【名称】大腰筋
【よみ】だいようきん
【英語名称】psoas major muscle
大腰筋(だいようきん)という文字からは、一見して腰の周辺にある大きな筋肉というイメージが浮かびます。実際に、上半身と下半身をつなぐ筋肉でとても重要な役割を持っているのです。今回は、この筋肉がどんな働きを持ち、ストレッチによりどんなメリットを期待できるか詳しく解説しましょう。
目次
大腰筋とは
まずは、大腰筋の位置や主な働きについて見ていきましょう。正しい位置や主な働きを知ることで、実際にストレッチするときの意識が違ってくるものです。
大腰筋の位置(起始停止)
胸椎12番目および腰椎1~5番目より始まり、大腿骨の内側にある小転子で終わります。インナーマッスルの中でも、長い筋肉の部類です。具体的には、肋骨の下から足の付け根辺りまで伸びていることになります。なお、インナーマッスルなので、体に手を当てても直接存在を確認することはできません。
大腰筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#75)
大腰筋は、胸椎と腰椎・さらには大腿骨といった重要な骨をつなぐように存在しています。存在位置から分かるように、腸骨筋と横に並ぶように位置し、体幹をしっかり安定させるだけでなく、下半身を大きく動かすときに働くのが特徴です。また小腰筋と同様体幹のインナーマッスルに位置します。
起始 | 全腰椎の棘突起、 第12胸椎 – 第4腰椎の椎体と椎間円板 |
停止 | 小転子 |
神経 | 腰神経叢 |
作用 | 股関節の屈曲、わずかに外旋 |
大腰筋の作用
主な働きは、股関節を曲げたり外に回したりすることです。股関節を思うように曲げたり外に回したりできるのは、大腰筋がきちんと働いているからです。特に、腿を高く引き上げるときに使われます。また、腰椎を前方に引き出すことで、腰を安定させる働きもあります。いずれにしても、下半身の動きを大きく支配する筋肉だといえるでしょう。
大腰筋の股関節の屈曲動作を動画で簡単解説
【消音】タップして股関節の内旋動作を見る(#D45)
股関節の屈曲動作では、大腰筋の他に、腸骨筋、中殿筋、小殿筋、大腿筋膜張筋、大腿直筋、縫工筋、長内転筋、短内転筋、恥骨筋、大内転筋、腸脛靭帯なども連動して股関節の屈曲動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
この筋肉が何らかの理由でうまく働かないと、締まりのない体形になったり姿勢が悪くなったりします。たとえば、長時間座ったままだったり、パソコンやスマホを見ていたりする人は、大腰筋が硬くなっていてうまく働いていない可能性があります。
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では、さっそく大腰筋のストレッチを行ってみましょう!
大腰筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
大腰筋を柔らかくするストレッチ①
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#43)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 #前鋸筋 #外肋間筋 #内肋間筋 #内腹斜筋 #外腹斜筋 #腹横筋 #腸骨筋 #大腰筋 #小腰筋 |
大腰筋を柔らかくするストレッチ②
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#47)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
大腰筋を柔らかくするストレッチ③
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#57)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 6回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 #外肋間筋 #内肋間筋 #内腹斜筋 #外腹斜筋 #腹横筋 #腸骨筋 #大腰筋 #小腰筋 |
大腰筋を柔らかくするストレッチ④
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#66)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5秒×左右2セットずつ(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
大腰筋(腸腰筋)の筋膜リリース!股関節と腰部をローラーストレッチでほぐす⑤
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_MVI_1081)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 4往復ローリング×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
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大腰筋のストレッチ効果
大腰筋をストレッチすると主にどんな効果があるか、詳しくご紹介しましょう。
スタイルや姿勢がよくなったり体幹が安定したりなど、いずれもうれしいことばかりです。
効果体幹のインナーマッスルが締まり、ぽっこりお腹が解消
ストレッチする主な効果として、体幹のインナーマッスルが締まってぽっこりお腹が解消することが挙げられます。標準体重で特に太っていない人でも、なぜかお腹だけぽっこり出ている人は多いものです。主な原因として、大腰筋をはじめとする体幹のインナーマッスルがゆるんでいることなどが挙げられます。
いくら食事制限や運動をしてもなかなかお腹が引っ込まないという人ほど、ストレッチをしてみるべきでしょう。お腹の周辺に締まりがなくて悩んでいるのなら、まずは、インナーマッスルを意識して鍛えたり柔軟性を高めたりすることが大切です。毎日続けるほどにお腹周辺が締まって、きつかったスカートやパンツがゆるくなり、見た目にも大きな変化を感じるはずです。
ぽっこりお腹が解消できれば、バスや電車の中で妊婦に間違われて気遣われることもなくなります。また、洋服店で気に入った洋服を試着してみてがっかりすることも確実に減るでしょう。一刻も早く理想の体形を手に入れて毎日を楽しく過ごすために、コツコツとストレッチしてみてください。
効果深層の体幹筋が伸び、猫背姿勢が改善
大腰筋をストレッチすると、深層にある体幹筋が伸びて、姿勢を改善することにつながります。特に、猫背だと自覚している人は、ストレッチにより本来の姿勢に戻すことが大切です。姿勢がよくなれば内臓の負担も軽減されて働きが正常化し、毎日を快適に送ることができます。
楽な姿勢になったときに前かがみになる人やあごが前に出てしまう人は、自覚している以上に猫背になっています。30歳を過ぎたころから身長が縮んだ、背中が丸いとよく人に指摘されるといった人は、特に注意が必要です。普段から背中を丸めるくせが付いてしまうと、お腹や腰周辺のインナーマッスルの働きが弱くなってしまいます。
しかし、早めにストレッチをして柔軟性を取り戻すようにすれば、体の深層になる体幹筋がきちんと伸びて正常化します。すると、姿勢が改善されて背筋がスッと伸びるようになります。背筋が伸びた女性は実年齢よりも若く見え、とても美しいものです。
効果股関節の可動域が広がり体幹が安定する
股関節の可動域が広がって体幹が安定するのも、うれしい効果といえるでしょう。股関節がうまく動かないと、体幹のバランスが取りづらく安定しません。しかし、大腰筋をストレッチすることで、今までよりスムーズに股関節が動くようになります。股関節が動くことで、体幹が安定してバランスをうまく取ることができ、立ったり歩いたりするときにもふらつきにくくなります。
趣味でダンスをやっている人は、体幹が安定すると特に大きな効果を感じることでしょう。大きな動きやターンを伴う動作でも、体がブレることなく美しくしなやかなに踊ることができます。ダンスがめきめきと上達すれば、周囲から一目置かれるようになるでしょう。また股関節の可動域が広がることで、思わぬケガを防ぐことにもつながります。大好きなダンスを長く続けるためにも、入念なストレッチが必要です。
股関節が柔軟性を失った状態で無理な動きをすると大きな負担がかかり、周辺の筋肉に違和感を覚える原因になります。ひどくなるとダンスができないこともあるでしょう。大好きなダンスを続けるためにも、より美しくしなやかに踊るためにも、しっかりストレッチを行って普段から十分なケアをしておきましょう。
効果腿が上がることでつまづかなくなる
ストレッチで柔軟性が高まると、腿がよく上がるようになり、つまづきにくくなります。何でもないところでつまづいたり転んだりしなくなるので、安心です。最近、つまづくことが多くて怖いといった人は、積極的にストレッチしてみるとよいでしょう。ちょっとした段差や階段がある場所でも、ヒヤヒヤしなくて済むようになります。
30~40代から意識してほぐしておけば、高齢になっても腿がよく上がるので、思わぬ転倒を防ぐことができます。高齢になると軽く転倒しただけでも骨折してしまい、長期入院するケースが多いので気を付けましょう。高齢者にとって、長期入院は生活の質を大きく下げてしまう原因になります。今のうちから腿がよく上がるようにしておくことが大切です。
また、腿がよく上がると脚の筋肉が大きく使われるので、引き締まった脚を手に入れるのも夢ではありません。脚が全体的にぽっちゃりとして緊張感がない人や、今より引き締まった美しい脚を手に入れたい人は、ストレッチをこまめにやってみるとよいでしょう。スリムなボトムスをはきこなしたいのなら、特におすすめです。30代以降になると、脚にも年齢が徐々に出てくるものです。ストレッチにより、美しい脚とつまづきにくさの両方を手に入れましょう。
大腰筋ストレッチのまとめ
大腰筋はインナーマッスルの中でも大きくて長い筋肉であり、体幹の安定などに大きく関わっていることが理解できたはずです。ぽっこりお腹で悩んでいる人も、適切なストレッチにより柔軟性を取り戻すことで、スリムなお腹になることが可能です。また、体幹が安定すれば姿勢もよくなるので、キリッとした印象をを周囲に与えることもできます。さらに、腿がよく上がるようになると、つまづきづらくなって転倒のリスクを避けられるなど多くの効果があるので、ぜひ参考にしてください。
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