うさぎのポーズ
rabbit pose
【概要】 | |
別名 ラビットポーズ/シャシャンカーサナ/rabbit pose | |
ターゲット 僧帽筋/菱形筋/頚板状筋/頭板状筋/肩甲挙筋/胸鎖乳突筋 | |
レベル 初級から中級 | |
必要な道具
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基本的な方法と正しいフォーム・やり方のコツ・安全と注意事項・応用編について詳しく解説していきます。
またうさぎのポーズは別名ラビットポーズやシャシャンカーサナとも言われ、本記事ではポーズの名前を「うさぎのポーズ」に統一して解説していきます。
SNSやブログ等で紹介してもらえるとうれしいです。
目次
基本的な方法
タップしてフィットネス動画を見る
うさぎのポーズとは、サンスクリット語で「シャシャンカーサナ」と呼ばれ「うさぎ」という意味が含まれているポーズです。逆転のポーズに位置づけられています。
伸ばしながら高く上げた腕が、うさぎの耳に見えることが由来のようです。耳に見えるこの腕こそが、うさぎのポーズでのポイントになってきます。
さらに頭頂部を床に当てることも重要です。頭頂部にあるツボを刺激することで、目を癒す効果が期待できます。特に現代人はデスクワークはもちろん、休憩時間にもスマホゲームなんて方も多いのではないでしょうか?長時間スマホやパソコンを見ることで目を酷使している方に試してほしいポーズです。
目の筋肉は首~肩周りなどの筋肉と関わり合っているため、上半身全体の不調を招く恐れがあります。頭頂部の刺激を促しつつ腕を上げることで、上半身の緊張を緩めると同時に、背面の強化&引き締めにもつながります。
しかし誤った方法で行うと、繊細な首に負担がかかって痛めてしまったり、反対に気分を悪くしてしまう可能性もあります。
これから動作手順やコツ、うれしい効果をご紹介いたしますので、ぜひご覧になってから「うさぎのポーズ」に挑戦してみてくださいね。
動作手順と呼吸
- つま先を寝かせた状態の正座になります。
- 上体を倒して、手で支えながら頭頂部を床につけます。
- 首に負担がかからないように調節しながら、腰の辺りで手を組みます。
- 大きく息を吸い込み、吐きながら骨盤を後傾させるようにお尻を持ち上げていきます。
- 顎をひき、視線も頭も動かさず固定します。
- 最後に手を組んだ腕を天井に向けて高く引き上げます。
- その体勢をキープしたまま呼吸を続けます。
うさぎのポーズの効果を高めるコツ
うさぎのポーズはきちんとコツを押さえておかないと、せっかくのヨガトレーニングの効果が下がってしまうこともあります。
フォームには気を付けましょう。
コツ①首に体重、負担をかけない
頭頂部をしっかりと床に押し付けるために、首に体重をかけていませんか?首に負担や痛みを感じる場合は、間違った方法で行っている可能性があります。
首は繊細です。体重や負担をかけるのではなく、気持ちよく「伸ばす」ことに意識を向けてください。
下記のコツ②でお話する内容も深くかかわってきますので、参考にしてみてくださいね。
どうしても首に痛みを感じるという方は、応用編にて「うさぎのポーズができない方向けのポーズ」をご紹介いたします。そちらも併せて参考にしてください。
コツ②下半身でしっかりと床を押す
足の甲~すね~膝の下半身で、しっかりと床を押しましょう。
下半身で体を支え、お尻を高く上げることで、自然と頭頂部が床へ押し付けられる体勢になります。
体全体の重みをかけると首を痛めてしまいますので、上半身の重みだけを頭頂部へかけていくイメージで行うとよいでしょう。
お尻を上げる際は骨盤を後傾(お腹へと引き込むように)して行うと、インナーマッスルを強化する効果も期待できます。詳しくは効果③にてご説明いたします。
コツ③腕の上げ方に注意
腕を上げる際は、まずスピードに注意してください。
筋肉が驚かないようにゆっくりと上げていき、背中~肩をじっくりと伸ばしていくイメージです。
次に腕の位置ですが、頭頂部の方へ寄せていくのではなく、肘を締めて上へと引き上げます。
また、「肩甲骨を寄せ合う」もしくは「肩を背中側に引き寄せ合う」ことを意識しましょう。
腕の上げ方については、効果③④に関係してきますので、併せてご覧くださいね。
コツ④頭はまっすぐ、動かさない
頭は左右に揺らしたり動かしたりせず、まっすぐ固定しましょう。
また、うさぎのポーズは頭頂部をしっかりと床に押し付けることがポイントですが、コツ①でお話したように無理やり床へ押し付けるのもNGです。
顎を軽くひいて、視線も一点に集中させます。背面の伸びや心地よさを感じながら静かに頭頂部を床に押し付けましょう。
呼吸を意識することも大切です。鼻から息を吸い込み、口から細く吐き出す呼吸を繰り返しましょう。
効果
うさぎのポーズは、特に目~首~肩、背中などの背面にうれしい効果があるポーズです。常に疲れが溜まりやすい上半身を「伸ばす」ことで、ストレッチ効果や代謝アップも期待できます。
それぞれのポイントで効果を発揮するのはもちろん、筋肉は深く関わり合っているので、体全体の調子を整えることにもつながります。
さらに、ちょっとしたコツを意識すると、インナーマッスルの強化&引き締めにも効果的です。
ヨガを行う最大のメリット、リラックス効果もありますので、ぜひチャレンジしてみましょう。
効果①背面のストレッチ効果
まず大きなメリットのひとつとして、背面全体を伸ばすことで筋肉が温まり、代謝アップが期待できることです。代謝がアップすると同じ運動量でも瘦せやすい体質になれます。
さらにうさぎのポーズは、腰~背中~肩甲骨~首など背面全体を同時に伸ばすことができ、各々の箇所でそれぞれのメリットが得られるのもうれしいポイントです。
背中を伸ばすことは効果③の強化や引き締めにつながります。肩甲骨は効果④の肩回りの張りをほぐして、緊張を和らげてくれます。首は下記の効果②でご紹介しますね。
瘦せやすく、引き締まった体を手に入れたい方はぜひチャレンジしてみましょう。
効果②百会のツボを刺激して目がすっきり
目の周りの筋肉は顔の筋肉を通して、首の後ろ側の筋肉(頚板状筋・頭板状筋・肩甲挙筋・胸鎖乳突筋)と深くかかわり合っています。
筋肉が凝り固まってしまうとお互いが影響しあい、それぞれの不調を招く可能性が高まってしまいます。
さらに頭頂部には百会というツボ があり、そのツボを床へ押し付けることで刺激を促して、目を癒してくれると言われています。
特に現代人は長時間スマホやパソコンを見ることが多いため、比例して常に疲れが溜まっている方も多いと思います。
目の疲れは肩や頭だけでなく体全体に不調を招くとも言われているため、そのままにしておくのは危険かもしれません。
デスクワークが多い方、集中力がなく頭がすっきりしない方はぜひ試してみてくださいね。
効果③背面や腹部の強化、引き締め
コツ③でご紹介した腕の上げ方に注意することで、じっくりと背面の筋肉(僧帽筋・菱形筋)に負荷がかかっていき、強化や引き締めに効果が期待できます。
また、コツ②でご紹介した骨盤を後傾(お腹へと引き込むように)して行うことで、同時に腹部のインナーマッスルも鍛えることが可能です。
腰を痛めないように注意しながらお尻を高く突き上げ、骨盤をぎゅっと締めてあげるイメージで行うとよいでしょう。
その際はインナーマッスルを意識した呼吸が重要です。息を吐きながらお腹を天井へと引き上げていきましょう。
筋肉を強化することで筋肉が温まるので、効果①でもご説明したように代謝アップにもつながりますよ。
効果④肩回りの筋肉が和らぐ
こちらもコツ③でお話したように「肩甲骨を寄せ合う」もしくは「肩を背中側に引き寄せ合う」ことを意識することで、肩甲骨を動かします。
肩甲骨の可動域が広がり、筋肉も温められ、肩回りの張りや緊張を和らげる効果が期待できます。
効果②で目の疲れに触れましたが、首の後ろ側の筋肉(頚板状筋・頭板状筋・肩甲挙筋・胸鎖乳突筋)は肩周りとも深く関わりがあります。
凝り固まった肩甲骨を動かすことで、肩~首~目の疲れを癒すことにつながります。
特に長時間スマホやパソコンを見ることが多い方には試していただきたいポーズです。
効果⑤リラックス効果
肩をはじめ肩甲骨をほぐすことはリラックス効果にもつながります。
また、呼吸を整えることも意識することで、リラックス効果と相まってぐっすりと眠れるようになることが期待できます。
朝すっきりと目覚めたいときに行ってもいいですが、やはりオススメのタイミングは寝る前です。
ヨガを行うのはリラックス効果に有効的だという論文も発表されています。
その日の疲れやだるさを翌日に持ち越さないためにも、ヨガを日常に取り入れてみてはいかがでしょうか?
実施前には「疲れている、だるい、やる気が無い」など否定的な記述が顕著で、「だらけた」「無気力な」といった項目が高得点を示し、活性度と覚醒度の尺度が低得点を示した。一方、実施後には「リラックス、落ち着く、楽になる」など肯定的な記述が増大し、「落ち着いた」「リラックスした」といった項目の得点が有意に上昇し、安定度、快適度、活性度の尺度が有意に上昇した。これにより、ヨガ・エクササイズには日本の若者に多くみられる憂鬱感情を改善する効果があると考えられる。
ヨガ・エクササイズ実施前後の気分変化についての一考察(2011年9月公開)
佐藤 節子
応用編
他にもうさぎのポーズを応用したやり方もご紹介します。
うさぎのポーズからの流れで行えるポーズから、同じ効果を得られたり、同様の部位に効果的なポーズなどを集めました。
うさぎのポーズができない方向けのポーズもご紹介いたしますので、無理をせずご自身のペースに合わせて行ってくださいね。
応用①チャイルドポーズ
前回ご紹介したことがあるチャイルドポーズです。うさぎのポーズの前後に挟むと良いでしょう。
こちらはうさぎのポーズに限らず基本的となるポーズですので、ぜひ一度行ってみてくださいね。
もちろん前回の記事も併せてご覧くださるとうれしいです。
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_IMG_3888)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
「チャイルドポーズ(子供のポーズ)」効果的なやり方とヨガ応用メニューを知りたい方はこちらを参考にしてみてください。
応用②猫の伸びのポーズ
こちらもうさぎのポーズから流れで行えるポーズになります。
同様に肩や首に効果的で、心地よく体を伸ばすことができます。
上記でご紹介したチャイルドポーズ~うさぎのポーズ~猫の伸びのポーズとセットで行うのもオススメです。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
「猫の伸びのポーズ(子犬の伸びのポーズ)」の効果的なやり方とヨガ応用メニューを知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
応用③橋のポーズ
うさぎのポーズと同じくリラックス効果が期待できるポーズです。
お尻に力を入れることを意識すると、下半身痩せの効果も。
ぜひ一度チャレンジしてみてくださいね。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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効果 |
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応用④うさぎのポーズができない方向け
うさぎのポーズの姿勢がつくれない方は、道具を利用することでサポートすることができます。
初心者の方や慣れない方は、ヨガ専用道具を使うことをお勧めします。
腕を上げないうさぎのポーズ
姿勢 |
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方法 | うさぎのポーズと同様
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
安全と注意事項
うさぎのポーズは、すべてのレジスタンスエクササイズと同様に、効果と安全性のために正しいフォームとテクニックを必要とします。
次の安全と注意事項は、うさぎのポーズを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- 首を痛めている方、膝に痛みを感じる方は行ってはいけません。
- 腕は無理に上げず、様子を見ながら行ってください。
- うさぎのポーズ中に痛みや不快感を感じる場合は、すぐに運動を中止してください。
- うさぎのポーズを行ってよいかどうかの判断は、かかりつけ医にご相談ください。
- ヨガマットの使用をおすすめします。
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