【名称】大腿方形筋
【よみ】だいたいほうけいきん
【英語名称】quadratus femoris muscle
大腿方形筋(だいたいほうけいきん)は、骨盤のインナーマッスルの一つとして主に股関節を外旋させる役割を持っています。実は、ストレッチによってよくほぐすと、そのほかにも多くのメリットをもたらしてくれるのです。
目次
大腿方形筋とは
最初に、大腿方形筋の位置や働きを確認しておきましょう。具体的な位置や働きを理解することは、正しくストレッチすることにつながります。
大腿方形筋の位置(起始停止)
大腿方形筋は、坐骨周辺に位置しています。始まりは坐骨結節で、転子間稜で終わります。比較的短い筋肉であり、筋肉の形状が平らな四角形に見えるのが特徴で、名称の由来にもなっています。
大腿方形筋の解剖図を動画で簡単解説
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大腿方形筋は、骨盤のインナーマッスルとして大殿筋などよりも深い位置に存在しているため、普段は意識することが少ない筋肉といえます。しかし、関連する筋肉群の中でも、骨盤と大腿骨をつなぐ重要な役割があることから、普段から意識してストレッチすることが大切です。
起始 | 坐骨結節 |
停止 | 四角形の筋板として転子間稜 |
神経 | 仙骨神経叢 |
作用 | 股関節の外旋 |
大腿方形筋の作用
坐骨周辺に存在する深層外旋六筋の一つとして、股関節を外旋させることが主な働きです。深層外旋六筋には、そのほかに閉鎖筋・外閉鎖筋・上双子筋・下双子筋・梨状筋があります。これらの深層外旋六筋や大殿筋などの周囲の筋肉群と連動して、股関節をスムーズに動かしているのです。
大腿方形筋の股関節の外旋動作を動画で簡単解説
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股関節の外旋動作では、大腿方形筋の他に、大殿筋、中殿筋、梨状筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、縫工筋なども連動して股関節の外旋動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
また、骨盤のインナーマッスルとして、股関節を安定させる働きも持っています。股関節を安定した位置に保つよう働くので、骨盤への負担を軽くして歪みを防ぐことにもつながります。そのため、この筋肉が硬くなってしまうと股関節や脚の動きが悪くなり、骨盤および腰周辺がだるくなったりこわばったりしやすくなるなど、何かと支障が出やすいので注意が必要です。
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では、さっそく大腿方形筋のストレッチを行ってみましょう!
大腿方形筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
大腿方形筋に効果のあるストレッチ方法①
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姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
大腿方形筋に効果のあるストレッチ方法②
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姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
大腿方形筋のストレッチ効果
大腿方形筋をストレッチすることによってどんな効果を得られるか確認すると、ストレッチを続けるモチベーションが高まります。股関節の硬さや骨盤の歪みが気になる人は、特に注目してください。
効果バレエのターンアウトのように股関節の外旋可動域が広がる
適切なストレッチによって大腿方形筋がほぐれると、股関節の外旋可動域が広がります。バレエでターンアウトしたときのように、股関節をキレイに動かすことができます。実際にバレエを習っている人なら、特に大きな効果を感じることでしょう。もちろん、特にバレエを習っていない人も股関節の動きがよくなることでさまざまな効果があります。
たとえば、趣味でダンスを習っている人なら、今までよりもしなやかに動けるようになってグングン上達することでしょう。股関節の外旋可動域が広がることで、素早い動きとゆったりした動きの緩急がキレイにできるようになります。また、表現力が大きくアップするので、今まで難しくて踊れなかった曲でも、踊りやすいと感じることでしょう。そのほかにも、ヨガのポーズをキレイにできるようになるのもメリットです。今まで以上に、リラックス効果や全身の新陳代謝を高める効果が期待できます。股関節が硬くて今一つキレイにポーズを取ることができないといった人は、試してみるとよいでしょう。
体が硬いことを理由にバレエやダンス・ヨガとは無縁だと思っていた人でも、適切なストレッチにより柔軟に股関節が動くようになれば、やってみたくなるものです。うまくいけば、仕事や子育ての合間に趣味として楽しむだけでなく、インストラクターになることも可能です。将来の可能性を広げるという意味でも、今のうちからストレッチを重ねて柔軟性を高めておくことをおすすめします。
効果足を組む骨盤の歪みを改善する
大腿方形筋をストレッチすることで、骨盤の歪みが改善される点にも注目してください。特に、イスに座って足を組むクセがある人は、骨盤に大きな負担がかかって歪んでいることがあります。骨盤が歪むと姿勢が悪くなる原因になるので、早めに改善しておきましょう。30~40代のうちは問題がなくても、年齢を重ねたときに大きな不調が出てくることがあります。不調が出る前にストレッチを開始すれば、効果的に予防できるでしょう。
すでに骨盤が歪んでいる人は、イスに座ったときに自然と足を組んでしまうものです。特に、女性は足を組むクセが付いている人が多いので、注意してください。足を組んだほうが細くてキレイに見える、仕事がデキる女性を演出できるというのは間違った情報です。実際には、正しい姿勢できちんと座っている女性のほうが何倍も素敵に見えます。
なお、足を組むほうが安定して座れる状態では、すでに骨盤が大きく歪んでいる可能性があるので注意してください。骨盤が歪んでいなければ、足を組むほうが違和感を覚えるものです。普通に座っていることができず、無意識に足を組んでしまうという人は、早急にストレッチをすることがおすすめです。ストレッチにより骨盤の歪みが改善されると、今度は足を組むと違和感を覚えるようになります。骨盤の位置が本来の場所に戻ったと考えてよいでしょう。このままの状態を維持するためにも、気を緩めずにストレッチを続けてください。
効果骨盤のインナーマッスルがほぐれる
骨盤のインナーマッスルがほぐれるのも、ストレッチによる大きな効果といえます。骨盤周辺のインナーマッスルは、何かと硬くなりやすいものです。特に、長時間同じ姿勢を取り続けることが多い人は、運動不足も相まって柔軟性を失っている傾向があります。また、ストレスなどによって体に余分な力が入り、硬くなってしまうこともあるので気を付けましょう。
大腿方形筋をストレッチすると、そのほかの深層外旋六筋肉である5つの筋肉群も同時にほぐすことができます。骨盤のインナーマッスル全体がほぐれることで、腰周辺の気になるこわばりやだるさが軽くなり、不快感が薄れることでしょう。また、ストレッチを続けるほどに柔軟性が高まるので、より大きな効果を実感しやすくなります。一度にたくさんの回数をこなすのではなく、少しずつでも毎日コツコツと続けることがコツです。
腰の調子が今一つだと感じる人や、家事や育児などで腰への負担が大きい人などは、知らず知らずのうちに骨盤周辺のインナーマッスルが硬くなっている可能性があります。しかし、適切なストレッチにより骨盤周辺のインナーマッスルがよくほぐれると、腰周辺が軽くなるだけでなく、体調もよくなります。また、血行の改善につながり、ぐっすりと眠れるようになるでしょう。夜、ベッドに入って横になってもなかなか寝付けない人は、ストレッチにより改善できることがあります。不眠が続けば、集中力がなくなったり疲れが取れなくなったりなど、さまざまな悪影響をもたらすので、早めに対策してください。
大腿方形筋ストレッチのまとめ
大腿方形筋をストレッチすることで、股関節の可動域が広がって外側に脚がよく回るようになります。股関節や脚の動きがよくなれば、動作が美しくなるほか、骨盤の歪みが改善されます。また、骨盤周辺のインナーマッスルも同時にほぐれるので、腰周辺のだるさや違和感も軽くなることでしょう。事務仕事などで長時間同じ姿勢で座り続けている人などは、意識してストレッチしてみてください。ストレッチにより柔軟性が高まれば、毎日を快適に過ごせます。骨盤の歪みが気になる、股関節が硬いと感じている人には、特におすすめです。30~40代のうちからストレッチを習慣づけることで、いつまでも若々しく健康に暮らすことができます。
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