ミリタリープレス
Military Press
【概要】 | |
別名 オーバーヘッドプレス(overhead press) | |
ターゲット 三角筋、上腕三頭筋、大胸筋上部 | |
レベル 中級から上級 | |
必要器具
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ミリタリープレスの基本的なやり方と正しいフォーム・やり方のコツ・安全と注意事項・応用編(他の方法・初心者・女性でもできる方法)について詳しく解説していきます。
ミリタリープレスを別名でオーバーヘッドプレスとも言いますが、本記事では統一してミリタリープレスでご説明いたします。
SNSやブログ等で紹介してもらえるとうれしいです。
基本的なやり方
タップしてフィットネス動画を見る
ミリタリープレスはバーベルを使って行うトレーニングで、上半身の肩や胸など一度でたくさんの筋肉を鍛えられるメリットがあります。
正しい方法を習得することで、効率的なトレーニングができますのでしっかりと覚えましょう。
スタートポジション
バーベルを両腕でしっかりと握りますが、この際、肩幅よりもちょっと広めに開いて、肩辺りの高さで持ちます。
また、肘を締めて、両手がしっかりと外側に開くようなイメージで行うのがポイントです。
同時に、胸を張って、肩甲骨を寄せるイメージでポジションを取ると、狙った筋肉に効かせやすくなります。
動作手順
- 肩くらいの位置からゆっくりとバーベルを持ち上げて、頭の上まで来るようにします。
- ゆっくりとそのバーベルを下ろし、顎くらいの高さにします。
- これを繰り返してトレーニングをします。
- 上げる方向としては真上に持って行くのがポイントで、斜めに上げないように気を付けましょう。
呼吸
呼吸は、バーベルを持ち上げるときに息を吐き、逆に下ろすときに吸うようにします。
この場合、ゆっくりと腕の動きに合わせて呼吸をすることを意識しましょう。
呼吸を速くすると、動作のテンポが崩れたり、力が入りづらくなったりします。
回数・セット数・重量
10回を1セットとして、3セット行うのを基本とします。
ただし、やはり重いバーベルを上げ下げするトレーニングですので、元々の筋力とのバランスが大事です。
重量の目安がつかない初めのうちは、5回くらいのセットでやって、慣れさせることもいいでしょう。
慣れてきたら、「総負荷量」で筋肥大を目指しましょう。
ちなみにですが、私の場合ですとミリタリープレスは、以下のような総負荷量の回数でセットを組んでいます。
中級者以上の参考「総負荷量」 (回数・重量・セット数) | |
1セット | 12RM |
2セット | 9RM |
3セット | 6RM |
4セット | 3RM |
5セット | 6RM |
6セット | 18RM |
※「RM」とはRepetition Maximum(最大反復回数)の略語。
ある一定の重さに対し、何回反復できるかにより、自分の限界となる運動強度を判断する方法。
セット間のインターバル休憩時間については、こちらの記事も参考にしてください。
ミリタリープレスの重量の目安
それぞれ、以下のレベルの人を対象して、重量の目安表を示します。
- 初心者:1ヶ月以上トレーニングした人
- 初級者:6ヶ月以上トレーニングした人
- 中級者:2年以上トレーニングした人
- 上級者:5年以上トレーニングした人
- エリート:アスリート
なお、こちらのデータは海外のサイト「STRENGTH LEVEL (強度レベル)」を参照しました。また、こちらの数値は正しいフォームで1回だけ挙げられる最大重量(1RM)を示しています。
自分の体重とウェイトトレーニングの経験から、ミリタリープレス重量の目安がわかります。
男性の体重別ミリタリープレス基準(kg)
バーベルの重量には、バーの重量が含まれ、通常は20 kg/44ポンドです。
体 重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
50 | 15 | 24 | 36 | 50 | 66 |
55 | 18 | 28 | 41 | 56 | 73 |
60 | 22 | 32 | 46 | 62 | 79 |
65 | 25 | 36 | 51 | 67 | 85 |
70 | 28 | 40 | 55 | 72 | 91 |
75 | 31 | 44 | 59 | 77 | 97 |
80 | 34 | 48 | 64 | 82 | 102 |
85 | 37 | 51 | 68 | 87 | 107 |
90 | 40 | 55 | 72 | 91 | 112 |
95 | 43 | 58 | 76 | 96 | 117 |
100 | 46 | 61 | 79 | 100 | 122 |
105 | 49 | 65 | 83 | 104 | 126 |
110 | 52 | 68 | 87 | 108 | 130 |
115 | 54 | 71 | 90 | 112 | 135 |
120 | 57 | 74 | 94 | 116 | 139 |
125 | 60 | 77 | 97 | 119 | 143 |
130 | 62 | 80 | 100 | 123 | 147 |
135 | 65 | 82 | 103 | 126 | 151 |
140 | 67 | 85 | 106 | 130 | 155 |
女性の体重別ミリタリープレス基準(kg)
バーベルの重量には、バーの重量が含まれ、通常は20 kg/44ポンドです。
体 重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
40 | 7 | 14 | 22 | 33 | 45 |
45 | 9 | 16 | 25 | 36 | 48 |
50 | 11 | 18 | 27 | 39 | 52 |
55 | 12 | 20 | 30 | 42 | 55 |
60 | 14 | 22 | 32 | 45 | 58 |
65 | 15 | 23 | 34 | 47 | 61 |
70 | 16 | 25 | 36 | 50 | 64 |
75 | 18 | 27 | 38 | 52 | 67 |
80 | 19 | 28 | 40 | 54 | 69 |
85 | 20 | 30 | 42 | 56 | 72 |
90 | 22 | 32 | 44 | 58 | 74 |
95 | 23 | 33 | 46 | 60 | 76 |
100 | 24 | 34 | 47 | 62 | 79 |
105 | 25 | 36 | 49 | 64 | 81 |
110 | 26 | 37 | 51 | 66 | 83 |
115 | 27 | 39 | 52 | 68 | 85 |
120 | 29 | 40 | 54 | 69 | 86 |
ミリタリープレスの効果を高めるコツ
ミリタリープレスはとても効果的なトレーニングですが、姿勢ややり方を間違えると、狙った筋肉に効かないこともあります。
そのため、コツをきちんと意識して行うことが大事です。
コツ①肘を伸ばし切らない
挙上した際に、肘を最後に伸ばし切らないことがコツです。
伸ばし切ると、肘関節で重量を支えるようになりますので、筋肉を使わなくなります。
少しだけ曲がった状態で終わりにすることが大事です。
こうすることで、ずっと筋肉に負荷をかけられますので、より効果の出るミリタリープレスとなります。
コツ②反動をつけず、ゆっくりの動作
脚や腰で反動を使わず、上げるときも下げるときも、ゆっくりの動作を心がけるのがコツです。
疲れてくると、バーベル自体の重さで下げたくなったり、勢いで上げたくなったりします。
そこは我慢して、力がしっかりと入った状態をキープできるよう、ゆっくりと動かしましょう。
コツ③体幹を締めて
腰が反らないように、気を付けて持ち上げます。
特に、元々反り腰の方は、体幹を意識して、腹筋に力を入れながら行います。
効果と発達する筋肉部位
ミリタリープレスは、幅広い筋肉に効果があるのがメリットです。
どの筋肉が発達するのかをチェックして、日々のトレーニングに取り入れましょう。
肥大化部位三角筋・上腕三頭筋・大胸筋上部が発達
肩回りの筋肉である三角筋を鍛えるのに優れた方法です。
同時に、上腕三頭筋にも効きます。
このあたりの筋肉が発達してくると、肩幅がぐっと広く見えてきますし、腕の太さが強調されるようになります。
また、大きな大胸筋の、特に上部が発達します。
肩周辺の視線が集まりやすい筋肉をまとめて鍛えられるというわけです。
効果①肩幅が大きくなりたくましい上半身
負荷のかかるバーベルを使いますので、よりがっしりとした三角筋や上腕三頭筋を手に入られるのがメリットです。
たくましい上半身のシンボルとも言える筋肉ですので、ここを効率よく鍛えられます。
効果②肩を使うスポーツパフォーマンスの向上
肩の関節に大きく作用している筋肉を鍛えられますので、いろいろな運動やスポーツにも効果的です。
より力強いスローイングができ、より伸びやかな動きを取れるようになります。
肩の動きを軽くすることができて、関節の可動域を広げるのにも役立ちます。
応用編
ミリタリープレスを応用したやり方もご紹介します。
三角筋や大胸筋を違った角度で攻めたい方はぜひこちらのトレーニング種目も参考にしてみてください。
また、女性や初心者で筋力がない方でも行える鍛え方もあります。
応用①バックプレス(三角筋、僧帽筋、上腕三頭筋)
後頭部にバーベルを下ろすバックプレス。
肩関節周辺の柔軟性を高めながら、三角筋や僧帽筋など背中の筋肉を鍛えるバックプレス。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×3セット (初心者向け) |
ポイント |
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効果 |
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応用②ダンベル ショルダープレス(上腕三頭筋、三角筋、大胸筋上部)
ミリタリープレスのバーベルをダンベルに変えて行う方法。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×3セット (初心者向け) |
ポイント |
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効果 |
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ダンベルショルダープレスの正しい方法・効果・注意点などのトレーニング詳細は、ぜひこちらも参考にしてください。
応用③アーノルド プレス(三角筋、上腕三頭筋)
アーノルド・シュワルツェネッガーが行っていたトレーニングにちなんでアーノルドプレスという。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×3セット (初心者向け) |
ポイント |
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効果 |
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おすすめの器具
ミリタリープレスを行うにあたって以下の器具が必要です。
その中でも私が使ってよかったと実感している器具を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ミリタリープレスで必要な器具 | |
ダンベル(可変式が便利)
バーベルを自宅でそろえるのは、場所もとりますし、値段もします。
そこで自宅で便利なのがダンベルです。
ダンベルは、重さが固定式のダンベルと可変式ダンベルがあります。
私が使用しているのは、可変式ダンベルです。
初心者にとって、ミリタリープレスの応用で紹介したショルダープレスダンベルやアーノルドプレスは、まずは軽い重量から行うことが大切です。
重さを手軽に変えられるのは、とても便利で継続してトレーニングに励みやすいものです。
また、上記で説明した「総負荷量」トレーニングにおいても重量負荷の増減は欠かせません。
そこで便利なのが可変式ダンベルです。
可変式のダンベルは簡単に重さを調節でき、複数のダンベルを置く必要がないので省スペース・省コストです。
自宅ジムをする方にはおすすめのダンベル器具です。
可変式ダンベルのおすすめも下の記事で紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
インクラインベンチ
ミリタリープレスも座って行うことができます。
座ると反ってしまう姿勢もカバーできますので、安定した体幹で上半身に意識を集中してミリタリープレスを行うことができます。
応用で紹介したダンベルを使ったショルダープレスも同様です。
ベンチ台も可変式ベンチ台が便利です。
ベンチ台の角度が調節できる方が汎用性があり、さまざまなトレーニングに活かすことができます。
デクラインダンベルフライ・デクラインベンチプレスのような下に傾斜をつけて、大胸筋下部をピンポイントに鍛えることができます。
自宅ジムをする方には下へ傾斜ができる可変式ベンチ台は、必須ですね。
可変式ベンチ台のおすすめも下記の記事で紹介していますので、こちらもチェックしてみてください。
グリップグローブ
器具を使う際に、グローブの着用を推奨しています。
グリップグローブは器具との滑りを防止してくれるため、安全に筋トレに励むことができます。
手汗で滑る心配もありません。
また、グリップ力が高いグローブをつけることで、余分な握力を使わず、狙った筋肉へトレーニングすることができます。
そして、何より手の平を守ってくれます。
グリップグローブを使わずに、筋トレや鉄棒などを行っていると、マメが出来たり、指や手の平の皮が硬くなってしまいます。
安全性と機能性を考えてグリップグローブを使用した筋トレをおすすめします。
お手頃で丈夫なグリップグローブのおすすめも紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
トレーニング後のケア
トレーニング後のストレッチケアも大切です。
疲労を残さないことが、長く続けられる秘訣です。
マッサージとストレッチの順番ですが、
基本的にマッサージを行ってから、ストレッチをした方が筋肉はほぐれます。
急に筋トレで縮んだ筋肉を伸ばすより、一旦、手でマッサージをしたり、フォームローラーを利用してほぐしてから、ゆっくりストレッチで伸ばしていきましょう。
今回ご紹介したトレーニングは、主に【肩・胸・腕】の筋肉です。
ミリタリープレスをした後の肩・胸・腕をしっかりケアしておきましょう。
腕のケア①★ローラーを使って上腕三頭筋の筋膜リリースほぐし
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_MVI_1076)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
セルフでほぐすのにはグリッドフォームローラーがおすすめです!
カラダの部位に合わせていろいろな使い方ができて、気持ちいいです!
背中をほぐす筋膜リリース
使い方、特徴、機能性など、もっと詳しく商品を知りたい方は、下のページで紹介していますので、参考に読んでみてください↓↓↓
肩のケア②肩関節から上腕三頭筋の筋肉を緩めるストレッチ
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#58)
姿勢 |
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方法 | |
回数 | 左右5回ずつ×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
肩のケア③三角筋のストレッチ
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#104)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント | |
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
安全と注意事項
ミリタリープレスは効率の良いトレーニング法ですが、重量のあるバーベルを使うということもあって、安全面に注意しないといけません。
一歩間違えるとケガにつながる恐れもありますので、注意点はきちんと理解した上で行うようにしましょう。
次の安全と注意事項は、ミリタリープレスを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- いきなり重いバーベルは絶対に使わないようにしましょう。
初めての場合は、ちょっと自分には軽いかな、と思えるくらいの重量からスタートします。
もしジムで鍛えているのであればトレーナーに聞き、そばでサポートしてもらいましょう。 - 勢いを付けてバーベルを上げ下げするのは厳禁です。
特に下げるときは、重さがあるのでついついスッと下ろしてしまいがちですが、ゆっくりと重さに対抗するようなイメージで下げます。
そうしないと筋肉に効かないですし、その重さに耐え切れず、バーベルを落としてしまうこともあるからです。 - 初心者の方は、特に安全面を考慮して軽いバーベルから始めて、肩関節に不必要なストレスをかけないようにします。
- バーベルを下ろす際はゆっくり下ろしましょう。
- 動きを制御し、上に上げた際にダンベルをカチンと叩かないようにしてください。ゆっくりと集中してエクササイズを行います。
- ミリタリープレス中に痛みや不快感を感じる場合は、運動を中止してください。
- 汗などで滑らないように、グリップを使用するのがおすすめです。
- 反動をつけて持ち上げないように気を付けましょう。
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