猫の伸びのポーズ
Extended Puppy Pose
【概要】 | |
別名 子犬の伸びのポーズ/伸びをする子犬のポーズ/パピーポーズ/ウッターナシショーサナ/Extended Puppy Pose | |
ターゲット 広背筋/僧帽筋/骨盤底筋/多裂筋/腹横筋 | |
レベル 初級 | |
必要な道具
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基本的な方法と正しいフォーム・やり方のコツ・安全と注意事項・応用編について詳しく解説していきます。
また猫の伸びのポーズは別名子犬の伸びのポーズや伸びをする子犬のポーズとも言われ、本記事ではポーズの名前を「猫の伸びのポーズ」に統一して解説していきます。
SNSやブログ等で紹介してもらえるとうれしいです。
目次
基本的な方法
タップしてフィットネス動画を見る
猫の伸びのポーズとは、名前の通り、猫が気持ちよく背伸びをしている姿に見えるポーズです。サンスクリット語では「ウッターナ」は「伸びる」で「シショーサナ」は「子犬」の意味があり、別名で犬の伸びのポーズやパピーポーズとも呼ばれています。膝位の初級レベルとなります。
肩~背中の上半身を心地よく伸ばして血行を促進してくれるだけでなく、緊張や張りを和らげて癒してくれる効果も期待できます。背面の筋肉はしなやかに鍛えられ、コアマッスル(体幹)を意識することで美姿勢をつくり、保つ筋肉を育てます。デスクワークが多く、肩や背中が丸まりがちな現代人にとって必要なポーズだと言えるかもしれません。
またセラピーポーズと呼ばれるほどリラックス効果が高いとされています。慌ただしい日常生活、猫のように伸びをしながらホッと一息ついてみませんか。
応用編にてポーズができない方への軽減法などもご紹介していますので、基本の動作手順やコツをご覧いただき、ぜひ参考にしてくださいね。
動作手順と呼吸
- 四つん這い姿勢になります。
- 肩の真下に手首、股関節の真下に膝がくるようにセットします。
- 膝は腰幅程度に開き、足先は床に立てます。
- 息を吸って吐きながら、肘を伸ばしたまま両腕を前へ歩かせていきます。
- 肩をすくめず、肘と肩をまっすぐに保ったまま、おでこと胸を床へ下ろしていきます。余裕がある場合は、顎を床につけます。
- 目線は前方に向け、呼吸を繰り返します。
猫の伸びのポーズの効果を高めるコツ
猫の伸びのポーズはきちんとコツを押さえておかないと、せっかくのヨガトレーニングの効果が下がってしまうこともあります。
フォームには気を付けましょう。
コツ①肘をまっすぐ、肩をすくめない
肘が曲がって外側に開いてしまったり、肩をすくめてしまうと、きちんと胸を開く効果が得られなくなってしまいます。
肩が内転(体側へ巻き込むように)してしまうと肩が上がってすくんでしまう原因になるため、「肩を外転(外側へ回すように)して、外側を床につけるイメージ」で行いましょう。
「耳と肩はこぶしひとつ分ほど離し、肘をまっすぐに保ったまま」で、胸を床へ落としていきます。
手は雑巾がけをする感覚で、しっかりと床を押します。より効果を深めたい場合は、手のひらを浮かせて指先だけで押すといいですよ。
コツ②背骨を伸ばす
腰を反らしすぎてはいませんか?目的は「背骨を中心とした上半身を心地よく伸ばすこと」です。
呼吸を繰り返しながら、自分の背骨や上半身が気持ちよく伸びる位置を探し、感じましょう。
お尻(尾骨)と頭頂部で背中を引っ張り合って、腰ではなく、背中だけを反らせるイメージです。バンザイのポーズを思い浮かべるといいかもしれませんね。
上半身側だけに重心がかかってしまうと腰が反りすぎてしまう原因になります。「上半身と下半身と平等に体重をかけること」を忘れないでください。
足のつま先を立てておくと、上半身に引っ張られすぎず、お尻を後ろに引きやすくなりますよ。
コツ③膝は股関節の真下に
上記で、お尻を後ろに引きやすいと表現しましたが、あくまで「股関節の真下に膝がくるところまで」です。
股関節より前へに膝が出てしまう(お尻が引けている)と腰が反ってしまう原因に、反対に股関節より後ろに膝が引けてしまう(お尻が前に出ている)と腰に負担がかかる原因になります。
特に、膝が股関節より前に出ているとポーズが取りやすく感じるため、注意が必要です。膝同士の間隔も腰幅程度がベストです。
分かりづらい方は鏡や写真を撮るなどしてチェックすることをオススメします。
効果
肩や背中がガチガチに緊張して張りや痛みに頭を抱えている方、デスクワークや長時間スマホを眺めている方にオススメしたい猫の伸びのポーズ。
血行を促進することで肩を和らげて癒し、しなやかで引き締まった背中を育ててくれます。姿勢を美しく保ってくれるコアマッスル(骨盤底筋・多裂筋・腹横筋・横隔膜)も鍛えてくれ、血行を促進する効果も高まります。燃焼しやすく、メリハリのあるボディに導いてくれるでしょう。
また、猫の伸びのポーズは、朝に行うヨガポーズとしてもおすすめです。
寝ている間のカラダの緊張をゆっくり伸ばし、目覚めをすっきりさせる効果があると言われています。
朝ヨガにおすすめポーズをいくつか紹介していますので、こちらの記事も参考にしてみてください。
効果①肩のストレッチで血行を促進
猫の伸びのポーズは、力が入って疲れてしまった肩の筋肉を心地よく伸ばしてくれます。現代人、特に日本人はデスクワークが多いと言われています。長時間パソコンや書類とにらめっこしていて、気づいたら肩に力が入っていた。すくんでいた。という経験がある方は多いと思います。これを繰り返して肩に疲れを積み重ねてしまうと、ガチガチに緊張した肩の張りや痛みは良くなりにくくなってしまいます。
肩を気持ちよく伸ばしてストレッチし、上半身の血行を促進することで、肩の張りや痛みを和らげてくれるだけでなく、疲れを癒してくれる効果も期待できます。
効果②背骨を伸ばして背中痩せ
背骨を伸ばすということは、背骨の柔軟性を高めることにつながります。関わり合っている背中の筋肉(広背筋)も可動域が広がり、しなやかで引き締まった背中づくりに効果的です。肩甲骨周り(僧帽筋)もほぐしてくれるため、さらに効果は高まるでしょう。
伸筋(腕や足などの関節を伸ばすときに必要な筋肉)は、体幹部においては前側(お腹)より背面側(背中)の方が厚みがあると言われています。つまり背筋を伸ばすことは、腕や足を伸ばしやすくしてくれる力も鍛えられるということであり、無駄に力の入ってしまった状態から体を解放してくれます。
さらに、背中瘦せだけでなくコアマッスル(骨盤底筋・多裂筋・腹横筋・横隔膜)を鍛えることにもつながり、血行の促進効果をより高めてくれます。
効果③コアを鍛えて美姿勢に
コアマッスル(骨盤底筋・多裂筋・腹横筋・横隔膜)を鍛えることは姿勢を正すのにも適しています。デスクワークが多い日本人は、肩を巻き込んで背中が丸まった姿勢になりがちです。コアマッスルを鍛えることで、姿勢を正しく保つ筋肉が鍛えられます。背中が丸まっているなら胸を開けばいいのでは?と思うかもしれませんが、胸を開くだけでは腰が反っているだけの状態になりがちです。背骨を正しい位置に戻し、なおかつ維持する筋肉の力が必要なのです。
体幹部を土台、背骨や背筋を柱とイメージしてみてください。土台がしっかりしていないと、柱はグラグラと揺れて安定しませんよね。
肩や背中を伸ばしつつ、ぜひコアマッスルも意識して行ってみてくださいね。
効果④朝&晩どちらでもリラックス効果
猫の伸びのポーズ(パピーポーズ)は「セラピーポーズ」とも呼ばれるほど、リラックス効果が高いとされるポーズです。
背中を動かすことで気持ちを整え、安らげてくれる効果が期待できます。また、背骨を伸ばすことは頭をすっきりとさせ、気分転換になります。
胸を開いてくれることも重要です。胸を開くと呼吸が深まり、リラックス効果が高まります。
寝起きすぐに背伸びをすると気持ちがいいように、朝に行うと目覚めがよくなります。夜に行うと気持ちを穏やかに鎮めてくれ、ぐっすり眠れることにつながります。行き詰ってしまった在宅ワークの合間に行うとホッと一息つけますし、いいアイデアが浮かんでくるかもしれませんね。
応用編
他にも猫の伸びのポーズを応用したやり方もご紹介します。
特に応用①の針の糸通しのポーズはシークエンスとしてオススメのポーズです。ぜひ続けてチャレンジしてみてくださいね。
さらにストレッチ効果を高めたい方は応用④を、猫の伸びのポーズが難しい方は応用⑤を、参考にして行ってみましょう。
応用①針の糸通しのポーズ
猫の伸びのポーズと同じように、四つん這い姿勢で肩周りを伸ばしてくれるポーズです。
肩の張りや緊張を和らげてくれるだけでなく、脇を伸ばして腹部を刺激することで内臓を活性化してくれる効果が期待できます。
シークエンスとしても最適なポーズとなりますので、ぜひ続けて行ってみてくださいね。

針の糸通しのポーズ(Needle threading pose)
姿勢 |
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方法 | (★右腕から始める場合)
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回数 | 5~10呼吸 |
ポイント |
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効果 |
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応用②キャットアンドカウ
牛のポーズと猫のポーズを交互に行うキャットアンドカウ。
丸まった姿勢を正してくれたり、コアマッスルを鍛えるのに効果的なポーズです。
猫の伸びのポーズと併せて行うと、より効果が高まることが期待できますので、試してみてくださいね。
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_IMG_3891)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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効果 |
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キャットアンドカウについては、こちらで詳しく解説していますので、良かったら参考にしてくださいね。
応用③ダウンドッグ
ストレッチとともに強化も兼ね備えたポーズです。
背骨はもちろん、固まりがちな裏もものハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)~ふくらはぎ(腓腹筋)なども気持ちよく伸ばしてくれて、足瘦せ効果があります。
コツを掴むまでは難しいポーズかもしれませんので、しっかりとポイントを押さえておきましょう。

ダウンドッグ(下向きの犬のポーズ)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 3~5呼吸 |
ポイント |
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効果 |
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さらに詳しく知りたい方はこちらのダウンドッグをぜひ参考にしてください。
応用④さらに二の腕ストレッチを深めたい方向け
ヨガブロックを利用して、よりストレッチを深める方法です。
脇の下や二の腕にも強く伸びを感じるポーズです。
猫の伸びのポーズに何度かチャレンジして、自分の体と相談したうえで行うようにしましょう。

猫の伸びのポーズから二の腕を引き締めるポーズ
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
おすすめのヨガブロックと使い方をまとめた記事はこちらを参考にしてみてください。
応用⑤猫の伸びのポーズができない方の軽減法
ヨガブロックを利用することで、反対にストレッチの深さを軽減する方法もあります。
猫の伸びのポーズの姿勢ができない場合は、無理に行わず、ヨガブロックでサポートしましょう。
また、膝に痛みを感じる場合は、タオルやブランケットを置いてみましょう。何枚か重ねて高さを調節することで、ストレッチの深さも調節することができます。
大事なのは「無理せず、気持ちよく行うこと」だということを忘れないでくださいね。

猫の伸びのポーズができない方の軽減法
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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猫の伸びのポーズの安全と注意事項
猫の伸びのポーズは、すべてのレジスタンスエクササイズと同様に、効果と安全性のために正しいフォームとテクニックを必要とします。
次の安全と注意事項は、猫の伸びのポーズを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- 膝や腰を痛めている方は無理に行わないでください。
- 腰に違和感を感じる場合は、腰が反っていないか、角度はどうか、など体勢を見直すようにしてください。
- ストレッチを深めすぎると首を痛めてしまう可能性があります。背骨からまっすぐに頭頂部が来るように意識してください。
- 無理にポーズを完成させようとせず、ご自身の体と相談しながら行ってください。
- 体に負担がかかりすぎないように長時間は行わないようにしてください。
- ヨガは他人と比べるものではありません。ご自身のペース、呼吸でリラックスして行いましょう。
- 三角のポーズ中に痛みや不快感を感じる場合は、すぐに運動を中止してください。
- 三角のポーズを行ってよいかどうか不安を感じる場合は、ご自身で判断せず、かかりつけ医にご相談ください。
- ヨガマットの使用をおすすめします。
- 場合によってヨガブロックの使用をおすすめします。
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