フルスクワット
full squat
【概要】 | |
別名 体重スクワットまたは自重スクワット(body weight squat) | |
ターゲット メイン:大殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングス(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋) | |
レベル 初級から中級 | |
必要器具
|
下半身を鍛えるトレーニングとして広く知られているのがスクワットです。スポーツジムに行くこともなく、自宅で手軽にトレーニングできるので、忙しい方でも続けられるでしょう。こちらのトレーニングにはハーフやパラレルなど、いろいろな種類があります。今回紹介するフルスクワットは、深くしゃがみ込んで地面を押し上げる形のトレーニングで、筋肉により大きな負荷をかけられます。
フルスクワットの基本的な方法と正しいフォーム・効果を高めるやり方のコツ・安全と注意事項・応用編(他の方法・初心者・女性でもできる方法)について詳しく解説していきます。
またフルスクワットはバーベルを用いない場合は、体重スクワットまたは自重スクワット(body weight squat)とも言われ、本記事ではバーベルを用いたウェイトトレーニングとして、「フルスクワット」を解説していきます。
SNSやブログ等で紹介してもらえるとうれしいです。
基本的な方法
タップしてフィットネス動画を見る
下半身に大きな効果が期待できるトレーニングではありますが、正しいやり方で行わないと、思っている筋肉に適切な刺激を与えられません。
やみくもに行うのではなく、まずは正しいやり方をマスターしてからトレーニングを行ったほうが、効率的に下半身の筋力を強化できます。
スタートポジション
正しいスタートポジションを理解しましょう。
バーベルをラックから取り出して、背中の上部に乗せます。手の位置は、バーベルをしっかりとホールドできる程度に調整します。
両足は肩幅程度に開いてください。
つま先はやや外側に向くように立ちましょう。
ここから体を沈めることで、下半身を鍛えていきます。
動作手順
スタートポジションからしゃがむことで、下半身の筋肉に負荷をかけていきます。
お尻が膝よりも低くなるところまで、深くしっかりしゃがみましょう。
このとき、骨盤を前傾させたままでしゃがんでください。
骨盤の位置をイメージしにくければ、肛門を後ろに向けるような動きをすると、前傾しやすくなります。
また、外くるぶしの位置についても、初心者は鏡などを見ながら確認するといいです。
肩から垂直に下ろした延長線が外くるぶしの前方に来るように、姿勢を調整してください。
続いて、かかとに全体重を荷重するように姿勢を変えましょう。
しゃがみこんだら、また元のスタートポジションの姿勢に戻ります。
このとき、背筋は伸ばした状態で、脛と上体が平行になるように起こすといいでしょう。
呼吸
トレーニングをする際には、呼吸も意識してください。
正しい呼吸法でトレーニングをすると、フォームも乱れにくくなります。
フルスクワットの場合には、ひざを曲げるときに息を吸い込みます。
そして、スタートポジションに戻るときには息を吐き出しましょう。
深呼吸のように、ゆっくり吸い込んで吐き出すことを意識すると、動きもゆっくりになります。
すると、下半身によりしっかりと負荷をかけられるので、筋力もより強化できます。
回数・セット数・重量
初心者であれば、1セット10回、1日3セットを目標にトレーニングしましょう。
もし10回行うのが厳しければ、無理のないペースでこなしてください。まずは、正しいフォームを意識して続けることが重要です。
体力がついてきて慣れてきたら、10回を目標にトレーニングすれば問題ありません。
以下のように「総負荷量」で筋肥大を目指しましょう。
ちなみにですが、私の場合ですとフルスクワットは、以下のような総負荷量の回数でセットを組んでいます。
中級者以上の参考「総負荷量」 (回数・重量・セット数) | |
1セット | 12RM |
2セット | 9RM |
3セット | 6RM |
4セット | 3RM |
5セット | 6RM |
6セット | 18RM |
※「RM」とはRepetition Maximum(最大反復回数)の略語。
ある一定の重さに対し、何回反復できるかにより、自分の限界となる運動強度を判断する方法。
セット間のインターバル休憩時間については、こちらの記事も参考にしてください。
筋トレの頻度は週2を目安に行うことで筋肥大効果が得られます。
フルスクワットの重量の目安
それぞれ、以下のレベルの人を対象して、重量の目安表を示します。
- 初心者:1ヶ月以上トレーニングした人
- 初級者:6ヶ月以上トレーニングした人
- 中級者:2年以上トレーニングした人
- 上級者:5年以上トレーニングした人
- エリート:アスリート
なお、こちらのデータは海外のサイト「STRENGTH LEVEL (強度レベル)」を参照しました。また、こちらの数値は正しいフォームで1回だけ得られる強度基準(1RM)を示しています。
自分の体重とウェイトトレーニングの経験から、フルスクワット回数の目安がわかります。
男性の体重別フルスクワット基準(kg)
体 重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
50 | 33 | 52 | 76 | 104 | 136 |
55 | 40 | 60 | 86 | 116 | 149 |
60 | 47 | 68 | 95 | 127 | 161 |
65 | 53 | 76 | 104 | 137 | 173 |
70 | 59 | 83 | 113 | 147 | 184 |
75 | 66 | 91 | 122 | 157 | 195 |
80 | 72 | 98 | 130 | 166 | 205 |
85 | 78 | 105 | 138 | 175 | 215 |
90 | 83 | 112 | 146 | 184 | 225 |
95 | 89 | 118 | 153 | 192 | 234 |
100 | 95 | 125 | 160 | 201 | 243 |
105 | 100 | 131 | 168 | 209 | 252 |
110 | 106 | 137 | 174 | 216 | 260 |
115 | 111 | 143 | 181 | 224 | 269 |
120 | 116 | 149 | 188 | 231 | 277 |
125 | 121 | 155 | 194 | 238 | 284 |
130 | 126 | 160 | 201 | 245 | 292 |
135 | 131 | 166 | 207 | 252 | 299 |
140 | 136 | 171 | 213 | 259 | 307 |
女性の体重別フルスクワット基準(kg)
体 重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
40 | 17 | 31 | 51 | 75 | 101 |
45 | 20 | 36 | 56 | 81 | 109 |
50 | 23 | 39 | 61 | 87 | 115 |
55 | 26 | 43 | 65 | 92 | 122 |
60 | 29 | 47 | 70 | 97 | 128 |
65 | 32 | 50 | 74 | 102 | 133 |
70 | 34 | 53 | 78 | 106 | 138 |
75 | 37 | 56 | 81 | 111 | 143 |
80 | 39 | 59 | 85 | 115 | 148 |
85 | 41 | 62 | 88 | 119 | 152 |
90 | 44 | 65 | 91 | 123 | 157 |
95 | 46 | 68 | 95 | 126 | 161 |
100 | 48 | 70 | 98 | 130 | 165 |
105 | 50 | 73 | 101 | 133 | 169 |
110 | 52 | 75 | 103 | 136 | 172 |
115 | 54 | 77 | 106 | 140 | 176 |
120 | 56 | 80 | 109 | 143 | 179 |
フルスクワットの効果を高めるコツ
基本的なトレーニング方法をマスターしたところで、より効果を挙げるために押さえておきたいポイントがいくつかあります。
以下で紹介するポイントを意識しながらトレーニングすれば、より大きな効果を短期間でも得られるかもしれません。
コツ①目線はまっすぐ

目線はまっすぐ
こちらのトレーニングを行う際には、目線をまっすぐするように意識しましょう。
中にはトレーニングを続けていくうちに、だんだん目線が下がってしまう人も少なくありません。
しかし、目線が下がるとどうしても背中が丸まってしまいます。
すると、下半身以外のところに負担がかかり、思うような筋力アップの効果が得られません。
トレーニングする際には目線はまっすぐで変えないようにして、胸を張るように意識することが大事です。
もしフォームが崩れているようであればいったん中断し、休憩をとるのがおすすめです。
コツ②膝は前に出さない

膝は前に出さない
しゃがみこむときに膝がつま先よりも前に出ていないか、鏡などを見て意識してください。
膝が前に出すぎてしまうと、関節に必要以上に大きな負荷がかかってしまいます。
もしなかなかうまくできなければ、体を沈めるときに膝を曲げるのではなく、お尻を突き出すようにしてみましょう。
もしくは前にしゃがんだときに、両手を伸ばすのもおすすめです。こうすればバランスが崩れにくくなり、安定した状態でトレーニングできるからです。
コツ③腹式呼吸を心がける

腹式呼吸
トレーニングする際には腹式呼吸を意識しましょう。
つまり、息を吸うときにはお腹を膨らませ、息を吐き出す際にはお腹をへこませる呼吸法を意識することです。
このような呼吸を意識することで、腹圧がかけられます。
腹圧をかけると骨盤や背中が動きにくくなり、正しいフォームを保持しながらトレーニングを続けられるわけです。
ハーフスクワットとの違い

ハーフスクワット
ハーフスクワットとの違いは体の沈め方にあります。
フルスクワットの場合、太ももが床に対して平行になる、もしくはそれ以上にしゃがんで行うトレーニングになります。
大腿四頭筋や大殿筋、ハムストリングスの筋肉を大きく収縮させ、その反動を利用して、体の上げ下げを行うトレーニングです。
一方、ハーフスクワットの場合は、太ももが床に対して平行になる前に元のポジションに戻すトレーニング法です。
ハーフのほうがしゃがみ方が浅いので、ひざにかかる負荷が少ないようなイメージがあるでしょう。
しかし、実際のところ、両者を比較するとハーフのほうが膝にかかる負荷が大きくなりますので、注意してください。
効果と発達する筋肉部位
トレーニングをする際には、どの筋肉に効いているのかを意識することも大事です。どの筋肉に刺激を与えているのかを意識しながらトレーニングをやったほうが、より大きな効果が挙げられます。
肥大化部位大殿筋、大腿四頭筋やハムストリングスが発達する

大殿筋
こちらのトレーニングの魅力は、下半身の筋肉を広範囲にわたって一度に鍛えられる点です。
太ももの表側を構成する大腿四頭筋、裏側を形成するハムストリングス(大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋)、お尻にある筋肉の大殿筋です。
効率よく下半身の筋肉を鍛えられるので、様々な恩恵を受けられる可能性があります。
大殿筋や大腿四頭筋の機能について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考に読んでみてください。
効果①足腰を強化できる
太ももやお尻の筋肉を強化できるので、足腰がトレーニング前と比較して強くなります。
ランニングやウォーキングなど、脚力を使うトレーニングを長時間続けたとしても、以前と比較して疲労を感じにくくなるはずです。
さらに、瞬発的にパワーを発揮する能力も強化されます。
スポーツを行っている人は、今までよりも優れたパフォーマンスを発揮できるかもしれません。
効果②基礎代謝がアップする
下半身には大きな筋肉が集中しています。
全身の70%の筋肉が集まっていると言われるほどです。
筋肉は何もしていなくても、大きなカロリーを消費します。
生命を維持するための活動で消費されるエネルギーのことを基礎代謝と言いますが、大きな筋肉を鍛えることで基礎代謝の力も向上します。
基礎代謝がアップすれば、何もしていなくてもより大量のエネルギーを消費するので、その結果、やせやすく太りにくい体質を獲得できます。
いつまでも今の体験を維持したいと思っているのであれば、おすすめのトレーニングです。
下半身を鍛えて効率よく身体を引き締める根拠を示した記事も合わせてご覧ください。
応用編
フルスクワットを応用したやり方もご紹介します。
大殿筋や大腿四頭筋、ハムストリングスを違った角度で攻めたい方はぜひこちらのトレーニング種目も参考にしてみてください。
また、女性や初心者で筋力がない方でも行える鍛え方もあります。
応用①ハーフスクワット
ハーフスクワットとは、通常のスクワットと比べて膝を曲げる深さが半分になります。

ハーフスクワット
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 10回×3セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
|
効果 |
当筋トレ効果のある筋肉各種 |
応用②ポーズスクワット
ポーズスクワットとは、スクワットでしゃがんだ一番ボトムの時点で少し2秒程度は静止するトレーニング方法のことです。
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 10回×3セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
|
効果 |
当筋トレ効果のある筋肉各種 |
応用③ブルガリアンスクワット
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#Q_IMG_4023)
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
|
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
応用④ワイドスクワット
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#36)
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
|
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 #薄筋 #長内転筋 #大内転筋 #短内転筋 |
応用⑤レッグプレス
レッグプレス(leg press)レッグプレスマシンを利用して行う筋トレです。
脚の伸展時に負荷がかかり、大腿四頭筋、下腿三頭筋、ハムストリングス、大殿筋をターゲットとして鍛えます。
姿勢 | ベンチに深く座りお尻が浮かないようにします。 両足は、肩幅と同じくらいに開きます。上半身は胸を張り、取っ手を握り、体を安定させます。 |
方法 |
|
回数 | 10~20回を1セットとし、2~3セット |
ポイント |
|
効果 |
|
応用⑥女性や初心者でもできるスクワット
レグール スクワット中級編|美脚エクササイズ
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_IMG_3610)
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 8回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
|
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
骨盤やお尻の筋肉を引き締めてスタイルアップを目指すレグールについて詳しく知りたい方はこちらもチェック!
おすすめの器具
フルスクワットを行うにあたって以下の器具が必要です。
その中でも私が使ってよかったと実感している器具を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
フルスクワットで必要な器具 | |
トレーニングマット
フルスクワットに限らず、自宅で筋力トレーニングを行うためにトレーニングマットは必須アイテムと言えます。
からだへの負担を軽減し、正しいフォームで筋力トレーニングが行えるからです。
フルスクワットの場合、足の裏と密着して汗などで滑るのを防止してくれます。
トレーニングに集中できますし、怪我の防止にもつながります。なにより安定したフォームで行えて、効果が得られやすいでしょう。
さらに、自宅の床を傷から守ってくれます。
厚みのあるトレーニングマットを使用すれば、防音効果も期待できます。集合住宅にお住まいの方も騒音を心配することなくトレーニングが行えますね。
これから自宅トレーニングを続けていく方には、ぜひ手に入れてもらいたいアイテムです。
トレーニング後のケア
トレーニングと同じくらいストレッチケアも大切です。
効果を最大限に得るため、また、疲労を残さないことで長く続けられるのもポイントです。
ケア方法として、マッサージとストレッチの順番も重要です。
基本的にマッサージを行ってから、ストレッチをした方が筋肉はよくほぐれます。
筋トレで縮んだ筋肉を急に伸ばすより、手でマッサージをしたり、フォームローラーを利用してほぐしてからゆっくりストレッチで伸ばしていきましょう。
今回ご紹介したトレーニングは、主に【太もも】の筋肉です。
フルスクワットをした後の大腿四頭筋、ハムストリングスをしっかりケアしておきましょう。
太もものケア①大腿四頭筋の筋膜リリース!太ももの前側をローラーストレッチ
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_MVI_1065)
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 片脚10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
|
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
セルフでほぐすのにはグリッドフォームローラーがおすすめです!
カラダの部位に合わせていろいろな使い方ができて、気持ちいいです!

背中をほぐす筋膜リリース
使い方、特徴、機能性など、もっと詳しく商品を知りたい方は、下のページで紹介していますので、参考に読んでみてください↓↓↓
裏もものケア②ハムストリングスの筋膜リリース!太ももの裏側をローラーストレッチ
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#R_MVI_1069)
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 左右10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
|
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
北野 優旗
セルフでほぐすのにはグリッドフォームローラーがおすすめです!
カラダの部位に合わせていろいろな使い方ができて、気持ちいいです!

背中をほぐす筋膜リリース
使い方、特徴、機能性など、もっと詳しく商品を知りたい方は、下のページで紹介していますので、参考に読んでみてください↓↓↓
お尻のケア③寝転がって固まったお尻筋を伸ばすお尻ストレッチ!
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#99)
姿勢 |
|
方法 |
|
回数 | 左右15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
|
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
安全と注意事項
フルスクワットは、すべてのレジスタンスエクササイズと同様に、効果と安全性のために正しいフォームとテクニックを必要とします。
次の安全と注意事項は、フルスクワットを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- 膝をつま先より前に出さないように意識し、膝関節に不必要なストレスをかけないようにします。
- 目線を前に向けて背中が丸まらないように注意します。可能であれば胸を張って行います。
- 反動をつけてからだを持ち上げないように気を付けます。ゆっくりと集中してエクササイズを行いましょう。
- フルスクワット中に痛みや不快感を感じる場合は、運動を中止してください。
- 汗などで滑らないように、トレーニングマットを使用することをおすすめします。
コメント