【名称】上後鋸筋
【よみ】じょうこうきょきん
【英語名称】Serratus posterior
背中にある上後鋸筋(じょうこうきょきん)について、どんな役割を持っているか詳しく解説します。
ストレッチの方法やメリットも参考にしてください。
目次
上後鋸筋とは
上後鋸筋は、棘肋筋の1種です。
棘肋筋とは、背中にある棘腕筋と棘背筋との間にある筋肉のことです。
上後鋸筋の位置(起始停止)
上後鋸筋は、肋骨から背骨にかけて僧帽筋の下深層に位置する筋肉(インナーマッスル)です。
具体的には、頸椎と胸椎の棘突起から始まり、外側に向かって肋骨までの間にあります。
上後鋸筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#52)
大変薄い筋肉で、複数の肋骨に枝分かれしているように見えます。
ちょうど鋸の歯のような形に見えることが、名称の由来になっています。
起始 | 第6、7頚椎と第1、2胸椎(棘突起) |
停止 | 第2-5肋骨 |
神経 | 肋間神経 (T1-T4) |
作用 | 第2-5肋骨を引き上げる(吸気の補助) |
上後鋸筋の作用
主な働きは、肋骨を引き上げることです。
また、肋骨を安定させたり横隔膜の働きを補助したりする役割も持っています。
肋骨の挙上動作を動画で簡単解説
肋骨の挙上動作では上後鋸筋の他に、小胸筋、外肋間筋、横隔膜、胸鎖乳突筋、中斜角筋、後斜角筋、前斜角筋なども連動して挙上します。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
たとえば、肩を上げるように息をしたり、深呼吸をするときのように大きく息を吸ったりする場合に使われます。
一方、普段の呼吸ではあまり使われることがないため、固くなってしまいやすいともいえます。
上記の動画で示した通り肋骨の挙上に関しては上後鋸筋の他に小胸筋、外肋間筋、横隔膜、胸鎖乳突筋、中斜角筋、後斜角筋、前斜角筋の筋肉群も連動して作用する。
※参考:Muscle Premium – Visible Body
上後鋸筋をストレッチするメリット
上後鋸筋をストレッチすると、呼吸が楽になる、肩回りの血行が促進されて軽くなる、疲れを緩和できるなどのメリットがあります。
メリット肋骨を引き上げて呼吸が楽になる
上後鋸筋の柔軟性が高まると肋骨を引き上げることができるため、呼吸するのがとても楽になります。
普段浅い呼吸しかしていないとほとんど使われないので、ストレッチで刺激を与え、柔軟性を持たせるようにすることが大切です。
たとえば、強度の高い運動やマラソンなどの持久力を必要とするスポーツを行う人なら、運動後の呼吸がグンと楽になり、短時間に呼吸を整えやすくなります。
特にスポーツをしない人でも、普段の買い物で重い荷物を持ったり、子どもを抱えながら階段を上ったりしたときに呼吸が楽にできると、随分疲労度が違ってくるものです。
メリット肩回りの血行が促進されて芯まで温まる
上後鋸筋をストレッチすることで、肩や背中の芯まで血行を促進することができます。
コチコチに固まった筋肉の毛細血管まで血が行き渡り、が徐々に柔軟性を増し、肋骨の上げ下げが大きくできるようになるからです。
続けていくほどに、肩周辺のだるさや重みがスッと楽になるのを感じられます。
肩や背中深い芯まで血行が改善されると、腕の可動範囲が広がって動かしやすくなります。
また、上半身の血行もよくなって、顔色が明るくなることも期待できるでしょう。
生き生きとして見えるので、周囲からの印象もアップします。
女性は、肌ツヤが出てメイクのノリがよくなるのもうれしい効果です。
メリットデスクワーク時の疲れを緩和できる
毎日のデスクワークで肩が重くてつらいといった人は、休憩時間などにこまめにストレッチしてみましょう。
ストレッチによって凝りをほぐすことで、疲れが緩和されることを実感できるはずです。
デスクワークを長時間続けると肩回りの筋肉が硬直して、疲れやすくなってしまいます。
特に女性は肩回りの骨格が華奢な人が多く、力が入り過ぎて疲れやすいので、試してみる価値があるでしょう。
疲労感を覚えたときにストレッチを行えば、筋肉がほぐれて疲労物質が取り除かれ、肩が軽くなる効果を期待できます。
休憩時間などを利用してストレッチを習慣化すれば、肩回りが疲れにくくなり仕事の効率もアップすることでしょう。
上後鋸筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
肩甲骨インナーマッスルを浮きだたせほぐすメソッド
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#61)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 30秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
首を方に傾けて上後鋸筋をダイレクトに伸ばす
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#35)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 左右15秒×2セットずつ(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
上後鋸筋(背中)の筋膜リリース!ローラーストレッチで背骨の弾力性を高める
【消音】 タップしてフィットネス動画を見る (#Q_IMG_3570)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5往復×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
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上後鋸筋ストレッチのまとめ
上後鋸筋は普段ほどんど意識されない筋肉ですが、ストレッチによって柔軟性を与えることで、呼吸がしやすくなったり血行が改善されたりするので、肩回りの不調や疲れを緩和することができます。
普段の呼吸ではほぼ使われない筋肉であるものの、ストレッチを行えばメリットがたくさんあります。
簡単なストレッチでも十分なので、こまめに実行してみてください。
普段動かさない上後鋸筋をストレッチで刺激することで、ハツラツとした毎日を送りましょう。
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