
肩甲挙筋(けんこうきょきん)機能解剖学図・起始停止・働き
首の後ろで肩甲骨につながっている筋肉が肩甲挙筋です。
小さい筋肉ではありますが、僧帽筋や菱形筋とともに肩の違和感の原因になりやすいと言われています。
デスクワークなど座った姿勢で長時間過ごす方にとって特に負担がかかりやすい筋肉でしょう。
ここでは、そんな肩甲挙筋の詳しい位置とその働き、および、ストレッチの効果などについてお伝えします。
目次
肩甲挙筋とは
肩甲挙筋は、首の後ろの表層にある筋肉(棘腕筋)のうちの一つです。
その名の通り肩甲骨と関係する筋肉ですが、具体的にはどこに位置し、どのような働きを担っているのでしょうか。
肩甲挙筋の位置(起始停止)
肩甲挙筋は首と肩甲骨をつなぐ筋肉です。正確には、第1頚椎から第4頚椎までの突起にある結節を起始部とし、少し外側、斜め下方に向かって伸び、肩甲骨の上角と内側縁につながっています。肩甲骨につながる部分は体の内部に入り込み、僧帽筋よりも深層にあるのが特徴です。
肩甲挙筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#51)
また、首から肩甲骨にかけて伸びるその中央でねじれているという変わった特徴があります。
このねじれた筋肉の部分を「交差部」と呼ぶのですが、一説によると、進化の過程で二足歩行になる時に生じたのではないかとのことです。
諸説ありますが、ともあれ、このねじれた交差部があるために負担がかかりやすくなっており、肩や首、背中などに違和感をもたらすことがあります。
起始 | 第1~第4頚椎横突起 |
停止 | 肩甲骨上角とこれに続く肩甲骨内側縁に停止 |
神経 | 肩甲背神経(C4~C6) |
作用 | 肩甲骨を挙げ、肩甲骨下角を内側に引く。 たいてい、菱形筋や小胸筋などの他の筋と連動し、下方回旋する。 |
肩甲挙筋の作用
首から肩甲骨につながっているように、肩甲挙筋は首と肩の動きと大きく関係しています。肩をすくめたり顔を真横に向けたりする時に働くのがこの筋肉です。
肩甲挙筋の肩甲骨の下方回旋動作を動画で簡単解説
【消音】タップして肩甲骨の下方回旋動作を見る(#D42)
肩甲骨の下方回旋動作では、肩甲挙筋の他に、菱形筋、小胸筋なども連動して肩甲骨の下方回旋します。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
ただ、首を固定して肩を動かす時(肩をすくめる動作)と、肩を固定して首を動かす時(顔を真横に向ける動作)では働き方に少し違いがあります。
具体的には、首を固定した時は小胸筋や菱形筋などと一緒に働いて肩甲骨を上に上げ、肩を固定した時には回旋して外側に頚椎を曲げるといった具合です。
おすすめ書籍私がおすすめする参考書籍です。ぜひ興味のある方はご覧ください。肩甲挙筋をストレッチするメリット
首と肩の動きに大きく関係している肩甲挙筋ですが、ここをストレッチすることでどのようなメリットが感じられるのでしょうか。
3つのメリットを見ていきましょう。
メリット首、肩の血行促進

肩回りの血行促進
肋骨の上に張り付くようにあるのが肩甲骨ですが、その肩甲骨が正しい位置に固定されているのは、肩甲骨周りの筋肉である肩甲挙筋や僧帽筋、菱形筋の働きのおかげです。
肩甲挙筋も小さい筋肉ながら大きな役目を果たしているため、いつも大きな負荷がかかっています。
特に、顔を前に突き出した姿勢の時の負荷が大きく、そのためデスクワークなど座りっぱなしのことが多い方の場合、首や肩周りの血管が圧迫されている状態です。
ですので、ここをストレッチしてほぐすことで、首や肩周りの血行が良くなります。
メリット肩甲骨の可動域改善
上にも述べたように、肩甲挙筋は肩甲骨につながる筋肉で、肩甲骨の位置を正しく固定しています。
そのため、ここをストレッチして柔らかくすることで肩甲骨の可動域を広げることが可能です。肩甲骨の可動域が広がれば、首や肩周辺のほかの筋肉もよく動くようになって柔軟性が高まります。
メリット縮こまった首を長く見せる
「首の短いのは生まれつき」とあきらめてはいませんか。
ところが、もともとの長さというより、姿勢の悪さが首を短く見せている人が少なくありません。
猫背のように背中の丸まった姿勢では、頭と肩が前に出て首が正しい位置からずれてしまいます。
このことが首を短く見せているのです。ですので、肩甲挙筋などの肩甲骨周りの筋肉をストレッチしてほぐすことで、肩が楽に開くようになり、姿勢が良くなって首が長く見えるようになります。
肩甲挙筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
首から肩にかけて伸ばして、血行促進
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#35)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右15秒×2セットずつ(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
肩・首が辛い時に効くストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#61)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
肩甲挙筋(背中)の筋膜リリース!ローラーストレッチで背骨の弾力性を高める
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#Q_IMG_3570)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5往復×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
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肩甲挙筋ストレッチのまとめ
肩甲挙筋は首と肩の動きに関係しており、負担のかかりやすい筋肉です。
ここが固まると血行が悪化し、肩や首のトラブルをも引き起こしてしまいます。
しっかりストレッチして日ごろから血行を良くすることに努めましょう。
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