みなさん突然ですが、立甲ってできますか?
聞いたことはあるが、自分はできないという方が大半だと思います。
わたしの経営する「きたの均整院 」のお客様の中でも、立甲を紹介してその場ですぐにマスターできる人はほとんどいません。
特に運動経験がない方やカラダが硬い方は、すぐに立甲を完成させることは難しいと思います。
しかし、すぐに立甲ができなくて諦める必要はありません。
この記事で立甲ストレッチプログラム、やり方のコツを紹介しますので、コツコツ行っていくことで、誰でも立甲ができるようになります。
立甲ができるようになることで、たくさんのメリットがあります。
後でしっかり説明しますが、肩こり解消だけでなく、スポーツに活かして競技力向上につなげることも可能です。私の場合、陸上競技のやり投げ種目で活かしていました。
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このような方におすすめの記事となっております、ぜひ最後までお読みいただき、立甲をマスターし、生活やスポーツ等に活かしていただければ幸いです。
目次
- 1 立甲とは
- 2 立甲の仕組み
- 3 立甲のメリット・効果とは
- 4 立甲ストレッチプログラム
- 4.1 肩ストレッチ①小円筋、大円筋、棘下筋、肩甲下筋を伸ばす
- 4.2 肩ストレッチ②僧帽筋、前鋸筋、肩甲挙筋、肩甲骨を伸ばす
- 4.3 肩ストレッチ③僧帽筋、頭板状筋、肩甲挙筋、中斜角筋を伸ばす
- 4.4 肩ストレッチ④肩甲骨はがしで肩甲骨周りを伸ばす
- 4.5 肩ストレッチ⑤タオルを使って肩甲骨関節、菱形筋、小円筋、大円筋、僧帽筋、広背筋、三角筋を伸ばす
- 4.6 肩ストレッチ⑥タオルを使って棘下筋、菱形筋、広背筋、僧帽筋、三角筋のほぐす
- 4.7 背中ストレッチ⑦肩甲骨関節、僧帽筋、広背筋、肩甲挙筋、起立筋を伸ばす
- 4.8 背中ストレッチ⑧起立筋、前鋸筋、肩甲挙筋、上腕三頭筋、小円筋、大円筋、背骨を伸ばす
- 4.9 背中の筋膜リリース⑨ローラーストレッチで脊柱起立筋をほぐす
- 5 立甲の正しいやり方とコツ
- 6 立甲の応用活用
- 7 立甲の注意事項
- 8 まとめ
立甲とは
立甲とは、四つん這い姿勢を取ったときに上腕骨と肩甲骨が一体化し、肩甲骨が立ち上がる状態を指します。
立ち上がった肩甲骨は背中の肋骨からはがれる状態から「自分で肩甲骨はがし」「天使の羽」と言います。
こちらが実際に私が立甲を行っている動画になります。
分かりやすく見せるために上半身は裸で失礼いたしますm(__)m
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#22)
肩甲骨が背中からはがれて、立っている様子がわかると思います。
これを立甲と言います。
大学の2年生の時に、陸上部の先輩から教わりできるようになりました。
もう、立甲ができるようになって20年以上になります。一度立甲をマスターすると身体は忘れることはありません。その先ずっと立甲を持続することができます。
「もう私は年を取ってるから無理だぁ。」と諦めることもありません。
年齢や性別に関係なく立甲はできるようになりますのでご安心ください。強い負荷をかけたりしてトレーニングをする必要もありません。
立甲の仕組みを知りながら、コツをつかんでいけば誰でも簡単にできるようになるはずです。
立甲の仕組み
立甲の仕組みは、「腕と肩甲骨を一体化させた状態」のことです。言い換えれば、「肩甲骨までが腕」という感覚です。
上腕骨と肩甲骨が一つに一体化された時に、自然と肩甲骨が立ち上がるのです。
もっと分かりやすく説明すると身近な四足歩行の動物をイメージしてみてください。
例えば、猫や犬などの哺乳類には人間と同様に肩甲骨があり、肩甲骨は常に立っている立甲の状態です。
YouTubeでトラの肩甲骨の動きが分かりやすかったので、引用させていただきます。
前足の動きに合わせて、肩甲骨が連動してグニュグニュと肩甲骨が動くことが分かります。
ではどうして、四足歩行の動物は、立甲のように前足の上腕骨と肩甲骨の一体化しているのでしょうか?
それは、体重を筋肉で支えるのではなく、骨組みで支えることができるため、余計な筋肉エネルギーを使わないで生活することができるからです。
もし、肩甲骨が立てってない骨格構造だったとすると、胸や腕の筋肉だけで体重を支えることとなり、歩いたり、じっと四足で立てっているだけでも疲れてくることでしょう。
これは人間も同じです。
四足動物と同様に、四つん這い姿勢で長時間耐久テストをした場合、立甲ができない人は大胸筋や上腕三頭筋で体重を支えることとなり、体力の消耗が早くなってしまいます。
しかし、立甲で四つん這い姿勢の場合は、骨組みで体重を支えることができるため胸(大胸筋)や腕(上腕三頭筋)などに疲労を感じることはありません。
※筋肉の解剖学名称を用いて解説していきます。各筋肉の名前リンクをクリックすることで筋肉の詳細ページで確認することができます。
なぜ、人間は立甲ができないのか?
四足動物は簡単に肩甲骨を立てた立甲ができるのに、人間は誰でも簡単に立甲ができないのか。
それは、2足歩行の動物へと進化していったためと考えます。
1859年に刊行された『種の起源』でダーウィンは、人間は動物の種の一つであり、猿から進化したと言われています。参考:「進化論 」
一番左の類人猿の肩と腕に注目してみましょう。
4足歩行動物と同様に、肩甲骨が立ち腕と一体化して体重を支えていることが分かります。
しかし、2足歩行へと進化した右の人間の肩甲骨は、背中と一体化してしまいます。
肩甲骨の体重を支える役割がなくなってしまったために、腕と一体化する必要はなくなったのです。
左の類人猿と比較して、日常生活における肩甲骨の運動量は驚くほど減少してしまいました。
現代の肩こりで悩む人達が多い理由も2足歩行へ進化し、肩甲骨の可動が減少したことにつながると思います。
そして、肋骨の形状も大きく変わりました。
ハイハイする赤ちゃんは立甲が上手
人間は2足歩行へと進化し、肩甲骨の役割が減ってしまいましたが、
実は、人間も一時は誰でも立甲ができる期間がありました。
それは、赤ちゃんだった頃です。
生後6ヵ月~8ヵ月頃の成長過程で「ハイハイ」をして移動する時期があります。
四つん這い姿勢で移動して、かわいいですよね。
その赤ちゃんの背中を観察してみてください。
肩甲骨が立ち、腕と一体化して立甲しながらハイハイします。
まさに、四足歩行の動物のような立派な立甲です。
しかし、足で立つことを覚えて、体重を肩甲骨で支える役割がなくなると、立甲の肩甲骨の使い方を忘れてしまいます。
「肩甲骨を動かせ」という脳からの指令も下記の立甲で作用する筋肉群への神経回路がつながりにくくなり、肩甲骨周辺の筋肉を使う機会が減り、背中にくっついたままとなります。
肩甲骨周りの筋肉の伸び縮みが少なくなるため、血行が促進されず、肩がこる現象につながってしまうのです。
立甲で作用する筋肉群
立甲で作用する筋肉は、主に、三角筋(後面)、小胸筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、上腕三頭筋を緊張させて肩甲骨と上腕骨を一体化しますが、緊張だけでは立甲はできません。
脱力する筋肉群が必要です。
どちらかというと、力を抜くというテクニックが重要で、肩甲骨周りの筋肉の緊張を弛緩(力を抜く)させる脳からの神経回路をつなげなければなりません。
弛緩させる筋肉群は、主に、大胸筋、僧帽筋、広背筋、肩甲挙筋、前鋸筋、菱形筋、脊柱起立筋等の筋肉群を緩めます。
肩回りでは比較的大きな筋肉で、使い慣れている筋肉群を緩めて立甲を作ります。
使い慣れている大きな筋肉を緩めて、使い慣れていないインナーマッスルを緊張させて立甲を作ります。
大きな筋肉を使わない=消費エネルギーが少なく済みます。四足歩行の野生動物たちも極力エネルギーを消費させないための骨格構造として納得できます。
肩甲骨がはがれないと立甲はできない
上記の筋肉群を緊張と弛緩で調整しようとしても難しい場合もあります。
それは背中や肩回りの筋肉が硬く凝り固まってしまっていると、すぐに立甲をマスターするのは難しいでしょう。
赤ちゃんのハイハイ時期から長年の2足歩行時間が肩甲骨周辺の筋肉を硬くしてしまっている状態です。
筋肉をしっかりとほぐしたり、ストレッチをしながら伸ばすことも大切です。
まずは、整体院や二人組などで肩甲骨はがしを行ってみましょう。
自分でほぐす方法は、下記の立甲ストレッチプログラムを紹介していますので、ぜひ試してください。
なかなかほぐれない場合は、マッサージガンやローラーで筋肉や筋膜をリリースしてほぐすこともできます。
また、温めて血行を良くすることでも筋肉はほぐれやすくなります。
お風呂につかったり、小豆ホットカイロなどの温熱療法器具を使うのも良いと思います。
立甲のメリット・効果とは
立甲ができるようになったら、たくさんのメリット効果があります。
- 肩こりが改善する
- 肩を使うスポーツだけでなく、あらゆるスポーツ競技力の向上
- マスターすると立って日常的な動作でも応用できる
- 肩回りのインナーマッスルまで神経回路がつながる
- 肩の可動域が広がる
- 肩周辺のケガ予防
立甲は身体の使い方の基本とも言えます。
本来持っている自分の身体能力を発揮することができるでしょう。
立甲ができるようになったら、さらに応用した活用をすることで驚きの効果を発揮します。
下記で実体験を元に立甲の応用活用を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
さぁ、お待たせいたしました。
立甲ができるまでのストレッチプログラムを用意いたしました。
最初から簡単にできるように、なることはありません。
日々コツコツを行うことで、出来なかったことができるようになります。
最短で立甲へ導くストレッチプログラムです。ぜひチャレンジしてみましょう。
肩に違和感やケガのある方は、無理をせずに行ってください。
立甲ストレッチプログラム
まずは、肩甲骨に関わる筋肉をストレッチ等でほぐしていきます。
この立甲ストレッチプログラムを一通り行って、立甲のポーズを作りましょう。
種目 | 回数・秒 | セット数 |
左右30秒 | 2セット | |
左右30秒 | 2セット | |
左右15秒 | 2セット | |
左右10回 | 2セット | |
10秒 | 2セット | |
10回 | 2セット | |
30秒 | 2セット | |
10秒 | 2セット | |
5往復 | 2セット | |
詳しいストレッチ方法は動画を参考にしながら行いましょう。
一つずつ丁寧に行うことで肩甲骨まわりがほぐれ、肩甲骨がはがれやすくなります。
肩ストレッチ①小円筋、大円筋、棘下筋、肩甲下筋を伸ばす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#88)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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肩ストレッチ②僧帽筋、前鋸筋、肩甲挙筋、肩甲骨を伸ばす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#61)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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肩ストレッチ③僧帽筋、頭板状筋、肩甲挙筋、中斜角筋を伸ばす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#35)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右15秒×2セットずつ(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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肩ストレッチ④肩甲骨はがしで肩甲骨周りを伸ばす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_IMG_3989)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
肩ストレッチ⑤タオルを使って肩甲骨関節、菱形筋、小円筋、大円筋、僧帽筋、広背筋、三角筋を伸ばす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#26)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
肩ストレッチ⑥タオルを使って棘下筋、菱形筋、広背筋、僧帽筋、三角筋のほぐす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#23)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
背中ストレッチ⑦肩甲骨関節、僧帽筋、広背筋、肩甲挙筋、起立筋を伸ばす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#38)
姿勢 |
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方法 | |
回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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背中ストレッチ⑧起立筋、前鋸筋、肩甲挙筋、上腕三頭筋、小円筋、大円筋、背骨を伸ばす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#59)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
背中の筋膜リリース⑨ローラーストレッチで脊柱起立筋をほぐす
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#Q_IMG_3570)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5往復×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
立甲の正しいやり方とコツ
立甲の正しいやり方は下の動画を見ながら行いましょう。
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#22)
デモンストレーション:北野優旗
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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立甲の成功させる3つのコツ
- 肘をしっかり伸ばし切る
- 左右に体を振って肩甲骨の内縁がはがれる感覚をつかむ
- 背骨を沈ますイメージ
コツ①肘をしっかり伸ばし切る
肘をしっかり伸ばし切ることで、体重の重みが肩甲骨にかかるようになります。
もし、肘が曲がってしまうと弛緩(緩む)しなければならない上腕三頭筋に力が入ってしまいます。
肩甲骨に体重がかかるためには、肘が曲がらないようにしっかり突っ張りましょう。
コツ②左右に体を振って肩甲骨の内縁がはがれる感覚をつかむ
肘を伸ばして、体重の重みが肩甲骨にかけることができたら、次は、体を左右に振って肩甲骨をはがします。
左右に揺らすことで、僧帽筋や広背筋など大きいアウターマッスルの緊張がほぐれやすくなり、肩甲骨が「ぐにゅっ」とはがれてきます。
はがれるということは、肩甲骨が立ち始めてきたということです。
腕と一体化してきているということです。
力を抜きながら、適度に左右に揺らしてみましょう。
コツ③背骨を沈ますイメージ
背中が丸まっていてはできません。猫背姿勢のまま行わないように気を付けてください。
背骨は肩甲骨の間で沈めていくイメージで行います。
肩甲骨が大きく立ち上がってきます。
立甲ができるようになるまでの期間
立甲ができるまでの期間に関しては、個人差はあります。
運動経験があったり、運動神経が良い人、太っていない人は比較的早く2週間ほどでマスターするでしょう。
1日で立甲ができた人もいます。
しかし、運動経験が無かったり、上記の立甲の仕組みを読んで骨格のイメージが湧かない人は、すこし時間はかかるでしょう。
おそらく3ヵ月~半年かかる場合もあります。
でも諦めることは、ありません。人間としての構造は誰も同じです。
ストレッチやほぐしをしっかり行い、立甲の感覚を少しずつでもつかんでいけば、必ずマスターすることができます。
立甲の応用活用
四つん這い姿勢で立甲ができるようになったら、体を起こして立甲ができるようになりましょう。
私が下の動画で行っているように、手を前に出すだけで、肩甲骨と腕を一体化させることもできます。
体を起こして立甲をする
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#9)
デモンストレーション:北野優旗
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
腕を前に出すだけで、肩甲骨の連動が働きます。
ちょっとした日常生活の動作を軽減したり、効率の良い動きからスポーツの競技力向上にまで役に立つことができます。
日常生活で立甲を応用活用
立ちながら立甲ができるようになると、仕事や日常生活でも動作を軽減することができます。
例えば、ドアの開け閉め、荷物の持ち運び、手元作業やパソコン作業などあらゆる動作において腕は使います。
立甲で肩甲骨も一緒に連動する動きを身に付ければ、常に肩甲骨周辺の筋肉を使っていることとなります。
筋肉を使うということは、筋収縮・弛緩(緩む)を繰り返していることです。
収縮と弛緩を繰り返し行う状態は、筋肉の毛細血管に対してポンプ作用が働き、血流を促すことができるのです。
私の場合は、整体師としてマッサージ業務を行っていますので
お客様の身体を指や手で押す際に立甲を使っています。
小手先でマッサージすると腕がすぐに疲れてしまいますが、立甲の肩甲骨でぐいぐいと抑えても私は疲れませんし、お客様にも「じわー」とブレない心地よい刺激が伝わるのです。
一日7~8時間マッサージをしていますが、不思議と肩こりを感じたこともありません。
スポーツで立甲を応用活用
ほとんどのスポーツにおいて、肩って使いますよね?
野球・バレーボール・ゴルフ・ハンドボール・水泳・陸上競技など上げればきりがありません。
肩甲骨が柔軟にかつ肩甲骨周辺の細かなインナーマッスルを調整することができれば、競技パフォーマンスはあがります。
私は、学生時代中学から大学まで投擲競技を行ってきました。(プロフィール)
大学からはやり投げ種目を専門とし65mからなかなか自己記録を塗り替えることができずに悩んでいました。
しかし、大学の先輩から立甲を教わり肩甲骨の動きを競技に取り入れてみました。
それは、まず立甲をマスターすること。そして次に「腕の半径の長さ」という認識を変えろということでした。
腕は肩関節までの長さという思い込みで投げていましたが、立甲のように肩甲骨内縁までを腕と意識することでした。
確かに、腕という半径が長くなれば、物理学的にも遠くに物を飛ばすことができます。
例えば、長さの違う定規(ものさし)を用意して、消しゴムを飛ばす実験を行ったら、同じ力でどちらが遠くに飛ぶかというと、やはり長い定規の方が遠くへ消しゴムを飛ばすことができます。
そして私は次の大会で5mも記録を伸ばし、70m程投げる記録を残すことができました。
これは立甲を習得し、競技に活かすことができたという実体験があります。
ゴルフで正確に、遠くに飛ばしたいと思う人であれば、立甲のように肩甲骨を意識します。これも腕の半径を長くイメージするだけで飛距離は伸びてくると思います。
野球も、バレーも同じですね。
あらゆるスポーツに肩甲骨の立甲は精通すると思います。
立甲ができてマイナスな要因は見当たりません。むしろ肩や背中などのケガの予防にもなるでしょう。
立甲の注意事項
立甲は正しいやり方を行えば、危険な動きではありません。
肩は楽になりますし、スポーツ場面においては、動きの協調性を高めてパワーを発揮することができます。
しかし、以下の点においては立甲を行うときに注意しましょう。
立甲の注意事項 |
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まとめ
- 立甲とは、四つん這い姿勢を取ったときに上腕骨と肩甲骨が一体化し、肩甲骨が立ち上がる状態を指します。
立ち上がった肩甲骨は背中の肋骨からはがれる状態から「自分で肩甲骨はがし」とも言えるでしょう。 - 立甲の仕組み
「腕と肩甲骨を一体化させた状態」のことです。言い換えれば、「肩甲骨までが腕」という感覚です。
上腕骨と肩甲骨が一つに一体化された時に、自然と肩甲骨が立ち上がるのです。 - 立甲ができない人がいる理由
2足歩行へと進化した右の人間の肩甲骨は、背中と一体化してしまいます。
肩甲骨の体重を支える役割がなくなってしまったために、腕と一体化する必要はなくなったのです。 - 立甲で作用する筋肉群
緊張させる筋肉群主に、三角筋(後面)、小胸筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、上腕三頭筋を緊張させて肩甲骨と上腕骨を一体化しますが、緊張だけでは立甲はできません。
弛緩させる筋肉群は、主に、大胸筋、僧帽筋、広背筋、肩甲挙筋、前鋸筋、菱形筋、脊柱起立筋等の筋肉群を緩めます。
肩回りでは比較的大きな筋肉で、使い慣れている筋肉群を緩めて立甲を作ります。 - 立甲のメリット
・肩こりが改善する
・肩を使うスポーツだけでなく、あらゆるスポーツ競技力の向上
・マスターすると立って日常的な動作でも応用できる
・肩回りのインナーマッスルまで神経回路がつながる
・肩の可動域が広がる
・肩周辺のケガ予防
ぜひ、あなたも立甲をマスターし、生活や仕事、趣味のスポーツに立甲を取り入れてみましょう。
もちろんアスリートにもお勧めしています。
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