基本的な方法と正しいフォーム・やり方のコツ・安全と注意事項・応用編について詳しく解説していきます。
また船のポーズは舟のポーズとも表記され、V字のポーズとも言われますが、本記事ではポーズの名前を「船のポーズ」に統一して解説していきます。
SNSやブログ等で紹介してもらえるとうれしいです。
基本的な方法
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船のポーズは、体をV字にしてバランスをとるポーズです。お尻で支えながら腹筋・背筋をつかってキープするため、難易度が高く難しいポーズになります。
サンスクリット語で「ナヴァ」とは「船」の意味があり、「Boat Pose」とも呼ばれているとおり、体が船のように見えることが由来のポーズです。
脚を上げるためのインナーマッスル・腹筋強化に効果があります。バランス力やスタミナを養いたい方にもオススメです。
初心者の方に限らず、バランスがとれずに転がってしまう・脚が上がらない・膝が伸びきらない、など、苦手な方が多いポーズでもあります。
コツや軽減法を見ながら、あきらめずにチャレンジしてみましょう!
基本的な動作手順や呼吸についても参考にしてくださいね。
動作手順と呼吸
- 長座になります。
- 両膝を立てて、足先を浮かせます。
- 腰が丸まらないように背筋を伸ばし、背中を傾かせて重心を後ろへ移していきます。
- すねがマットと平行になるまで両脚を上げます。
- 顎はひいて、目線は足先に、両手は脚の横でまっすぐ伸ばすかもも裏に添えましょう。
- 膝を伸ばして可能な範囲で足先を天井へ上げていきます。足先までしっかり伸ばしましょう。
- 呼吸を繰り返しながら5呼吸ほどキープします。
- ポーズを解放したら長座に戻りましょう。
船のポーズの効果を高めるコツ
船のポーズはきちんとコツを押さえておかないと、せっかくのヨガトレーニングの効果が下がってしまうこともあります。
フォームには気を付けましょう。
コツ①背筋が丸くならないようまっすぐを意識
脚を上げようと腹筋にばかり集中すると、上半身が力んでしまい腰や背中が丸まってしまう原因につながります。
腰が丸まらないように背筋をしっかり伸ばして行いましょう。骨盤を立てて、腰から始まり背中~頭頂部まで一直線になるのが理想です。
体幹をまっすぐ保つためにも、腹筋と背筋を同時に使いながらキープすることを意識してください。
上半身は肩の力抜いてリラックスした状態で行いましょう。
コツ②腸骨筋を意識し鍛える
脚が上がらない・脚を胸に引き寄せられない方は「腸骨筋」の働きが不十分な可能性が高いです。「腸骨筋」は上半身と下半身をつなぐ重要なインナーマッスルで、膝や太ももを持ち上げる役割を持っています。
脚をきちんと上げられるようになるために、腸骨筋を鍛えることはかかせない要素になります。
腸骨筋を鍛えたい方にオススメのポーズは応用③にて紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
膝の裏が伸びない場合は、裏もものハムストリングスやお尻の筋肉が硬いことが考えられます。ストレッチでほぐしてあげましょう。
コツ③土台のお尻を安定させる
船のポーズはお尻で体を支えます。ポーズに入る前に、お尻でしっかりと土台を作っておきましょう。
お尻を左右に揺らして、坐骨(座ったときにいちばん下になる骨盤の左右の骨)をしっかりマットにつけ、体重を坐骨と尾骨(背骨のいちばん下の骨)の3点に分散させます。
それでもバランスが取りづらい場合は、骨盤を左右前後に揺らして軸が安定する角度を探してあげてください。
また、厚みのあるブランケットの上で行うと安定感が増します。やせ型の方で、お尻が痛む場合もブランケットやタオルを敷くといいですよ。
コツ④特に下腹部の筋肉を意識
船のポーズでいちばん重要なのが腹筋(特に下腹部)です。ポーズをキープするのにもかかせませんし、下腹部の力が抜けてしまうと腰を痛める原因につながってしまいます。
おへそから下のお腹をしっかりと締めて、恥骨(おへその下あたりに位置する骨)をおへそに引き上げてキープすることが重要です。また、みぞおちも引き上げるイメージで行うと良いでしょう。
脚が上げづらい方やお腹の筋肉が震え続けてしまう方は、インナーマッスルをうまく使えていない可能性も考えられます。息を吐きながらお腹をへこませる呼吸法をしっかりと行いましょう。
また、応用編にて船のポーズができない方向け①を実践してみてください。
船のポーズの効果
船のポーズは、とくに腹筋強化に秀でたお腹痩せポーズです。「腹直筋・腹斜筋・腹横筋」を同時に鍛えることができます。
次に「腸骨筋」の効果として、姿勢や前ももの張りを改善してくれて、全身のシルエットを整えてうつくしくしてくれる効果も期待できます。
体力不足が心配になってきた方、痩せにくくなってきたと感じる方、集中力が落ちてきた思う方にもオススメです。
効果①ぽっこり下腹を引き締める
船のポーズでいちばんの効果は、腹筋強化です。お腹の大部分を覆う「腹直筋」・内腹斜筋と外腹斜筋からなる「内腹斜筋・外腹斜筋」・呼吸を意識して行うことで「腹横筋」すべての筋肉が同時に鍛えられます。
特に下腹部に力を入れるので、ズボンからはみ出てしまう下腹のお肉がスッキリし、さらに筋肉の形が分かるほど引き締まったお腹に近づくことができます。いわゆる「腹筋が割れている」状態ですね。
「内腹斜筋・外腹斜筋」を鍛えることは横腹にも効果的なので、くびれたウエストを手に入れたい方にもオススメです。
お腹の筋肉を使うことで、内部を温めて刺激し、お通じを促してくれる効果も期待できます。
効果②ボディラインをうつくしく
「 腸腰筋(腸骨筋・大腰筋・小腰筋)」は上半身と下半身をつなぐだけでなく、骨盤を支えてくれる筋肉でもあります。鍛えることで骨盤が安定し、反ってしまった腰や丸まってしまった背中を正しい位置に戻してくれます。
きちんと鍛えて正しく使えるようになると、余計な力を使わずに脚を上げることができるので、気になる前ももの張りもスッキリ!
ポーズをキープするために自然と背筋も鍛えられていくので、正しくなった姿勢を維持してくれる効果も期待できます。
姿勢を改善、気になっていた前ももの張りもスッキリして、全身のラインが整ったうつくしい立ち姿になりますよ。
効果③スタミナのある瘦せ体質に
まず、効果②でお話した姿勢の改善が基礎代謝量の向上を手助けしてくれます。筋肉量が増えることにより基礎代謝量がさらにアップして、同じ運動量でも消費エネルギーが高くなっていくのです。
つまり、脂肪が燃えやすく太りにくい体質にしてくれるうえに、スタミナ力のアップにもつながるので疲れにくい体にしてくれます。
体力があって痩せやすい体質だとプライベートも楽しくなり、運動へのモチベーションにつながりますよ。
効果④バランス力&集中力アップ
インナーマッスルを鍛えることで体幹が安定し、バランス感覚が向上します。スポーツのパフォーマンス向上だけでなく、日常生活においても転倒防止などにつながる大切な機能です。
また、船のポーズは体をキープするために集中力を必要とします。続けていくことで、ひとつのことに意識を向けて持続させる力が養われていきますよ。
船のポーズは、このバランス感覚と集中力のふたつを同時にアップさせてくれる一石二鳥のポーズといえます。
応用編
他にも船のポーズを応用したやり方をご紹介します。
今回の応用①・②は難易度も負荷も高いポーズになります。応用③は船のポーズをサポートしてくれるポーズです。
軽減法は2パターンご紹介いたします。
船のポーズはそもそも上級ポーズなので、無理をせず、軽減法を参考にしてくださいね。
応用①ねじった船のポーズ
船のポーズからねじり(ひねり)を加えたポーズです。
お腹をねじる(ひねる)ことで、お腹痩せ効果はもちろん内臓の働きをアップさせてくれます。
難易度はさらに高くなるので、ご自身のペースに合わせてチャレンジしてみましょう。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 3~5呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用②脚を上げ下げする船のポーズ
後ろに肘をつき、脚を伸ばしたまま上下に動かすポーズです。
より腹直筋にフォーカスを当てたトレーニングで、筋肉が収縮する感覚を意識して行いましょう。
脚を床ギリギリまで下げると効果アップ&両脚を閉めて行うと内転筋にも効きますよ。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10~12呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用③木のポーズ
船のポーズが難しい方は腹筋だけでなく、脚を上げるために必要な筋肉「腸腰筋」のトレーニングも必要です。
木のポーズは、腸腰筋のほかにバランスをとるための体幹強化にも効果があります。
2つのポーズを平行して行い、きれいなヨガポーズを完成させましょう。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~7呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
船のポーズができない方向け①膝を曲げた船のポーズ
船のポーズの姿勢がつくれない方に、今回は2パターンの軽減法をご紹介いたします。
まず、膝を曲げたまま行うことで腰への負担を減らすポーズです。
下腹部に力を入れる感覚を意識し、養うことに特化しています。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~8呼吸 |
ポイント |
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船のポーズができない方向け②ヨガベルトを使った船のポーズ
次はヨガベルトを使ってサポートするポーズです。
腰が丸まってしまったり、後ろへ転がってしまう方はヨガ専用道具を使うことをお勧めします。
無理に脚を伸ばさなくても大丈夫です。膝は軽く曲がったままでもOKなので、腸腰筋を正しく働かせてあげましょう。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~8呼吸 |
ポイント |
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安全と注意事項
船のポーズは、すべてのレジスタンスエクササイズと同様に、効果と安全性のために正しいフォームとテクニックを必要とします。
次の安全と注意事項は、船のポーズを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- 腰にトラブルを抱えている場合は無理に行わないでください。
- 背中、首に違和感を感じる場合は中止してください。
- ポーズを行う前、ポーズ解放する際にゆっくりと動作するように注意してください。
- コツや軽減法を参考にしながら、角度を緩めたり、見直してください。
- 無理にポーズを完成させようとせず、ご自身の体と相談しながら行ってください。ヨガベルトを使用しての軽減法をおすすめします。
- 体に負担がかかりすぎないように長時間は行わないようにしてください。
- ヨガは他人と比べるものではありません。ご自身のペース、呼吸でリラックスして行いましょう。
- 船のポーズ中に痛みや不快感を感じる場合は、すぐに運動を中止してください。
- 船のポーズを行ってよいかどうか不安を感じる場合は、ご自身で判断せず、かかりつけ医にご相談ください。
- ヨガマットの使用をおすすめします。
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