インクラインダンベルロウ
Incline dumbbell row
【概要】 | |
別名 チェスト サポート ダンベル ロー スタンダード(Chest Support Dumbbell Low Standard)またはインクラインダンベルローイング(incline dumbbell rowing) | |
ターゲット メイン:広背筋、僧帽筋 | |
レベル 中級から上級 | |
必要器具
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インクラインダンベルロウの基本的な方法と正しいフォーム・効果を高めるやり方のコツ・安全と注意事項・応用編(他の方法・初心者・女性でもできる方法)について詳しく解説していきます。
またインクラインダンベルロウは別名チェスト サポート ダンベル ロー スタンダード(Chest Support Dumbbell Low Standard)とも言われ、本記事では名前を統一して、「インクラインダンベルロウ」で解説していきます。
大きな背中に鍛え上げるにはもってこいのウエイトトレーニングです。
ぜひ参考にしてみてください。
基本的な方法
タップしてフィットネス動画を見る
インクラインダンベルロウは、ダンベルを利用して行うトレーニングです。
インクラインとは、傾いた状態で行うトレーニングです。
そのため、床やフラットベンチなどの角度がつけられない筋トレでは鍛えられない部位を鍛えられるようになります。
インクラインダンベルロウは、インクラインの体勢を作ることができるインクラインベンチを基本的に利用します。
スタートポジション
まずは、インクラインベンチの角度を30度~40度に設定しましょう。
そして、ベンチに身体を預けるようにうつ伏せにもたれかかるように座ります。
この時、なるべくお尻から首筋までがまっすぐと伸びるような体勢を心がけましょう。
インクラインベンチに座ったら、両手にダンベルを持ちましょう。腕を伸ばし切った状態がスタートポジションになります。
動作手順
ダンベルを持った両手を、肘を斜め後ろに引くイメージで引き上げてきます。
背中を鍛えることを目的としたトレーニングであるため、腕の力で持ち上げるというよりも、背中の筋肉を意識して持ち上げるようにするのがポイントです。
上まで持ち上げてきたら、ゆっくりと腕を伸ばして下までダンベルをおろす、この動作を繰り返します。
呼吸
筋肉の収縮時に息を吐き、伸びるときに息を吸うのが筋トレにおける基本の呼吸法となります。
そのため、ダンベルを引き上げる際に深く息を吸って、下におろす時にゆっくりと息を吐くようにすることで力をフルに発揮できます。
回数・セット数・重量
回数やセット数は、慣れれば増やしていくことをおすすめしますが、はじめのうちはやり方を覚えながら10回やりきることを目指しましょう。
やり方を覚えたら、まずは1セットを10回として、30秒のインターバルを挟みながら3セット、計30回を続けてできるようになりましょう。
重量は男性なら5キロ、女性なら3キロを目安にスタートして、慣れてきたら重量を上げてください。
オーバーワークにならないように、はじめは少し軽いかもと思える重量からスタートしましょう。
無理な重量で続けてしまうと、部位を痛めてしまう危険性もあります。
正しいフォームを意識して徐々に慣れていくことが大切です。
慣れてきたら、以下のように「総負荷量」で筋肥大を目指しましょう。
ちなみにですが、私の場合ですとインクラインダンベルロウは、以下のような総負荷量の回数でセットを組んでいます。
中級者以上の参考「総負荷量」 (回数・重量・セット数) | |
1セット | 12RM |
2セット | 9RM |
3セット | 6RM |
4セット | 3RM |
5セット | 6RM |
6セット | 18RM |
※「RM」とはRepetition Maximum(最大反復回数)の略語。
ある一定の重さに対し、何回反復できるかにより、自分の限界となる運動強度を判断する方法。
セット間のインターバル休憩時間については、こちらの記事も参考にしてください。
筋トレの頻度は週2を目安に行うことで筋肥大効果が得られます。
インクラインダンベルロウの重量の目安
それぞれ、以下のレベルの人を対象して、重量の目安表を示します。
- 初心者:1ヶ月以上トレーニングした人
- 初級者:6ヶ月以上トレーニングした人
- 中級者:2年以上トレーニングした人
- 上級者:5年以上トレーニングした人
- エリート:アスリート
なお、こちらのデータは海外のサイト「STRENGTH LEVEL (強度レベル)」を参照しました。また、こちらの数値は正しいフォームで1回だけ挙げられる最大重量(1RM)を示しています。
自分の体重とウェイトトレーニングの経験から、インクラインダンベルロウ重量の目安がわかります。
男性の体重別インクラインダンベルロウ基準(kg)
ダンベルの重量は1つのダンベル用で、バーの重量を含みます。通常は2 kg /4.4lbです。
体 重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
50 | 3 | 11 | 23 | 39 | 59 |
55 | 4 | 13 | 25 | 43 | 64 |
60 | 6 | 14 | 28 | 46 | 68 |
65 | 7 | 16 | 31 | 50 | 72 |
70 | 8 | 18 | 33 | 53 | 76 |
75 | 9 | 20 | 36 | 56 | 80 |
80 | 10 | 22 | 38 | 59 | 83 |
85 | 12 | 24 | 41 | 62 | 87 |
90 | 13 | 25 | 43 | 65 | 90 |
95 | 14 | 27 | 45 | 67 | 93 |
100 | 15 | 29 | 47 | 70 | 96 |
105 | 16 | 30 | 49 | 73 | 99 |
110 | 18 | 32 | 51 | 75 | 102 |
115 | 19 | 33 | 53 | 77 | 105 |
120 | 20 | 35 | 55 | 80 | 107 |
125 | 21 | 36 | 57 | 82 | 110 |
130 | 22 | 38 | 59 | 84 | 112 |
135 | 23 | 39 | 60 | 86 | 115 |
140 | 24 | 41 | 62 | 88 | 117 |
女性の体重別インクラインダンベルロウ基準(kg)
ダンベルの重量は1つのダンベル用で、バーの重量を含みます。通常は2 kg /4.4lbです。
体 重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
40 | 4 | 9 | 15 | 24 | 34 |
45 | 5 | 10 | 17 | 25 | 36 |
50 | 5 | 11 | 18 | 27 | 37 |
55 | 6 | 11 | 19 | 28 | 39 |
60 | 7 | 12 | 20 | 30 | 41 |
65 | 7 | 13 | 21 | 31 | 42 |
70 | 8 | 14 | 22 | 32 | 43 |
75 | 8 | 15 | 23 | 33 | 45 |
80 | 9 | 15 | 24 | 34 | 46 |
85 | 10 | 16 | 25 | 35 | 47 |
90 | 10 | 17 | 26 | 36 | 48 |
95 | 11 | 17 | 26 | 37 | 49 |
100 | 11 | 18 | 27 | 38 | 50 |
105 | 11 | 19 | 28 | 39 | 51 |
110 | 12 | 19 | 29 | 40 | 52 |
115 | 12 | 20 | 29 | 41 | 53 |
120 | 13 | 20 | 30 | 41 | 54 |
インクラインダンベルロウの効果を高めるコツ
インクラインダンベルロウはインクラインベンチとダンベルさえあれば、パーソナルトレーナーもなしで、自宅でも行えるトレーニングです。
インクラインダンベルロウの効果を最大限で高めるためには、どんなコツがあるのでしょうか。
効果を高めるトレーニング方法についてご紹介します。
コツ①肩甲骨を使ってダンベルを引き上げるイメージ
インクラインダンベルロウは背中の筋肉を鍛えるトレーニングです。
そのため、腕の力でダンベルを上げるのではなく、背中の筋肉である肩甲骨を使って上げることを意識しましょう。
肩甲骨を寄せると背中の筋肉を使ってダンベルが上がります。
この際、なるべく肘を高く上げることをイメージすればより背中の筋肉を使いやすくなります。
コツ②姿勢は維持しておく
胸を張って背中はそらす、この体勢を維持してトレーニングを行うことで、背中の筋肉をしっかりと使うことができます。
トレーニング中はこの体制を維持するようにしましょう。
コツ③脇はしっかりと締める
脇が開いてしまうと、肩の三角筋の負荷が逃げていきます。
負荷を与え続けるために、ダンベルを上げる際には脇を意識的に締めておくようにしましょう。
効果と発達する筋肉部位
インクラインダンベルロウによって発達する部位と、それによって期待できる効果についてご紹介します。
肥大化部位広背筋や僧帽筋が発達する
インクラインダンベルロウは背中の筋肉を中心に鍛えられるトレーニングです。
そのため、背中に大きく広がる筋肉である広背筋がもっとも鍛えられます。
そして、首筋から肩にかけて発達する僧帽筋という筋肉にも刺激を与えられるため、発達が期待できます。
どちらも肩の大きな筋肉であるため、効果は実感しやすいものとなっています。
また、背骨に沿った起立筋を発達させる効果もあります。
効果①逆三角形の背中を作れる
背中の大きな筋肉である広背筋や僧帽筋を鍛えると、筋肉の発達した逆三角形の大きな背中を作ることができます。
筋トレをする上で背中の逆三角形を作ることが目標となっている人も多いでしょう。
そのような方は、インクラインダンベルロウを意識して行いましょう。
効果②脂肪燃焼効果の向上
僧帽筋は、上半身の大きな筋肉です。
インクラインダンベルロウで鍛えることによって発達すると、その分脂肪燃焼効果も高まります。
これによって、引き締まった身体をより効率よく作れるようになります。
効果③起立筋の発達で背中の溝ができる
起立筋が発達すると、背中の溝がくっきりとあらわれます。
溝がくっきりとしていると、外観としてもガッシリとしたイメージになり、見た目を大きく変化させることができます。
応用編
インクラインダンベルロウを応用したやり方もご紹介します。
広背筋や僧帽筋を違った角度で攻めたい方はぜひこちらのトレーニング種目も参考にしてみてください。
また、女性や初心者で筋力がない方でも行える鍛え方もあります。
応用①ベントオーバーダンベルロウ(広背筋)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×3セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当筋トレ効果のある筋肉各種 |
応用②ダンベルロウ(ワンハンドローイング)(広背筋)
ワンハンドローイングとも呼ばれ、ダンベルとインクラインベンチを使って広背筋を違った角度から鍛える方法です。
簡単でありながら効果が期待できるトレーニング方法であり、背筋強化にも適しています。
僧帽筋はもちろん、肩や脇の下も鍛えることができます。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×3セット |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用③ベントオーバーロウ バーベル編(広背筋)
ベントオーバーロウと同様な効果でバーベルを用いて行うこともできます。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×3セット (初心者向け) |
ポイント |
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効果 |
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応用④Tバーロー
バーベルを用いた背中を鍛える筋トレです。
Tローバーは脇を広げる調整が難しいため、広背筋をメインで鍛えるのに最適な種目です。
また、ベントオーバーロウ以上に上腕二頭筋にも作用します。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×3セット (初心者向け) |
ポイント |
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効果 |
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応用⑤初心者や女性でもできる椅子を使ったインクラインダンベルロウ
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_IMG_3706)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
おすすめの器具
インクラインダンベルロウを行うにあたって以下の器具が必要です。
その中でも私が使ってよかったと実感している器具を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ダンベル
ダンベルは、重さが固定式のダンベルと可変式ダンベルがあります。
私が使用しているのは、可変式ダンベルです。
インクラインダンベルロウは、レベルや体重によって、複数の重さが必要になります。
「総負荷量」トレーニングにおいても重量負荷の増減は欠かせません。
そこで便利なのが可変式ダンベルです。
可変式のダンベルは簡単に重さを調節でき、複数のダンベルを置く必要がないので省スペース・省コストです。
自宅ジムをする方にはおすすめのダンベル器具です。
可変式ダンベルのおすすめも下の記事で紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
ベンチ台(インクラインベンチ)
ベンチ台もインクラインベンチ(可変式)が便利です。
ベンチ台の角度が調節できる方が汎用性があり、さまざまなトレーニングに活かすことができます。
インクラインダンベルロウのようなベンチに傾斜をつけて、広背筋・僧帽筋をピンポイントに鍛えることができます。
自宅ジムをする方には下へ傾斜ができるインクラインベンチ(可変式ベンチ台)は、必須アイテムと言えるでしょう。
インクラインベンチのおすすめも下記の記事で紹介していますので、こちらもチェックしてみてください。
グリップグローブ
器具を使う際に、グローブの着用を推奨しています。
グリップグローブは器具との滑りを防止してくれるため、安全に筋トレに励むことができます。
汗でダンベルを落としてしまうなどの事故防止にもつながります。
また、グリップ力が高いグローブをつけることで、余分な握力を使わず、狙った筋肉へトレーニングすることができます。
そして、何より手の平を守ってくれます。
グリップグローブを使わずに、筋トレや鉄棒などを行っていると、マメが出来たり、指や手の平の皮が硬くなってしまいます。
安全性と機能性を考えてグリップグローブを使用した筋トレをおすすめします。
お手頃で丈夫なグリップグローブのおすすめも紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
トレーニング後のケア
トレーニング後のストレッチケアも大切です。
疲労を残さないことが、長く続けられる秘訣です。
ケア方法として、マッサージとストレッチの順番もポイントです。
基本的にマッサージを行ってから、ストレッチをした方が筋肉はほぐれます。
急に筋トレで縮んだ筋肉を伸ばすより、一旦、手でマッサージをしたり、フォームローラーを利用してほぐしてから、ゆっくりストレッチで伸ばしていきましょう。
今回ご紹介したトレーニングは、主に【背中】の筋肉です。
インクラインダンベルロウをした後の広背筋、僧帽筋をしっかりケアしておきましょう。
背中のケア①ローラーを使って広背筋の筋膜リリース
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_MVI_1075)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
セルフでほぐすのにはグリッドフォームローラーがおすすめです!
カラダの部位に合わせていろいろな使い方ができて、気持ちいいです!
背中をほぐす筋膜リリース
使い方、特徴、機能性など、もっと詳しく商品を知りたい方は、下のページで紹介していますので、参考に読んでみてください↓↓↓
首のケア②ローラーを使って僧帽筋リリース
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#31)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
背中のケア③背中のストレッチ(僧帽筋、広背筋を伸ばす)
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#38)
姿勢 |
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方法 | |
回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
安全と注意事項
インクラインダンベルロウは、すべてのレジスタンスエクササイズと同様に、効果と安全性のために正しいフォームとテクニックを必要とします。
ウエイト器具を使いますので、より注意をしながら行ってください。
次の安全と注意事項は、インクラインダンベルロウを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- 初心者の方は、特に安全面を考慮して必ず軽いダンベルから始めましょう。一度試しに持ってみて、重いなと感じるようなら、一段重量を下げて始めます。オーバーワークにならないように、最初はちょっと軽いかも、という程度からスタートした方が安全です。
- 背中や腰にダメージを与えることもありますので、猫背もしくは反り腰にならないように、姿勢には気を付けましょう。
- 鏡を見たり、トレーナーにチェックしてもらったりして、正しいフォームを意識して行いましょう。
- 反動をつけて持ち上げないように気を付けましょう。
- インクラインダンベルロウ中に痛みや不快感を感じる場合は、運動を中止してください。
- 汗などで滑らないように、グリップを使用することをおすすめします。
- 反動をつけて持ち上げないように気を付けましょう。
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