【名称】恥骨筋
【よみ】ちこつきん
【英語名称】Pectineus muscle
股関節の動きをサポートする筋肉にはいろいろなものがありますが、その中でも股関節の内転、屈曲動作に大きく関与するのが恥骨筋です。
この筋肉は他にも、大殿部を内側に捻る内旋動作や骨盤の安定にも関与していて、筋力低下などによって働きが低下すると、躓きやすくなるなどのトラブルが起こりやすくなります。
目次
恥骨筋とは
恥骨筋は、短内転筋や長内転筋、大内転筋などと合わせて内転筋群を構成している筋肉の一つです。
大腿部や股関節の内旋に係る筋肉の中では、筋力はそれほど強くありません。
この筋肉は骨盤を前方向に傾けようという作用があり、股関節の伸筋群や腹直筋など後ろ方向へ引っ張る力を相反することで、骨盤を前後からサポートしています。
恥骨筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#86)
恥骨筋の位置(起始停止)
この筋肉は、内転筋群の中では最も上位にあり、形は扇形をしているのが特徴です。
筋肉の始点は長内転筋と腸腰筋に挟まれている恥骨櫛という部分で、恥骨筋線と大腿骨粗線のあたりまで伸びています。
起始 | 恥骨稜のすぐ上の恥骨前面 |
停止 | 小転子の前上面 |
神経 | 大腿神経 |
作用 | 股関節の内転・屈曲・内旋 |
恥骨筋の作用
この筋肉は、股関節の内旋動作に大きく関与しています。
内側に回すという内旋だけでなく、股関節を曲げる屈曲、股関節を内側に回す内転などにも貢献しています。
恥骨筋の股関節の内転動作を動画で簡単解説
【消音】タップして股関節の内転動作を見る(#D48)
股関節の内転動作では、恥骨筋の他に、長内転筋、大内転筋、短内転筋、薄筋なども連動して股関節の内転動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
股関節の内転動作は、スポーツだけではなく日常生活の中でも良く行います。
例えば、股を閉じるという動作には、この筋肉が使われます。
そう考えると恥骨筋は毎日の生活においてはとてもよく使う筋肉と言えるでしょう。
恥骨筋の股関節の内旋動作を動画で簡単解説
【消音】タップして股関節の内旋動作を見る(#D45)
股関節の内旋旋動作では、恥骨筋の他に、大殿筋、中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋なども連動して股関節の内旋動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
またこの筋肉は、骨盤を安定させる働きもしています。
普段からストレッチをして柔軟性を保っていれば、他の筋肉とバランスを取りながら骨盤を正常な位置に維持ることができます。
しかし、筋力低下などによって柔軟性がなくなると、筋肉は硬くなってしまい、骨盤が前に傾きやすくなってしまいます。
注意したほうが良いでしょう。
この筋肉の働きが悪くなると、骨盤が横にぶれやすくなり、平衡感覚が悪くなってしまいます。
何もない所でつまづいてしまったり、体の左右でバランスが悪くなることによってさまざまなトラブルが起こりやすくなってしまいます。注意しましょう。
また、O脚になりやすいという特徴もあります。
おすすめ書籍私がおすすめする参考書籍です。ぜひ興味のある方はご覧ください。北野 優旗
では、さっそく恥骨筋のストレッチを行ってみましょう!
恥骨筋のストレッチのやり方
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
呼吸に合わせてゆっくり恥骨筋を伸ばす(股関節の内旋、内転可動域が広がる)
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#105)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
内転筋群の可動域を広げる(股関節の内転可動域が広がる)
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#50)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右交互に10回×2セットずつ(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
鼠径部の前後伸ばし(股関節の屈曲可動域)
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#47)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
恥骨筋のストレッチ効果
この筋肉をストレッチすることで、骨盤を安定させることができます。
左右のバランスが良くなるため、椅子に座る時に正しい座り方ができたり、下半身が安定し、躓いたりふらつきなどが起こりにくくなるでしょう。
また、ストレッチすることによって股関節の可動域を広げることができ、日常生活やスポーツにおいては、股を開いたり閉じる動作がスムーズになります。
股関節の可動域が広がり、骨盤の左右バランスを整う
骨盤を横方向に安定させる役割を持つ恥骨筋は、ストレッチすることによって骨盤を安定する効果が期待できます。
特に左右のバランスが良くなるため、下半身の安定感が良くなるでしょう。
ふらついたり躓きやすい人は、この筋肉をストレッチすることによって、そうしたトラブルを軽減できます。
大腿部の動きをスムーズにする
この筋肉をストレッチすると、股関節の可動域が広くなります。
特に股関節の開閉や足の上げ下ろしなどの動作はスムーズにできます。
ヨガやピラティスなどでは、ポージングが以前よりも決まりやすくなりますし、可動域が広がることによって同じ動きでも燃焼できるエネルギー量が増え、ダイエット効果にもつながります。
恥骨筋ストレッチのまとめ
恥骨筋は、股関節の内転、内旋、屈曲に関係している筋肉です。
ストレッチすることによって骨盤を安定することができ、躓きやふらつきを軽減できます。
筋力が低下するとO脚になったり、骨盤が前傾しやすくなるので注意しましょう。
また、内転筋の鍛え方や内ももを細くしたいと思う方は、こちらの記事も参考に読んでみてください。
関連記事また、朝にストレッチをすることも、健康的な一日を送ることができます。
朝にする効果や朝ストレッチメニューをまとめた記事がこちらになります。
先日、交通で車に当てられ恥骨を骨折しました。二週間ほど前の事、骨折は徐々に着いてくるかと思われますが恥骨付近の筋肉の突っ張た感覚の違和感があり
松葉杖の過保護が筋肉の緩み?!を
解消を模索!ストレッチ方を知って
もう少ししたら試して見ようと思います
ありがとうございます
コメントありがとうございます。
交通事故は、大変な思いをされましたね。
骨盤周辺のストレッチは、骨がしっかりとついた状態から始めると有効的だと思います。
痛みがある場合は無理をせず、ご担当の医師に相談しながら行ってみてください。
少しでも早く良くなることを祈っています。
お大事にしてください。