【名称】長母指外転筋
【よみ】ちょうぼしがいてんきん
【英語名称】Abductor pollicis longus
手で何かをつかむときに、指は様々な役割を果たします。普段は意識していませんが、親指を使わずにモノをつかむということがあり得ないことから、親指の動きはとても重要だといえます。この親指を動かすために作用しているのが、長母指外転筋(ちょうぼしがいてんきん)です。この筋肉はどの部分にあって、ストレッチをすることにより、どんなメリットがあるのでしょうか。
目次
長母指外転筋とは
長母指外転筋は、上肢(じょうし)の筋肉で、母指、すなわち親指の外転や伸展、そして手の関節の橈屈(とうくつ)、つまり親指の方向に曲げる役割を行います。親指の動きを担うということは、私たちが手でモノをつかむ全てのことにおいて、使っている筋肉なのです。
長母指外転筋の解剖図を動画で簡単解説
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例えばお茶碗や箸を持つ、本のページをめくる、ドアノブを回すなど、挙げればキリがないくらいです。この大事な筋肉は身体のどの位置にあるのか、さらに詳しい働きをみていきましょう。
長母指外転筋の位置(起始停止)
前腕後面深層に位置していて、表層は総指伸筋に覆われているのが長母指外転筋です。尺骨中部の背側面と橈骨背側面、前腕骨間膜の背側面から伸びていて、手の甲のつけ根にある伸筋支帯の第一中手骨底外側、つまり親指の真ん中あたりで止まります。長母指伸筋(ちょうぼししんきん)や、短母指伸筋(たんぼししんきん)も近い役割があり、合わせて覚えておくとより理解が深まります。
起始 | 尺骨、橈骨、前腕骨間膜 |
停止 | 第1中手骨 |
動脈 | 後骨間動脈 |
神経 | 後骨間神経、橈骨神経より |
作用 | 親指の外転と伸展 |
拮抗筋 | 母指内転筋 |
長母指外転筋の作用
母指の伸展動作を動画で簡単解説
【消音】タップして母指の伸展動作を見る(#D28)
母指の伸展動作では長母指外転筋の他に、長母指伸筋、短母指伸筋なども連動して母指の伸展動作をします。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
親指を伸ばす、親指を回す、手首を親指の方向に曲げるなど、長母指外転筋は実にたくさんの働きをしています。先にも述べたようにモノをつかむということは、親指とほかの四本の指とを合わせて行う動作です。スマートフォンを操作する際も、親指の外転や伸展、まさにこの筋肉はフル稼働しているのです。
おすすめ書籍私がおすすめする参考書籍です。ぜひ興味のある方はご覧ください。長母指外転筋をストレッチするメリット
長母指外転筋を使い過ぎると、母指をつかさどる健を痛めます。また、親指を無理に伸ばす動作をすることも同様です。親指を使う細かい作業を連続で行ったり、スポーツする際に負荷がかかるような作用がそれに当たります。しかし、ストレッチをすることによって、それを未然に防ぐことができます。では、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット親指の動きをスムーズにする
どんな筋肉においてもそうですが、筋肉自体が固くて縮こまっていると、スムーズな動きをするのが難しくなります。ですので、日頃から長母指外転筋のストレッチをして、伸びやかにしておくことをおススメします。イメージでは、油を差さずあまり動かさない機械よりも、油を差して頻繁に動かしている機械の方が、よりスムーズに動きます。この筋肉もより動きやすくするために、ストレッチをして柔軟にしておきましょう。
メリット使い過ぎで痛めないために
親指は手でモノをつかむ動作としてフル活動しています。普段以上に酷使したり、無理な動きをしたりすると、痛めてしまうことがあります。例えばスポーツを行うとき、何かを握って練習を繰り返す、パソコンのキーボードを長時間叩くなど、オーバーワークとなってしまうと筋肉が悲鳴を上げます。夕方になると手がだるい、などの経験もあるかと思います。急激に筋肉を作動させて痛めないためにも、ストレッチはとても大切なのです。
メリットパフォーマンスの向上に
クラブを握って行うゴルフ、ラケットで俊敏にボールを返す卓球、このように何かをモノを握って行うスポーツはたくさんあります。また、昨今はやっているスマホゲームでは、親指の使用は必須です。ストレッチで親指の動きをしなやかにしておけば、それらのパフォーマンスのさらなる向上につながるでしょう。
長母指外転筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
親指の動きを滑らかにするストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#83)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) 反対側も同様に行いましょう |
ポイント | |
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
長母指外転筋(前腕)の筋膜リリース!腕をローラーストレッチでほぐす
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姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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長母指外転筋ストレッチのまとめ
長母指外転筋をストレッチすることによって、筋肉を痛めるのを予防できます。疲労しにくい筋肉となるメリットもあるので、日常的にストレッチを心がけましょう。
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