板のポーズ
Planck Pose
【概要】 | |
別名 フロントブリッジ / プランクポーズ / Planck Pose / ファラカーサナ / ファラカアーサナ / 腕立てポーズ | |
ターゲット 腹直筋 / 腹横筋 / 上腕三頭筋 / 前鋸筋 / 腸肋筋 / 最長筋 / 棘筋 | |
レベル 初級 | |
必要な道具
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基本的な方法と正しいフォーム・やり方のコツ・安全と注意事項・応用編について詳しく解説していきます。
また板のポーズは別名プランクポーズやプランク、フロントブリッジとも言われ、本記事ではポーズの名前を「板のポーズ」に統一して解説していきます。
自重トレーニングとしてのフロントブリッジも紹介していますのでぜひ、ご覧ください。
基本的な方法
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板のポーズとは、アームバランスの定番ポーズです。太陽礼拝のなかにも出てくる基本的なポーズであり、英訳の「プランクポーズ」は聞いたことが多いと思います。いわゆるプランクは肘をついた状態で行いますが、板のポーズは肘を伸ばした「腕立て」の状態で行います。
腕立てポーズとも呼ばれ、体幹強化に秀でており、背中や肩回りなど上半身の筋力アップにも効果があります。ダイエットにも多く取り入れられています。体を引き締めたい!痩せたい!という方におすすめしたいポーズです。
下記にて動作手順はもちろん、軽減方法や応用ポーズもご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてくださいね。
動作手順と呼吸
- 四つん這い姿勢になります。
- 両手首が肩のまっすぐ下にくるようにセットします。
- 少し肘同士が向き合うように内側に向け、手のひら全体でマットを押します。
- 片脚ずつ後方へ伸ばしていき、つま先を立てます。
- かかとを後方へ押し出し、頭頂部と引っ張り合うように体を一直線にします。
- 肋骨を締めるイメージでお腹に力を入れて、お尻が上がったり下がったりしないように保ちましょう。
- 肩甲骨は寄せずに背中を平らに保ち、目線は軽く前へ向けます。
- 呼吸を繰り返しながら5呼吸キープします。
- ポーズを解放する際は、いきなり力を抜いたりせずに、ゆっくりと膝をつきます。
- 余裕がある場合は、チャイルドポーズにつなげると良いでしょう。
板のポーズの効果を高めるコツ
板のポーズはきちんとコツを押さえておかないと、せっかくのヨガトレーニングの効果が下がってしまうこともあります。
フォームには気を付けましょう。
コツ①手首~肘~肩がまっすぐ一直線

手首~肘~肩がまっすぐ一直線
手首~肘~肩がまっすぐ一直線になるように、マットと垂直になるようにセットしましょう。
効果が半減してしまうだけでなく、手首を痛めてしまう可能性があるため注意してください。
大きく広げた手のひら全体でマットを押します。また、肘が過伸展になっていないかチェックしましょう。
過伸展とは「必要以上に関節が反ってしまうこと」で、板のポーズの場合は肘が肩や手首より前方へ出てしまっている状態を指します。過伸展の場合は少し肘を曲げて行うなど対処してください。肩はすくまないようにしっかり下げて、耳と離しましょう。
コツ②肩甲骨・背中を平らに

肩甲骨・背中を平らに
コツ①でご消化した肩はすくまないようにしっかり下げることで、肩甲骨が寄ってしまう場合があります。
肩甲骨同士をしっかりと離して、ニュートラルポジションを意識しましょう。
ニュートラルポジションとは「どちらにも偏らず、中間的位置」を意味します。
この場合は肩甲骨が寄ってしまうことで肩が盛り上がってしまったり、反対に広げすぎて背中が出てしまっている状態のことです。
背中や肩甲骨も平らに直線を意識してください。手首が肩幅より外に出ていないかチェックし、胸の中心を持ち上げるイメージで行うと良いでしょう。
板のポーズという名前のとおり、肩~背中が一枚の板になったように保つことが大切です。
コツ③特に腰・お尻・お腹を一直線に

特に腰・お尻・お腹を一直線に
横から見たとき、頭頂部からかかとまでがきれいな一直線になるようにしましょう。
腕や脚で支えるのではなく、体の中心部分にある腰・お尻・お腹の筋肉を使って、全身を一直線に保つことが重要なポイントになります。
腰が反っていませんか?お腹が重力に引っ張られて下がっていませんか?お尻が上がっていませんか?
- 腰が反ってお腹が下がっている場合 → 骨盤を少しだけ後傾させて、下腹を巻き込むもしくはおへそを背骨に近づけるイメージでお腹に力を入れて行うことを意識してください。尾骨をかかと方向に向けるイメージでも良いでしょう。
- お尻が上がっている場合 → 肩甲骨・背中が一直線に保てていない可能性があるためチェックしましょう。
また、かかとは見えない壁を押すように後方へ押し出し、頭が下がりすぎないように顎を引いたまま視線を少し前方へ向けることも意識してみてください。
鏡やスマホで撮影してチェックするといいですよ。
コツ④呼吸をつづけること

呼吸をつづけること
板のポーズを維持する際に、いちばん心掛けるべきことは「呼吸をつづけること」です。
お腹に力を入れるのに夢中になり、無意識のうちに呼吸が止まってしまっている場合が多いからです。
ヨガにおいても体幹強化においても、呼吸はとても重要になります。
板のポーズをキープしている間、呼吸を忘れないように意識して繰り返すようにしましょう。
余裕があれば、息を吐きだす際に「肋骨を締めて、おへそを背骨に近づけるように」行うと、より体幹強化につながります。
板のポーズの効果
板のポーズは、全身の筋肉を一度に鍛えることができるポーズです。
そのなかでも「腹直筋・腹横筋」はポッコリ出てしまった下腹に、「脊柱起立筋」はこりやだるさが和らぐ美しい背中に、「上腕三頭筋・前鋸筋」は二の腕のたるみから腰にかけての側面をスッキリとさせてくれる効果があります。
シルエットを整えてくれるのはもちろん脂肪を燃やしやすい体質にもしてくれます。
ダイエットや引き締めたい方におすすめです。
ひとつずつ詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
効果①「腹直筋・腹横筋」強化でポッコリお腹解消
板のポーズは、肋骨から恥骨まで伸びるお腹の表面にある「腹直筋」とインナーマッスルである「腹横筋」を鍛えることができます。
このふたつを鍛えることで、落ちにくい下腹の代謝が促進されて脂肪を燃焼し、ポッコリお腹を引き締めてくれます。
ジーンズにのってしまった下腹だけでなく、お腹周り全体もスッキリしていきますよ。
さらに、体の土台となる骨盤を支えてくれる働きもあります。
ポッコリお腹につながる下がってしまった内臓を引き上げてくれたり、お通じを良くしてくれる効果も期待できます。
体幹を強化することで見た目も美しくなるのことはもちろん、体を支える力もつきます。
揺れる電車内で体がふらつかなくなったり、スポーツでのパフォーマンス向上やケガの防止など、芯がしっかりすることでしょう。
疲れにくい体づくりをしたい方にもオススメです。
効果②美シルエットのカギ「脊柱起立筋」
「脊柱起立筋」とは「腸肋筋・最長筋・棘筋」の三つからなる筋肉のことです。
首から腰にかけて背骨の両側に位置しています。背中の柔軟性を高めてくれたり、それによって血行を促進して背中のこりやだるさなどの疲れを癒してくれます。
背中とつながっている腰の緊張や張りも和らげてくれるでしょう。
背骨を両側から支えるための筋肉でもあるため、鍛えることによって本来の美しい姿勢に戻す・保ってくれる効果も期待できます。
背骨が本来のきれいなカーブを描くと、内側に巻き込んでしまった肩や丸まってしまった背中を解消するのにもつながります。
また、広背筋も強化してくれるので、ズボンからはみ出してしまった腰回りのお肉もスッキリ。
「脊柱起立筋」を刺激して、シルエットの美しい後ろ姿になりましょう。
効果③二の腕のたるみをスッキリシェイプアップ

二の腕のたるみ改善
腕の後ろ側に位置している筋肉が「上腕三頭筋」であり、「上腕三頭筋」を鍛えることで「振袖」と呼ばれる二の腕のたるみがキュッと引き締まり、二の腕全体がスッキリするのです。
たるみのないスッキリとした二の腕になれると上半身全体も華奢に見えるので、半袖やノースリーブが似合うスタイルになりますよ。
この「上腕三頭筋」は日常生活の動作では動かすことが少ない筋肉であるため、意識して鍛えてあげましょう。
「前鋸筋」は脇の部分に位置し、脇腹などの体の側面をスッキリさせて、くびれをつくり、バストアップにも効果的な筋肉です。
上記の「脊柱起立筋」とならんで、内側に巻き込んでしまった肩や丸まってしまった背中を解消する手助けもしてくれます。
心身ともに上半身をスッキリさせてくれるでしょう。
効果④筋力アップでダイエット効果
「上腕三頭筋」「前鋸筋」を刺激して肩甲骨の可動域が広がると「広背筋」などの大きな筋肉も動かしやすくなり、また鍛えられやすくなります。
大きい筋肉の方が代謝を促進してくれる効果が高くなります。
ほかにも板のポーズは一度にたくさんの筋肉を鍛えることができるポーズなので、ダイエットに重要な基礎代謝を効率よく促進させることができるのです。
脂肪を燃やしつづけて、太りにくく瘦せやすい体質をつくってくれます。
さらに、筋肉量がアップすることは太りにくい体質を維持してくれることにもつながりますよ。
「腹直筋」も大きな筋肉であり、なにより短期間で見た目に出やすいと言われています。
みるみるお腹が引き締まっていくとモチベーションアップにもなりますね。
応用編
他にも板のポーズを応用したやり方もご紹介します。
板のポーズと同じく名前に板がつくポーズや、シークエンスとして行えるポーズを集めました。
すべて強度の高いポーズとなりますので、無理せずご自身の体に合わせてチャレンジしてみましょう。
最後に軽減法もご紹介しています。
応用①横向きの板のポーズ
その名のとおり板のポーズを横向きにしたようなポーズです。脚を上げる筋力を必要とする、強度が高い中級レベルのポーズになります。
難しい場合は脚を上げなくてもOK!体幹を意識してキープすることで横腹に効果的です。
ご自身ペースでチャレンジしてみてくださいね。

横向きの板のポーズ
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 3~5呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用②チャトランガ(チャトランガダンダーサナ)
四肢のポーズ、四肢で支えるポーズとも言われ、名前のとおり体を両手足で体を支えるのが特徴です。
板のポーズより難易度がさらにアップした上級ポーズであり、腕の筋力を必要とする強度の高いポーズです。
より体幹の強化をしたい方、腕を鍛えて引き締めたい方におすすめです。

チャトランガ
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用③上向きの板のポーズ
こちらもおなじ板がつく名前のポーズです。板のポーズを反対向きにしたような体勢ですね。
体の背面を強化してくれ、胸やお腹など前面は伸ばしてストレッチ効果があります。
板のポーズのシークエンスとして行うと、引き締めたお腹を気持ちよく伸ばしてくれるうえに、背中もシェイプアップしてくれますよ。

上向きの板のポーズ
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用④板のポーズの軽減方バリエーション
板のポーズができない!ポーズを維持できない!という方は、膝や肘をついた形で行いましょう。
負荷がかかる筋力が軽減されて、ポーズを保ちやすくなります。肘や膝に痛みを感じる場合はマットの厚みを変えたり、タオルを敷いて対処してみてください。
無理をせず、ご自身の体や筋力に合わせて柔軟にチャレンジしてみましょう!
どの場合で行っても大切なのは「体幹を意識すること」です。腰が曲がったり反ったりせず、お腹に力を入れることを忘れないでくださいね。
膝をついた板のポーズ

膝をついた板のポーズ
膝&肘をついた板のポーズ

膝&肘をついた板のポーズ
安全と注意事項
板のポーズは、すべてのレジスタンスエクササイズと同様に、効果と安全性のために正しいフォームとテクニックを必要とします。
次の安全と注意事項は、板のポーズを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- 手首にトラブルを抱えている場合は無理に行わないでください。
- 肩、肘に違和感を感じる場合は中止してください。
- 腹部の筋力が弱い場合、腰に違和感を感じる場合があるため、軽減法を参考にしながら行ってください。そのうえで腰に違和感を感じた場合は即刻中止してください。
- 軽減法を参考にした場合でも、無理にポーズを完成させようとせず、ご自身の体と相談しながら行ってください。
- 体に負担がかかりすぎないように長時間は行わないようにしてください。
- ヨガは他人と比べるものではありません。ご自身のペース、呼吸でリラックスして行いましょう。
- 板のポーズ中に痛みや不快感を感じる場合は、すぐに運動を中止してください。
- 板のポーズを行ってよいかどうか不安を感じる場合は、ご自身で判断せず、かかりつけ医にご相談ください。
- ヨガマットの使用をおすすめします。
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