を改善する必要があります。そこで、大腿筋膜張筋肉のストレッチがおすすめなのです。普段意識していない筋肉だからこそ、積極的にストレッチをすることで、効果を実感できます。もちろん、1回や2回だけでは思った効果が出ないものです。しかし、ストレッチが毎日の習慣になったころには、以前より下半身がスリムになっていることに気付くでしょう。
また、ストレッチにより柔軟性が高まることで脚がよく開くようになれば、体を動かすことが好きになるものです。すると、自然に運動量が増えて多くのカロリー消費につながり、ダイエットを後押ししてくれることでしょう。いずれにしても、体に負担がかからず、リバウンドの心配もない方法なので、安心して続けることができます。長い目で見て本当に美しい下半身とスタイルを手に入れるためにも、ストレッチすることがおすすめです。
効果腿横の張りが消え、すっきりとした脚になる
美しい脚にあこがれている人には、とてもうれしいメリットがあります。ストレッチによって腿横の気になる張りが消えて、スッキリした脚を手に入れることができることです。どんなダイエットや食事制限をしても、脚をすっきりさせるのは難しいといえます。やみくもに体重ばかり減らしても、メリハリのある脚から遠ざかってしまうばかりです。
しかし、大腿筋膜張筋を正しくストレッチすることで、下半身の骨格バランスが整い、腿横の張りが気にならなくなります。パンツやスカートなどのボトムスも、よりキレイにはきこなせるようになるでしょう。今後は、ボトムスのシルエットを気にせずに好きなラインのもの選ぶことができます。人によっては、ストレッチにより脚が引き締まることでサイズダウンし、よりスリムなボトムスがスムーズに入るようになるでしょう。
美しい脚の持ち主は、実年齢より若々しいファッションを楽しめるだけでなく、生活がきちんとしている印象を与えます。たとえば、子どもの父兄会などに出かけても、周囲から高評価を受けやすいでしょう。子どもにとっても、母親がキレイできちんとしていることはとてもうれしいものです。
効果硬い股関節の可動域が広がる
股関節の可動域が広がるのも、ストレッチによるメリットの一つです。股関節の可動域が広がると、脚がスムーズに開きやすくなります。学生時代などに、馬飛びや跳び箱をした際、脚を大きく開いたことを思い出してみてください。馬飛びや跳び箱がうまくできるかどうかは、脚を大きく開くことができることがポイントです。
学生時代にはうまくできても、30代を迎えてから同じようにできる人は意外と少ないものです。小さな子どもにせがまれてお手本を見せようとしても、うまくできなくてがっかりされることでしょう。特に、デスクワークで長時間座っていたり、移動に車を利用したりしている人は、運動不足により股関節が硬くなっている可能性があります。
さて、ストレッチにより股関節の可動域が広がると、日常生活を送る上でもメリットがあります。脚の動きがよくなるので、段差などでつまづきにくくなることです。転びそうになったときにも、股関節の可動域が広い人のほうがとっさに身をかわして重傷を防ぐことができるものです。普段は意識しづらい筋肉ですが、何かあったときにこそストレッチをしていてよかったと実感することでしょう。
効果歩く姿勢が良くなる
歩く姿勢が良くなるのも、ストレッチによるメリットになります。ドタドタとがさつな歩き方をしている人は、決して女性らしいとはいえません。いくら容姿が美しくても、歩き方が悪いと幻滅されてしまいます。
しかし、自分が歩く姿勢は、直接自分で目にすることができません。したがって、周囲の人からの評価を参考にする必要があるでしょう。また、自分で確認するには、靴底のすり減り方をチェックする方法があります。きちんとした姿勢で歩いていれば、靴底が特定の部分だけ極端にすり減ることはありません。自分の靴をチェックして、もしも靴底が特定の部分だけ不自然にすり減っていたら歩き方が悪いと考え、意識して直しておきましょう。
毎日ストレッチを地道に続けるうちに、徐々に姿勢が改善されて歩き方がとても美しくなります。歩き方が変わると、ほかの人に与える第一印象にも大きな影響を与えます。たとえば、子どもの友達の親との初めての挨拶や、パート先の面接などでも、好印象を残すことが可能です。きちんとしていてキレイな女性という印象を与えることができれば、人間関係もスムーズに進めやすくなるでしょう。ほかの人は意外なところを見て評価しているので、試す価値は十分にあります。
大腿筋膜張筋ストレッチのまとめ
大腿筋膜張筋をストレッチすることで、腿横の張りがなくなってすっきりした脚になれたり、骨盤ダイエットの効果を実感できたりします。また、下半身の代謝が上がって痩せやすくなるなど、女性にとってうれしいメリットが満載です。そのほかにも、股関節の可動域が広がって脚を動かしやすくなり、つまづきにくくなるのも見逃がせません。普段は意識しづらい筋肉ですが、さまざまなメリットを考えると、コツコツとストレッチをする意味は大きいといえるでしょう。
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