【名称】深指屈筋
【よみ】しんしくっきん
【英語名称】Flexor digitorum profundus
吊革につかまったりかばんを持ち上げたりする際に大きな役割を持つ深指屈筋(しんしくっきん)は、太くて大きな筋肉で、主に指の動きをサポートする役割りを持っています。この筋肉を毎日のストレッチで鍛えることによって、どのようなメリットや効果が期待できるのでしょうか。
目次
深指屈筋とは
深指屈筋は、手の指をまげて何かをグッとつかむという作業をする際に活躍する筋肉で、浅指屈筋とよく比較される筋肉でもあります。どちらも肘から指先に向かって伸びている筋肉ですが、浅指屈筋の終わりは指の中間部分までとなっているのに対し、深指屈筋は指の先端部分まで伸びているという特徴があります。そのため、指を曲げたり伸ばしたりという動作をコントロールするだけでなく、指先の細かい動きなどもコントロールすることができます。また、浅指屈筋は指の第二関節を曲げる時に使われるのに対し、深指屈筋は指の第一関節を曲げる時に使われるという違いもあります。
深指屈筋の解剖図を動画で簡単解説
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深指屈筋の位置(起始停止)
深指屈筋は、肘の関節の少し下の部分にある尺骨の前側をスタート地点として、親指以外の4本の指の先端まで伸びています。各指の末節骨底が深指屈筋のゴール地点となります。肘から手首、指にかけては大小さまざまな筋肉が位置していますが、深指屈筋はサイズ的には大きいものの、浅指屈筋や虫様筋などと比較すると独立性がそれほど高くはありません。指の動きに連動して筋肉も動く、と考えると分かりやすいかもしれません。
起始 | 尺骨前面、前腕骨間膜 |
停止 | 第2〜5指末節骨底 |
動脈 | 前骨間動脈 |
神経 | 正中神経前骨間神経、尺骨神経筋枝(C7-Th1) |
作用 | 人差し指〜小指のDIP関節と手の屈曲 |
拮抗筋 | 総指伸筋 |
深指屈筋の作用
深指屈筋は、指をまげて何かをグッと掴むという動作をした時に大きな役割をします。日常生活の中では、かばんを持ち上げるとか、吊革につかまる時には深指屈筋が大活躍してくれますし、スポーツではラケットを握る際にはこの筋肉が必要不可欠です。親指を除く4本の指全てと連動しているのが特徴で、4本の指がギュッと何かを掴んだり握る際に発生する握力と大きな関係があります。
深指屈筋の手首の屈曲動作を動画で簡単解説
【消音】タップして手首の屈曲動作を見る(#D23)
手首の屈曲動作では深指屈筋の他に、長掌筋、橈側手根屈筋、浅指屈筋、長母指屈筋、尺側手根屈筋なども連動して手首の屈曲動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
深指屈筋をストレッチするメリット
深指屈筋をストレッチすることで、たくさんのメリットや効果が期待できます。
メリット指の握力を疲労回復
深指屈筋を普段からストレッチして鍛えることによって、握力を高めることができます。普段から何かモノを掴むことが多い人や、手を自由に使う人にとっては、この筋肉はとても重要です。毎日の生活の中で、意識しながらストレッチしてあげましょう。
メリット日常動作で指を使う作業が安定する
日常生活の中で、深指屈筋を使う作業はたくさんあります。例えば、パソコンのキーボードをたたく際にはこの筋肉を使いますし、スマホを使う時にも深指屈筋を使います。
普段からストレッチして筋肉を鍛えておけば、こうした指を使う動作を安定することができますし、疲れにくくなるというメリットも期待できます。
メリットスポーツならパフォーマンスが向上
アスリートにとっては、深指屈筋を鍛えることによってパフォーマンスの向上という大きなメリットがあります。指の動きに大きく関係している筋肉なので、ボールとかラケット、ゴルフクラブなど道具を使うスポーツにおいては、指の筋肉を鍛えることによってパフォーマンスや成績の向上につながります。
深指屈筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
腕のインナーマッスル深指屈筋をストレッチする方法
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#39)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
手から肘までの浅指屈筋をピンポイントで伸ばす
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#40)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
一度に両手首をストレッチして深指屈筋を伸ばす方法
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#72)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
深指屈筋ストレッチのまとめ
深指屈筋は肘から指の先端まで伸びている大きくて長い筋肉で、指を曲げたり伸ばしたりという動作だけでなく、指先の細かい動きなどもコントロールしています。この筋肉を鍛えることによって握力のアップにつながるほか、指を使う作業をしていても疲れにくくなるといったメリットが期待できます。また、アスリートなら指の筋肉を鍛えることは、道具を使う競技なら大きなパフォーマンスや成績の向上にもつながります。
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