【名称】梨状筋
【よみ】りじょうきん
【英語名称】piriformis muscle
梨の形をしていることからネーミングされた梨状筋は、大殿筋のすぐ下、つまりお尻の部分にある筋肉群の一つで、表皮ではなく骨に近い深層部にある深層筋です。
この筋肉の上に大きな表皮筋の大殿筋が被っているため、指で触れて梨状筋の位置を確認したり、動きを触診することはできません。
しかし、凝って硬くなってしまうとさまざまなトラブルが起こりやすくなるため、普段からしっかりストレッチをしておきたい筋肉の一つです。
目次
梨状筋とは
梨状筋とは、股関節の周囲にあって股関節を外側に外旋する作用を持つ筋肉の一つです。
上下双子筋や内閉鎖筋、外閉鎖筋や大腿方形筋などの筋肉と共に、深層外旋六筋という筋肉群を形成しています。
梨状筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#83)
この筋肉の下孔には坐骨神経が通っています。
筋肉の状態によっては坐骨神経へ影響を与えやすく、筋肉が凝って硬くなってしまうと、坐骨神経へマイナスの影響が出てしまいます。
そのため、普段から適度なストレッチを意識して、できるだけ凝らないように気を付けたい筋肉の一つと言えるでしょう。
梨状筋の位置(起始停止)
梨状筋は、大殿筋の内側にある深層筋の一つです。仙骨の内側面にある上位3孔のあたりを始点とし、大臀骨の大転子まで伸びています。
成人の場合には、筋肉の大きさは約53平方センチメートルと大きく、速筋と遅筋の割合は50:49と同じぐらいの割合となっているのが特徴です。
ストレッチをしてもパンプアップ的な効果はなく、筋肉の柔軟性を高める効果が期待できる筋肉です。
起始 | 仙骨(前面) |
停止 | 大腿骨(大転子) |
神経 | 仙骨神経叢 (L5-S2) |
作用 | 股関節の外旋、外転 |
梨状筋の作用
この筋肉は、股関節の外旋運動に大きく関与しています。
太腿や膝を外側に向ける外旋運動をする際には、足の付け根部分にあたる股関節が主力筋として作用します。
梨状筋の股関節の外旋動作を動画で簡単解説
【消音】タップして股関節の外旋動作を見る (#D46)
股関節の外旋動作では、梨状筋の他に、大殿筋、中殿筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、縫工筋なども連動して股関節の外旋動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
つまり、この筋肉は、足全体の外旋運動に加え、体の向きを変える際や、足を動かす際などにもよく使われています。
日常生活の中においては使用頻度が高い筋肉の一つと言えるでしょう。
例えば、歩いている時に方向転換をする際にはこの筋肉を使いますし、振り向くという動作をする際にも股関節が外旋されるため、梨状筋を使います。
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では、さっそく梨状筋のストレッチを行ってみましょう!
梨状筋のストレッチのやり方
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
寝ころびながらお尻を伸ばすストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#99)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
床に座りながらお尻伸ばしストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#100)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
ダイレクトに臀部を伸ばすストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#101)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
股関節の外旋筋群を伸ばすストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#97)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
股関節のインナーマッスル伸ばし
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#98)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
骨盤のバランスを整えるストレッチ
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 各脚6秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
股関節の可動域を広げるストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#56)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右交互に10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
梨状筋のストレッチ効果
この筋肉は深層筋なので、皮膚の上から触診したり、動きを確認することはできません。
しかし梨状筋は普段からのストレッチがとても大切な筋肉の一つです。
この筋肉をストレッチすることで、体を動かしながら方向転換したり、体の向きを変える際には軸足を安定させることができます。
また体を動かす際に軸足が安定するため、安定感が高まってふらつきなどが少なくなります。
この筋肉を普段からストレッチせずにいると、筋肉の拘縮が起こりやすくなります。
そうすると、股関節を外旋するという動作が難しくなり、自然と股関節が内側に内旋(内股脚)してしまいやすくなります。
そうならないためには、普段の生活の中でストレッチすることを意識すると良いでしょう。
しゃがむ動作が楽になる
この筋肉をストレッチすると、股関節の外旋可動域が広くなります。
そのため、足を開いた状態でしゃがんだり、スクワットするような動作が楽になります。
日常生活だけでなく、スポーツでも、しゃがむ動作をするバレーなどの球技や、柔道や体操など体の柔軟性が必要となる競技などでは、より体が安定し、スムーズな動きが可能になります。
スクワットの筋トレケアに役立つ
股関節の柔軟性に貢献してくれる梨状筋は、ストレッチすることによって股関節の可動域が高まります。
スクワットなどの筋トレにおいては、可動域を広くすることによって筋トレ効果がより高まるでしょう。
筋トレだけでなく、ヨガやピラティスなど、柔軟性や安定感が必要なスポーツにおいては、下半身が安定してポージングがスムーズになります。
ヒップラインのたるみが整う(ヒップアップ)
骨に近い位置にある深層筋である梨状筋をストレッチすることは、表皮に近い部分に位置する大殿筋のリフトアップ効果も期待できます。
年齢や筋力低下によってたるみやすい大殿筋は、筋トレなどで表皮筋を鍛えるという方法もアリですが、深層筋を鍛えることもまた、たるみ改善やリフトアップ効果につながります。
普段からスポーツをして大殿筋を鍛えている人以外の女性は、普段の生活の中でお尻の筋肉を使う機会があまりないものです。
そのため、どうしても年齢を重ねるとお尻がたるみやすくなってしまいます。
いつまでもキュッと引き締まったお尻のラインを維持したい人や、最近たるみが気になるという人は、日常生活の中で梨状筋をストレッチするのがおすすめです。
関連記事梨状筋ほぐしのまとめ
股関節の外旋運動に大きく関係している梨状筋は、深層筋の一つです。
梨の形をしていて大殿筋のすぐ下にあります。
ストレッチすることによって下半身の安定感が良くなったり、動きがスムーズになるといった効果がある他、お尻のたるみを改善してヒップアップ効果も期待できます。
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