基本的な方法と正しいフォーム・やり方のコツ・安全と注意事項・応用編について詳しく解説していきます。
また針の穴のポーズは別名コアラのポーズや針の目ポーズとも言われ、本記事ではポーズの名前を「針の穴のポーズ」に統一して解説していきます。
SNSやブログ等で紹介してもらえるとうれしいです。
目次
基本的な方法
タップしてフィットネス動画を見る
針の穴のポーズとは、整ったヒップラインや美しい美脚ラインを作ってくれる、下半身への効果が高いポーズです。また、準備ポーズやリラックスポーズとしての働きもあります。
体の柔軟性に合わせて調節しながら行えるので、初心者の方でもチャレンジしやすいでしょう。長時間のデスクワークや運動不足の方、座り仕事が多い方におすすめしたいポーズです。
サンスクリット語で「スチ」は「針」、「ランドラ」は「輪」を意味します。英語だと「Eye Of The Needle Pose(アイオブザニードル)」、別名は「コアラのポーズ」とも呼ばれ、確かにコアラが木にぶら下がっているようにも見えますね。似たような名前の「糸通しのポーズ」とは異なるポーズです。
針の穴のポーズの基本的な動作手順をはじめ、コツや効果を詳しくご紹介していきます。後半では、応用編としてシークエンスや軽減法もご紹介しているので、ぜひご覧ください。
動作手順と呼吸
- 両膝を立てた状態で、仰向け姿勢になります。
- 右脚の足首(もしくは側面)を、左脚の膝の少し下にのせます。
- 右膝はなるべく外側へ開き、足首は90℃に曲げて足の裏を真横へ見せるようにしましょう。
- 一度呼吸を繰り返しながら、骨盤がまっすぐになるように調整します。
- 息を吸いながら左脚を浮かせて、股の間から右手を通し、左脚の太もも裏で両手を組みます。
- 息を吐きながら左脚を胸へと引き寄せていきます。
- 首・肩・両腕などの上半身は余計な力を抜いてリラックスさせましょう。
- 呼吸に合わせて左足を胸へ引き寄せるのを繰り返していきます。5~10呼吸キープしましょう。
- 反対側も同様に行います。
針の穴のポーズの効果を高めるコツ
針の穴のポーズはきちんとコツを押さえておかないと、せっかくのヨガトレーニングの効果が下がってしまうこともあります。フォームには気を付けましょう。
コツ①仙骨は床から離さない
仙骨とは、骨盤の中央にある骨のことです。腰とお尻の境目を触ると、出っ張った骨がありますよね。仙骨はその上に位置しています。
この仙骨をしっかりと床につけて、脚を浮かせても床につけた状態にしましょう。
あごは自然にひき、頭頂部~首の後ろ側~背中~腰~仙骨が床から離れていないかチェックしてください。背中が丸まらず、安定した土台をつくることが大切です。
また、なるべく肩の後ろ側も床につけるように意識し、すくめたりせず、耳と距離を離します。上半身は余計な力を抜いてリラックスさせましょう。
コツ②すねは平行にする
胸(もしくはマット)と、すねが平行になるようにしましょう。
特に、曲げている側の脚の膝だけが胸に近づいているパターンが多いので要チェックです。曲げている側の脚を外旋(外側へ向くように回す)させるか、膝を外側に向けるイメージで行ってみてください。
このとき曲げている側の脚の太ももの側面の筋肉(大腿四頭筋の外側広筋)・裏の筋肉(大腿二頭筋)・お尻の筋肉(大殿筋)・お尻の奥にある筋肉(梨状筋)が気持ちよく伸びている感覚があればOKです。
曲げている側の脚のくるぶしは太ももの外側にセットし、可能であれば足の裏をしっかりと伸ばして行うと効果がアップしますよ。
コツ③骨盤の位置を意識する
骨盤が左右に傾いていませんか?また、上下にズレたりしていませんか?骨盤は左右・上下ともに傾きがなく、ズレもない状態で行うことが重要です。
上記のコツ②で、胸とすねが平行に保てない!という方は、骨盤が傾いたままポーズを行っている可能性が高いため、一度見直してみましょう。
曲げている側の膝を外側に向くよう軽く押して支えてあげたり、股関節から外旋(外側へ向くように回す)させ続けるイメージで脚と膝を同時に胸へ近づけていくなど、気を付けながら行ってください。また、骨盤の左右が同じ位置になるよう両手で支えて調節してあげるなどのサポートをしてあげるのも良いでしょう。
伸ばしたい筋肉(大腿二頭筋・大腿四頭筋・大殿筋・梨状筋など)をきちんと伸ばし、メリットを最大限に引き出すためにも骨盤の位置を意識して行うことが重要です。
針の穴のポーズの効果
針の穴のポーズは、美尻・美脚にかかせないインナーマッスルの梨状筋に効果的なポーズです。
体の内側にあるインナーマッスルの梨状筋を刺激することで、アウターマッスル(表面にある筋肉)が引き締まり美しいお尻にしてくれます。ほかにも股関節の外旋可動域を広げてくれる働きもあるので、沿ってしまった足を正しい位置に戻して、きれいな脚ラインをつくります。
さらに下半身の血行を促進して痩せやすい体質にしてくれたり、だるさ・疲れを癒してくれる効果も期待できます。
デスクワークの方、長時間同じ姿勢の方、座り仕事が多い方、運動不足の方は梨状筋が硬くなりやすいです。一日の終わりに、頑張った体を整えるために針の穴のポーズにチャレンジしてみてくださいね。
効果①引き締め&整えて美尻効果
お尻の深部にあり、股関節を外旋させるのに重要な筋肉(梨状筋)を刺激することで、美尻効果があります。
インナーマッスルである梨状筋をストレッチすると、アウターマッスルであるお尻の筋肉(大殿筋)にも有効的で、たるみを引き締めてリフトアップ・美しい形のヒップラインに整えてくれます。
デスクワークや運動不足の方におすすめなので、ぜひチャレンジしてみましょう。
効果②美脚・美姿勢に
インナーマッスルである梨状筋をストレッチすると、股関節の外旋可動域を広げてくれるため、きれいな美脚ラインをつくるのに効果的です。外側に沿ってしまった脚を正しい位置へと戻し、下半身のシルエットを整えてくれます。
また、上半身と下半身をつなぐ重要な筋肉でもあるため、全身の姿勢も美しくしてくれるでしょう。片足立ちなど、バランスを必要とするポーズが取れるようになり、体全体が安定します。
座り仕事や運動不足の方は硬くなりやすい筋肉です。意識してストレッチしましょう。
効果③骨盤を整える
効果①のお尻の張りを解消することと、効果②の股関節を柔らかくすることは、骨盤の後ろ側に位置するお尻の筋肉(大殿筋・中殿筋)、骨盤の前側に位置する筋肉(腸腰筋)の柔軟性を高めてくれ、骨盤の位置が整います。
骨盤の位置が整うとポッコリお腹に効果的で、下半身痩せの効果をさらに高めてくれるでしょう。美しくなったボディラインを保ち続けてくれたり、お通じの改善も期待できます。
一日頑張った体と骨盤を整えるために、寝る前に行うのがおすすめのポーズです。
効果④血行を促進して下半身痩せ
針の穴のポーズは、お尻の筋肉以外にもハムストリングス(特に大腿二頭筋)などもストレッチしてくれるポーズです。脚の大きな筋肉(大腿二頭筋)をほぐすと、ガチガチに緊張した腰の張りを解消することにつながります。長時間のデスクワークで痛むお尻・腰に効果的です。
さらに最大のメリットは、大きな筋肉は血行を促進する力が強いことです。冷たくなった足先やお尻を温めてくれ、下半身全体の代謝を促進して脂肪を燃焼しやすくしてくれるでしょう。
下半身のだるさや疲れも癒してくれるので、ぜひ一日の終わりに取り入れてみてください。
応用編
他にも針の穴のポーズを応用したやり方もご紹介します。
椅子を利用して手軽に行える椅子ヨガや、お尻や裏ももが硬くてポーズを完成させるのが困難な方に向けての準備ポーズ、また、軽減方法もご紹介いたします。
ストレッチだけでなくお尻の引き締め・下半身の強化もしたい方は応用③のシークエンスを行ってみてくださいね。
応用①椅子ヨガで針の穴のポーズ
スキマ時間や仕事の合間でも手軽に行える椅子ヨガで、針の穴のポーズです。
ガチガチになった腰・お尻の筋肉に効果的なので、長時間のデスクワークの方におすすめしたいポーズになります。
本来の針の穴のポーズより丸まってしまいやすい背中を意識しましょう。
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 5呼吸 |
ポイント |
|
効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用②牛の顔のポーズ
針の穴のポーズの準備ポーズとしておすすめです。
ストレッチしたいはずの股関節・お尻の筋肉が硬すぎて、針の穴のポーズで膝を十分に引き寄せられない方は試してみましょう。
お尻のストレッチをしたいだけなら足だけでOKですが、せっかくなので二の腕も引き締ましょう!
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_IMG_3873)
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 5呼吸 |
ポイント |
|
効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用③橋のポーズ
仰向け姿勢のまま続けて行うことが可能なので、シークエンスとしておすすめしたいポーズです。
内ももを締めたままお尻を上げることで、骨盤底筋を鍛えてくれます。下半身の強化に優れ、胸を開いてくれるポーズでもあります。
お尻の筋肉の強化もしたい方!という方にオススメ。
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 5呼吸 |
ポイント |
|
効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用④針の穴のポーズができない方向け
針の穴のポーズの姿勢がつくれない方は、道具を利用することでサポートすることができます。初心者の方や慣れない方は、ヨガ専用道具を使うことをお勧めします。
今回は、ヨガベルトを利用した針の穴のポーズをご紹介いたします。
背中が丸まって床から浮いてしまう方、上半身に余計な力みを感じる方、足が持ちづらい方は、ぜひヨガベルトを使った軽減方法にチャレンジしてみてくださいね。
ヨガベルトを利用した針の穴のポーズ
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 5~10呼吸 |
ポイント |
|
効果 |
|
安全と注意事項
針の穴のポーズは、すべてのレジスタンスエクササイズと同様に、効果と安全性のために正しいフォームとテクニックを必要とします。
次の安全と注意事項は、針の穴のポーズを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- 裏ももに怪我、トラブルを抱えている場合は無理に行わないでください。
- 背中、腰に違和感を感じる場合は中止してください。
- お尻や裏ももが硬い場合は、事前にストレッチや準備ポーズを参考に行ってみてください。
- コツや軽減法を参考にしながら、角度を緩めたり、見直してください。
- 無理にポーズを完成させようとせず、ご自身の体と相談しながら行ってください。ヨガベルトを使用しての軽減法をおすすめします。
- 体に負担がかかりすぎないように長時間は行わないようにしてください。
- ヨガは他人と比べるものではありません。ご自身のペース、呼吸でリラックスして行いましょう。
- 針の穴のポーズ中に痛みや不快感を感じる場合は、すぐに運動を中止してください。
- 針の穴のポーズを行ってよいかどうか不安を感じる場合は、ご自身で判断せず、かかりつけ医にご相談ください。
- ヨガマットの使用をおすすめします。
コメント