【名称】内肋間筋
【よみ】ないろっかんきん
【英語名称】Internal intercostal muscles
肋骨と肋骨の間を覆っている筋肉は、肋間筋群と呼ばれていますが、その一つに内肋間筋があります。
この筋肉は私達が呼吸をする際に使われますが、すぐ隣にある外肋間筋が息を吸うときに使われる筋肉なのに対して、内肋間筋は息を吐き出す時に使われる筋肉という大きな違いがあります。
目次
内肋間筋とは
内肋間筋は呼吸筋群の一つで、胸式呼吸をする際に二酸化炭素を吐き出して酸素を吸い込むという「ガス交換」を正常に行うために使われる筋肉です。
内肋間筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#35)
この筋肉は肋間神経に支配されていて、肋骨の間にはりめぐらされているこの筋肉が収縮することによって、胸郭が閉じるという仕組みになっています。
ちなみに、呼吸器群は大小さまざまな20種類以上の筋肉があり、内肋間筋はその一つとなります。
内肋間筋の位置(起始停止)
内肋間筋は、肋骨と肋骨の間をふさぐように走っている筋肉です。
第1肋骨の内側の縁、肋軟骨から第2肋骨の下の縁、というように、第1肋骨から第12肋骨まで伸びています。
同じ呼吸筋群に分類されている筋肉には、外肋間筋がありますが、筋線維の方向が外肋間筋とは反対となっているのが大きな特徴です。
起始 | 肋骨溝上縁 |
停止 | 肋骨 |
神経 | 肋間神経 |
作用 | 肋骨を引き下げる |
内肋間筋の作用
私達が呼吸をする時には、息を吸う時には外肋間筋を使い、息を吐く時にはこの内肋間筋を使います。
体外から吸い込んだ空気を貯めておく胸郭は風船のような役割をしていて、呼吸によってガス交換を行います。この筋肉は、胸郭のガスを体の外に出す働きをしています。
胸郭を作っている骨格となる肋骨は、外側を外肋間筋で覆われていて、内側を内肋間筋が覆っています。
そのため、この筋肉を触診やマッサージなどで触れることはできないという特徴があります。
呼吸筋(横隔膜および外肋間筋)の働きで胸郭が開くことにで、胸腔内圧が下がり空気が肺の中に入ってきます(吸息)。
呼吸筋が緩むとと、肺は自然に収縮していきます(呼息)。深呼吸のように大きく呼出する場合には、内肋間筋で肺を縮めなければならない作用があります。
【腹式呼吸】安静時の吸息の約70%は、横隔膜の収縮によって起きます
【胸式呼吸】安静時の吸息の約30%は、外肋間筋の収縮によって起きます。
内肋間筋をストレッチするメリット
内肋間筋をストレッチすることは、いくつかのメリットが期待できます。
インナーマッスルなので、鍛えてもマッチョになる心配は一切ありませんし、ストレッチによって鍛えてあげても、見た目が変わるといった違いはありません。
しかし、呼吸機能が向上するので、高い健康効果を得ることができます。
メリット胸式呼吸が楽にできるようになる
内肋間筋を鍛えることによって、息を吐くという作業が楽にできるようになります。
呼吸は息を吐くという作業だけではなくて、息を吸うという作業とセットになっています。
そのため、この筋肉をストレッチする際には、合わせて息を吸うときに使う外肋間筋も合わせて鍛えることが大切です。
しかし、これらの筋肉は肋骨の外側と内側に伸びていて、どちらかだけを鍛えることは難しく、全般的には内肋間筋を鍛えると外肋間筋も鍛えられる仕組みとなっています。
メリット胸の凝りをほぐすことができる
この筋肉をストレッチすることによって、呼吸をする際に筋肉がスムーズに収縮できるようになります。
そのため、これまで呼吸をすると胸に違和感があるとか、胸の筋肉が凝っているような気がするといった症状があった人にとっては、内肋間筋をストレッチすることによって筋肉のコリをほぐすことができるというメリットがあります。
メリット胸のインナーマッスルをストレッチする
内肋間筋は、肋骨の内側に伸びている筋肉で、触診やマッサージすることはとても難しいという特徴があります。
筋トレなどによってトレーニングをするような部位ではありませんが、普段の生活の中で意識してストレッチしてあげると、胸の内側のインナーマッスルを鍛えることができるというメリットがあります。
内肋間筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
肋骨の間をに指を当て、胸式呼吸を楽にする
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#62)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 場所を移動しながら |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
側屈しながら内肋間筋と外肋間筋を伸ばす豊富
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#45)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
胸の肋骨を横からストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#68)
姿勢 |
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方法 | |
回数 | 15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント | |
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
寝ながら肋骨や胸の縮んだインナーマッスル群を伸ばす
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#70)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
座りながら内肋間筋、外肋間筋を伸ばして呼吸を整える
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#71)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
内肋間筋ストレッチのまとめ
内肋間筋は、肋骨の内側に伸びている筋肉で、呼吸筋群の一つです。この筋肉は、息を吐きだす時に収縮することで、体内の空気を外に吐き出す役割をしています。ストレッチをする事によって筋肉の動きをスムーズにでき、呼吸が楽になったり、胸の筋肉を柔らかくして心肺機能の向上などが期待できます。
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