ワシのポーズ
Eagle Pose
【概要】 | |
別名 鷲のポーズ/イーグルポーズ/Eagle Pose/ガルダーサナ | |
ターゲット 僧帽筋/大腿四頭筋/半膜様筋/半腱様筋/腹直筋 | |
レベル 中級 | |
必要な道具
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基本的な方法と正しいフォーム・やり方のコツ・安全と注意事項・応用編について詳しく解説していきます。
またワシのポーズは、鷲のポーズと表記されていたりイーグルポーズとも言われ、本記事ではポーズの名前を「ワシのポーズ」に統一して解説していきます。
SNSやブログ等で紹介してもらえるとうれしいです。
目次
基本的な方法
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_IMG_3874)
ワシのポーズとは、深い集中力を必要とする中級レベルに位置づけられます。ジャンルとしては、立位のポーズになります。
英語では「イーグルポーズ」、サンスクリット語では「ガルダーサナ」と呼ばれています。「ガルダ」とは一般的に「ワシ(鷲)」と訳されていますが、「鳥の王」という神話上の鳥ともされています。
上半身はストレッチ効果ですっきり、下半身は強化&シェイプアップの効果があります。さらに全身の筋肉を使うことで代謝アップやバランス力の向上、さらには体幹強化など、一石三鳥どころかそれ以上にうれしい効果が得られるポーズです。
しかし中級レベルのため、より集中力とコツが必要となってきます。最初は難しいと感じるかもしれませんが、まずは挑戦して、慣れることからチャレンジしてみましょう。
動作手順とともに効果はもちろん、コツについてもご紹介いたしますので、よかったらブックマークして読み返してくださいね。
動作手順と呼吸
- マットの上で肩の力を抜いてまっすぐ立ちます。
- 足の裏でしっかりと床を踏んで、バランスを取りながら両足を揃えます。
- おへそを内側へ引き込むイメージで、そのまま両膝を曲げて少し腰を落とし、左足の太ももの上に右足をのせます。
(可能であれば右足の甲は左足のふくらはぎに絡めましょう) - 両手を前に伸ばして、左ひじをが上になるように腕をクロスさせます。
- そのまま肘を曲げていき、手の甲を合わせます。
(可能であれば、前腕をさらに回して手のひら同士を合わせる、もしくは組みましょう) - 肩をしっかり下げて、耳と肩の距離を保ったまま、ひじを顔の高さまで持ち上げます。
- 左足でマットをしっかりと踏み込み、息を吐きながら尾骨を下に向けて腰を落とします。
- そのままの姿勢で呼吸を繰り返します。
- 反対側も同様に行います。
ワシのポーズの効果を高めるコツ
ワシのポーズはきちんとコツを押さえておかないと、せっかくのヨガトレーニングの効果が下がってしまうこともあります。
フォームには気を付けましょう。
コツ①骨盤を立て、腰は反らない
両膝を曲げる際は「骨盤を立てたまま」腰を落とすことを意識してください。また、腰を反らせるのではなく、足の付け根を後ろに引くイメージで行いましょう。
コツ④ともつながりますが、背筋をまっすぐに維持するためにも、骨盤の位置は重要になってきます。
さらに、おへそを内側へ引き込むことで、体幹を強く感じることができます。こちらの効果については効果④で詳しくご説明いたしますね。
内側へ引き込む際も、骨盤には注意してください。あくまで「骨盤を立てたまま」が原則です。
コツ②肩甲骨を開く、肩と耳を離す
腕をクロスさせることに集中して、肩が上がっていませんか?これでは肩回りに力が入ってしまい、効果が半減したり逆効果になってしまいます。
肩甲骨を下げて、左右に開き、肩と耳の距離をしっかりと離しましょう。
また、上半身の力を抜くことも意識してみてください。上半身の力を抜くことで、下半身のバランスも安定します。
痛みを感じる場合は無理をしてはいけません。手の甲を合わせるだけ、もしくは肘を重ねるだけでも大丈夫です。
大事なのは「肩甲骨を下げて開き」「力を抜いて」「肩と耳を離す」ことですので、ご自身に合わせて行いましょう。
コツ③足のバランスを意識する
まず一つ目のバランスは「左右のバランス」です。体がどちらか一方に上がりすぎたり、下がりすぎていませんか?
特に骨盤や肩甲骨に気を付けましょう。足を組んだり、肘を重ね合わせますが、なるべく高さは均等に保ってください。
二つ目のバランスは「足のバランス」です。左右のバランスとも関係しますが、体がふらつく場合は軸足の重心が偏っている可能性が考えられます。
足の指先だけに力を入れて踏ん張るのではなく、足の指先までしっかりと開き、足の裏全体でバランスをとりましょう。
自分では分かりづらい!という方は写真を撮ったり、鏡の前でチェックしてみてくださいね。
コツ④背筋はまっすぐ
背中が一枚の板になったイメージで背筋をまっすぐに保ちましょう。
コツ①でも触れたとおり「骨盤を立てる」ことにつながりますし、コツ②にも関係してきます。
背中が丸まってしまうと肩が上がってしまい、間違った肩甲骨の開き方になる可能性も高くなってしまいます。
気を付けるポイントが多くて大変だと感じてしまう方は、まず最初に背筋をまっすぐに保つことから意識しましょう。
効果
ワシのポーズは、全身の筋肉を使うポーズです。筋肉を温めると血の巡りを促進し、痩せやすい体づくりにつながります。
緊張しやすい肩甲骨を中心に胸を開き、肩や二の腕に効果をもたらして、上半身をすっきりさせてくれます。下半身はシェイプアップ効果が期待できます。
ワシのポーズの最大のメリットは「バランス力」と「体幹」を鍛えてくれることです。なぜメリットなのか、ぜひ下記を参考にしてチャレンジしてみてくださいね。
効果①肩甲骨の可動域が広がり背中(上半身)すっきり
まず、肩甲骨を開くことで肩回りの筋肉(僧帽筋)を緩めて、張りや緊張を和らげる効果があります。
丸まった肩を正しい位置に戻し、背中全体の姿勢を改善するのにも良い効果をもたらすでしょう。
次に、上半身のストレッチです。ストレッチ効果については効果③につながります。
さらに、腕をしっかり天井に上げることで、二の腕の引き締めにも効果的です。
パソコンやスマホを見ている時間が多い方など、ぜひ試していただきたいポーズです。
効果②下半身のシェイプアップ効果
下半身を強化することでシェイプアップ効果が期待できます。
尾骨を垂直に下げるイメージで腰を落とすことで、太ももの筋肉(大腿四頭筋・半膜様筋・半腱様筋)にしっかりアプローチできます。
また、足の付け根を後ろに引くのは股関節に適度な圧をかけ、ストレッチにもつながります。
下半身が気になる方はチャレンジしてみましょう。
効果③体幹強化でバランス力向上
たくさんのコツを必要とする難しいポーズなので、必然的にバランス力が向上します。
バランス力が鍛えられるということは自分の体をコントロールできるということであり、スポーツはもちろん日常生活での不意な転倒やケガの防止にも役立ちます。
さらに最大のメリットは「体幹を鍛えられる」ことです。体幹とバランス力の関係については、下記のとおり論文でも発表されています。
ポーズを維持するために集中力も高まりますので、ぜひ仕事の合間にチャレンジしてみませんか?
本研究において,先行研究同様に機能的体力では効果量が大きく評価され,体幹筋力発揮時間(伸展加速時間)の効果量も大きいと評価された.このことはバランス能に体幹筋力発揮時間(伸展加速時間)が関与していることを示した結果であると思われる.本研究は健常若年者において体幹筋のバランス運動を週2回12週間行い,体幹筋力とバランスに着目し,検討した.その結果,体幹筋力発揮時間(伸展加速時間)に運動効果が認められ,体幹筋力発揮時間とバランスの関係が示唆された.
体幹筋力発揮時間とバランスの関係 (2013 年 28 巻 2 号 p. 209-214)
高橋 恵美, 石田 恭子, 上嶋 良, 岡田 武士, 神保 彩子, 木下 裕美子, 成田 誠
応用編
他にもワシのポーズを応用したやり方もご紹介します。
同様に立位のポーズで揃えて、流れの前後で行えるものをご紹介いたします。
デスクワークの合間に行えるよう椅子を利用したワシのポーズもありますので、参考にしてみてください。
最後はヨガブロックで高さを調節して、負荷を軽減した慣れない方用のポーズもあります。
難しいと感じても諦めずに、ぜひチャレンジしてくださいね。
応用①戦士のポーズ1
以前ご紹介した戦士のポーズ1も、同じジャンルの立位ポーズに位置します。
バランス力を鍛え、全身の筋肉を使って代謝アップに適したポーズです。
ワシのポーズの前後に行ってもOK!ワシのポーズが難しいと感じた方は、まず戦士のポーズ1で練習してもOKですよ。
タップしてフィットネス動画を見る(#R_IMG_3875)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
「戦士のポーズ1(英雄のポーズⅠ)」の効果的なやり方とヨガ応用メニューを知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
応用②戦士のポーズ3
戦士のポーズ1より効果、負荷ともにアップしたポーズです。
さらに集中力を高めてバランス力と体幹、腹部を鍛えたい!という方にオススメです。
ワシのポーズに慣れてきたらチャレンジしてみるとよいでしょう。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右15秒×2セット |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用③チェアヨガでワシのポーズ
椅子を利用したチェアヨガのワシのポーズになります。
デスクワークが多い方、家事の合間など、気軽にチャレンジできるようになっています。
初心者の方も椅子に座ったまま初めてみてもよいでしょう。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用④ワシのポーズができない方向け
ワシのポーズの姿勢がつくれない方は、道具を利用することでサポートすることができます。
初心者の方や慣れない方は、ヨガ専用道具を使うことをお勧めします。
ヨガブロックを利用したワシのポーズ
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
おすすめのヨガブロックと使い方をまとめた記事はこちらを参考にしてみてください。
安全と注意事項
ワシのポーズは、すべてのレジスタンスエクササイズと同様に、効果と安全性のために正しいフォームとテクニックを必要とします。
次の安全と注意事項は、ワシのポーズを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- 膝を痛めている方、痛みを感じる方は行ってはいけません。
- 股関節の痛めている方、痛みを感じる方は行ってはいけません。
- ワシのポーズ中に痛みや不快感を感じる場合は、すぐに運動を中止してください。
- ワシのポーズを行ってよいかどうかの判断は、かかりつけ医にご相談ください。
- ヨガマットの使用をおすすめします。
- 場合によってヨガブロックの使用をおすすめします。
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