【名称】長母指伸筋
【よみ】ちょうぼししんきん
【英語名称】Extensor pollicis longus
日常生活の中でよく使う手首は、ちょっとした負荷でダメージを受けやすい部分です。その中でも長母指伸筋(ちょうぼししんきん)は、手首の上から手の親指にかけて伸びている筋肉で、手首や親指を動かす時によく使う筋肉です。
目次
長母指伸筋とは
長母指伸筋は、手の親指を動かす際には欠かすことができない筋肉で、親指を手の甲に向かって大きくそらせた時に作用します。
長母指伸筋の位置(起始停止)
長母指伸筋は、尺骨の中央の外側あたりから始まり、親指の甲の側にある末節骨底まで伸びています。尺骨は上腕部や肘の関節、橈骨など腕のたくさんの骨や関節をつなぐ役割をしていますが、腕を内側や外側にひねった時にはほとんど使うことはありません。
あくまでも、親指を動かしたりそらせり、ストレッチした時によく使う筋肉です。また、末節骨底は親指の指先に位置している骨です。この筋肉は、手首から親指の先まで伸びている筋肉です。
長母指伸筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#27)
長母指伸筋は、短母指伸筋とともに「解剖学的嗅ぎタバコ窩」というものを形成しています。これはスナフボックスとも呼ばれているもので、手のひらを大きく広げた状態で指を甲の方向に向かってそらせた時に、親指の付け根あたりにできるくぼみのことを指します。
起始 | 尺骨 |
停止 | 第1末節骨 |
動脈 | 後骨間動脈 |
神経 | 後骨間神経、橈骨神経より |
作用 | 親指の中手指節関節と指節間関節の伸展 |
拮抗筋 | 長母指屈筋、短母指屈筋 |
長母指伸筋の作用
長母指伸筋は、手のひらを動かす時に大きな役割を持っています。特に親指(母指)の伸展動作時に使われます。
手のひらを動かす際には5本の指を使いますが、その中でもこの筋肉は、親指をストレッチする時に作用します。基本的には親指を動かすことによって伸展と屈曲しますが、中手指関節を外側や内側に動かす場合には、その動きに合わせてこの筋肉も外転・内転します。
母指の伸展動作を動画で簡単解説
【消音】タップして母指の伸展動作を見る(#D28)
母指の伸展動作では長母指伸筋の他に、長母指外転筋、短母指伸筋なども連動して母指の伸展動作します。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
またこの筋肉は、手首の動きとも大きな関係があります。手首を手の甲の側にストレッチする際には、この筋肉に負荷がかかります。日常生活の中では手首を甲の側に向けてストレッチすることはとても多く、例えば床に膝をついて拭き掃除をする時や、座っている状態から立ち上がる際に床に手をついたりしたときに、よく使われます。
例えば、手のひらで何かを押す仕草をする時や、腕立て伏せをする時などには、この筋肉がとても大きな役割をしてくれます。
おすすめ書籍私がおすすめする参考書籍です。ぜひ興味のある方はご覧ください。長母指伸筋をストレッチするメリット
長母指伸筋をストレッチすることによって、日常生活の中ではいくつかのメリットが期待できます。
メリット手首周りの怪我を予防
この筋肉をストレッチなどによって鍛えると、手首周りの筋肉を全般的に強くすることができ、怪我をしにくくなるのがメリットです。
普段の生活の中でよく使う手首や指は、怪我をすると日常生活にも影響が出てしまうものです。この筋肉を普段からストレッチしてあげることによって、丈夫で健康な手首を作ることができます。
手首に大きな負担がかかると、関節に痛みを起こしやすくなります。これは日常生活の中でも起こりますし、ピアノのような鍵盤楽器を演奏した時にも起こります。
この筋肉を鍛えることによって、関節にかかる負担を軽減できるので、怪我の予防効果があります。
メリット柔軟な手首関節、手の動きを維持できる
この筋肉をストレッチで鍛えると、手の動きが柔軟になります。筋肉は普段から伸縮させていなければ固くなってしまい、可動域が狭くなりやすいものです。
そうすると、普段の生活の中でも手が思うように開かないとか、モノを掴む時に力が入りにくいといったトラブルが起こりかねません。この筋肉を柔らかく維持することによって、親指の可動域を最大限に広くできます。
長母指伸筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
前腕の伸筋群に効くストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#82)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) 反対側も同様に行いましょう |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
長母指伸筋をピンポイントに伸ばす効果的なストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#83)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) 反対側も同様に行いましょう |
ポイント | |
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
長母指伸筋(前腕)の筋膜リリース!腕をローラーストレッチでほぐす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_MVI_1079)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
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長母指伸筋ストレッチのまとめ
この筋肉は、手首の上から手の親指の指先まで伸びていて、主に親指をそらせる動きをする時に作用します。
ちょっとした刺激や負担によってダメージを受けやすい筋肉なので、普段の生活の中で意識しながらストレッチすることによって、手首から指の可動域を広げることにつながります。
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