【名称】短母指伸筋
【よみ】たんぼししんきん
【英語名称】Extensor pollicis brevis
長母指伸筋とともに手の親指を動かす際によく使う筋肉に、短母指伸筋があります。
ちょっとした刺激や負荷によってダメージを受けやすい筋肉なので、日常生活の中で意識しながらストレッチをしたい筋肉の一つです。
目次
短母指伸筋とは
手首の上から親指まで伸びている筋肉です。主に屈筋や伸筋などの腱を安定した位置に維持する役割をしています。
私達の手の関節周辺には、伸筋支帯とよばれる腱鞘が6つのロケーションにあります。
親指から小指まで、それぞれの指と手首をつなぐ伸筋に加え、手首上部に位置している尺側手根伸筋によって、6区画が形成されています。
短母指伸筋は、長母指伸筋と共に親指部分の区画を形成しています。
短母指伸筋の位置(起始停止)
短母指伸筋は、手首と肘のちょうど中間あたりにある前腕骨間膜と橈骨からスタートしていて、母指背側基節骨底まで伸びています。
イメージとしては、手の甲を上にした時、手首の上部の外側あたりから、親指の内側にかけて斜めに走っている筋肉で、橈骨神経によって支配されているのが特徴です。
長母指伸筋は親指の指先まで伸びているのに対して、この筋肉は親指の関節部分までしか伸びていないという違いがあります。
短母指伸筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#28)
具体的に短母指伸筋がどこにあるかという点ですが、「解剖学的嗅ぎタバコ窩」の部分に位置しています。
これは、手のひらを大きく広げて甲の側に反らせた時、親指の付け根から手首にかけて作られるくぼみのことで、くぼみを作っている手の甲の外側の筋肉が、短母指伸筋です。
起始 | 橈骨 |
停止 | 第1基節骨 |
動脈 | 後骨間動脈 |
神経 | 後骨間神経、橈骨神経より |
作用 | 親指の中手指節関節の伸展 |
拮抗筋 | 長母指屈筋、短母指屈筋 |
短母指伸筋の作用
短母指伸筋は、手首の関節や腱鞘を守る働きをしています。
手のひらを大きく広げて親指を甲の方へ反らせたり、逆に手のひらをギュッと丸めた時には、この筋肉に大きな負荷がかかます。手首を甲の側と手のひらの側に屈曲させた時にも負担がかかります。
母指の伸展動作を動画で簡単解説
【消音】タップして母指の伸展動作を見る(#D28)
母指の伸展動作では短母指伸筋の他に、長母指伸筋、長母指外転筋なども連動して母指の伸展動作します。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
短母指伸筋をストレッチするメリット
この筋肉を普段の生活の中で意識しながらストレッチをするのは良いことでしょう。
日常生活においても大きなメリットがあるので、手首や手をよく使う人は、できるだけ定期的なストレッチを心がけたいものです。
メリット酷使した腕や手首のだるさ・負担を軽減させる
短母指伸筋に大きな負担がかかり過ぎてしまうと、手首に位置している腱鞘がだるさや痛みを感じたりしてしまいます。
この筋肉は、筋トレなどによってマッチョになるタイプの筋肉ではありませんし、あまり意識してトレーニングをする人は多くはありません。
しかし、普段の生活の中においては酷使しやすい筋肉の一つで、伸ばしたり曲げたりの作業を繰り返しや、ピアノなどの鍵盤楽器を弾くことによって腱鞘に負荷がかかり、それがだるさや痛みを引き起こすことになりかねません。
この筋肉をストレッチで鍛えてあげることによって、そうした手首周りのだるさ、怪我、負担を軽減したり予防することができます。
メリット手の可動域を広く柔軟にする
この筋肉を鍛えることによって、手のひらや親指をストレッチした時の可動域を広くすることができます。
ものを掴みやすくなったり、手作業がしやすくなるなど、日常生活の中の何でもない動作でメリットを実感できるでしょう。
ストレッチをしないと筋肉が少しずつ硬化してしまうため、ふとした拍子や急に動かした時には筋肉を傷めてしまいかねませんし、手作業がしにくくなるなどの影響が懸念されます。
短母指伸筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
長母指伸筋をピンポイントに伸ばす効果的なストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#83)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) 反対側も同様に行いましょう |
ポイント | |
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
前腕の伸筋群に効くストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#82)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) 反対側も同様に行いましょう |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
前腕の筋膜リリース!腕をローラーストレッチでほぐす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_MVI_1079)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
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短母指伸筋ストレッチのまとめ
短母指伸筋は、長母指伸筋と並んで手のひらを広げたり屈曲する際に作用する筋肉で、主に手首の健康を守る働きをしています。普段の生活の中では酷使しやすい筋肉というだけでなく、使い過ぎると腱鞘に痛みを起こしてしまい、日常生活にも大きな支障が出かねません。普段からストレッチを意識したい筋肉の一つです。
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