魚のポーズ
fish pose
【概要】 | |
別名 Matsyasana / マツヤーサナ / マツヤアーサナ | |
ターゲット 広背筋 / 大胸筋 / 小胸筋 / 三角筋 | |
レベル 初級 | |
必要な道具
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基本的な方法と正しいフォーム・やり方のコツ・安全と注意事項・応用編について詳しく解説していきます。
また魚のポーズは英語表記でfish pose(フィッシュポーズ)とも呼ばれますが、本記事ではポーズの名前を「魚のポーズ」に統一して解説していきます。
SNSやブログ等で紹介してもらえるとうれしいです。
目次
基本的な方法
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魚のポーズとは、リラックス効果が高い定番のポーズです。サンスクリット語で「魚」の意味を含む「マツヤアーサナ」と呼ばれ、その名前のとおり英語では「fish pose」と表記されます。
リラックス効果はもちろん、美しい姿勢のメリハリボディに導いてくれます。仰向け姿勢で行えるので寝る前にチャレンジしてほしいポーズです。ただし、首を痛める可能性が高い繊細なポーズでもありますので、注意点をしっかりと把握してチャレンジしましょう。
他にも魚のポーズの詳しい効果やコツ、難しい場合は応用編にて軽減法もご紹介いたします。
動作手順と呼吸
- 仰向け姿勢になります。
- 両手の平をマットに向けてお尻の下に、肘を内側に寄せながら肩甲骨、腕も真ん中に寄せて背中の下に敷きます。
- 息を吸いながら、肘でマットを押しながら胸を中心に天井へと上げていきます。
- 胸椎~頸椎にかけて気持ちよく感じる程度に背骨全体を反らし、頭頂はマットにつけておきます。目線は鼻先です。
- はじめは肘とお尻(手のひら)に体重を預けておきますが、じょじょに首に負担がかからない程度に頭にも体重をのせていきます。
- 両足は力を抜きますが、しっかり閉じておきましょう。
- 心地よくバランスが取れたら、10~15呼吸ほどキープします。
- 息を吸いながら肘でマットを強く押し、胸を高く上げます。顎をひき、首の後ろを伸ばさないように背中~後頭部をゆっくりマットへつけていきます。
- 手のひら・腕を背中から抜いて、仰向け姿勢に戻ります。
魚のポーズの効果を高めるコツ
魚のポーズはきちんとコツを押さえておかないと、せっかくのヨガトレーニングの効果が下がってしまうこともあります。
フォームには気を付けましょう。
コツ①腰は反らさず胸椎を反る
胸椎とは、背中を通っている脊柱(背骨)の胸の辺りの骨を指します。
脊柱(背骨)は、椎骨という骨が積み木のように重なって構成されており、頸椎(首)・胸椎(胸)・腰椎(腰)に分かれています。
この胸椎(胸)の部分を意識して反らすようにしましょう。椎骨ひとつひとつの隙間を広げていくイメージです。
胸椎(胸)が気持ちよく反っているのを感じたら、その流れに合わせて頸椎(首)もアーチを描くように反らしていきます。
うまく感覚がつかめない場合は、背骨全体がアーチを描くようにチャレンジしてみてください。
もしくは、みぞおちの裏辺りを支えてもらっているイメージで、胸を高く上げることを意識するとポーズが取りやすくなるでしょう。
もちろん無理に反らすのは禁物です。ご自身の背中・首の柔軟性に合わせて調整してくださいね。
応用編にてヨガブロックを利用した軽減法も紹介していますので、参考にしてください。
さらにポーズを深めたい方は、マットに置く頭の位置を頭頂部からおでこに近づけることでポーズを深めることができます。
コツ②頭頂部にかける体重のバランス
頭頂部はマットにつけるだけで体重をかけてはいけない、という方もいらっしゃいますが、意識しすぎるあまりかえって首が緊張したり、うまく背骨のカーブが描けない場合があります。反対に、頭に体重をかけすぎると首を痛める原因になってしまいます。ですので、頭頂部にかける体重のバランスが重要なのです。
まず、なるべくお尻・肘・腕に体重をのせて、強くマットを押すイメージで行いましょう。マットを強く押すために肘は開きすぎないのがポイントです。
ケガ防止のためにブレスレット・時計・スマートウォッチなどは外しておきましょう。
足は無駄な力を抜いてリラックスさせ、まっすぐ伸ばして閉じておきましょう。
そしてお尻・肘・腕にきちんと体重がのっているのを感じたら、じょじょに頭頂部に体重を預けていきます。
首に負担がかからない程度を目安に、ご自身の体に合わせて、バランスを取ることを意識してください。
ヨガはご自身の体と向き合い、合わせて行うことが大切ですので、必ず首を意識しながらチャレンジしましょう。
コツ③ポーズを戻す際に首から動かさない
なぜポーズから戻るときが重要なのか、その理由はもっとも首を痛めやすいタイミングが、ポーズから戻るときだからです。
キープしたあとも気を抜かず、意識してポーズを解放していくことが大切です。
ここでいちばんのポイントは、最初に首を動かしてはいけないということです。
いきなり伸ばしたりせず首のアーチを保ったまま、まず息を吸いながら肘でマットを強く押し、上半身を高く持ち上げます。
次に顎をひいてから、背中・後頭部をゆっくりとマットへ下ろしていきます。この動作手順をしっかりと行いましょう。
また、ポーズを解放する際や首を反らした際にも、めまいや頭に痛みを感じる方が多いようです。
顎や首に余分な力みが入っていないか、歯を嚙み締めていないか、などチェックしましょう。
もちろん違和感を感じた際は無理をせずにポーズを中止し、ゆっくり呼吸を繰り返しながら休むようにしてください。
ご自身のペースに合わせて、必ず無理をしないようにしましょう。
魚のポーズの効果
魚のポーズは、首~肩を中心にした上半身に効果的なポーズです。
特にリラックス効果が高く得られるのが魅力で、寝る前に行うとぐっすり眠れる効果が!
また、長時間のスマホやデスクワークに追われて慌ただしい現代人にこそおすすめしたい効果がたくさんあります。
ひとつずつ詳しくご紹介していきます。
効果①現代人の首・肩を楽にしてくれる
背骨全体を反らすことは、肩甲骨周りの筋肉(広背筋)を緩ませることにもつながります。
筋肉の緊張やこわばりを取り除いて、ガチガチになった肩や首を楽にしてくれるのです。
さらに胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)や肩の筋肉(三角筋)も伸びるので、デスクワークなどで巻き込んでしまった肩を解消してくれ、本来の位置へ戻してくれます。
また、正しく頸椎(首)のアーチがあれば、長時間のスマホで現代人が陥りがちな首の疲れや歪みを解消してくれるでしょう。
肩甲骨周りの筋肉(広背筋)、胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)や肩の筋肉(三角筋)が同時にほぐれることで、上半身の血流を促進してくれます。
顔周りの血流も促進されるため、デコルテをすっきりさせてくれたり小顔になったりと女性にはうれしい効果がたくさんです。
もっと肩や首をすぅーっと軽くしたい!という方は、こちらの肩の力を抜く3つの方法と脱力するコツでリラックス効果も併せてご覧くださいね。
効果②メリハリのあるボディラインに
上半身の筋肉が緩むと肩や首を軽くしてくれるだけでなく、姿勢を良くしてくれる効果もあります。
魚のポーズは、特に重要である背中の筋肉(広背筋)の柔軟性を高めてくれるポーズです。
背中の筋肉(広背筋)がしなやかさになると、丸まったままガチガチになってしまった背中に効果を発揮します。
効果①でご紹介した巻き込んでしまった肩と併せて、本来の正しい位置へ戻してくれるのです。
また、「背骨を反らす」「胸を開く」ことはバストアップにもつながりますし、気になる腰のはみ肉にも有効ですよ。
美しい姿勢を取り戻して、バストアップ&はみ肉撃退で美しいボディラインを手に入れましょう。
効果③呼吸を深めてぐっすり眠れる
胸を開くことはバストアップだけでなく、胸の筋肉(大胸筋・小胸筋)を伸ばしてストレッチしてくれるということでもあります。
その最大のメリットは、呼吸が深まるということです。
呼吸が深まると心身ともに緊張から解放され、リラックス効果が高まります。
寝る前に行うとぐっすりと眠れるようになるのです。睡眠の質がアップすると、その日一日の疲れを癒してすっきりとした目覚めに導いてくれます。
気持ちよく目覚めることができたら朝から元気よく活動することができますし、普段使わない階段を登ろう!などダイエットにもやる気が出るでしょう。
さらに、代謝が上がりやすい体質にしてくれるともいわれており、特に女性にうれしい効果がたくさんありますよ。
応用編
他にも魚のポーズを応用したやり方もご紹介します。
応用①・②は魚のポーズのバリエーションです。①は、もっと肩や首を楽にしたい!という方におすすめです。②は下半身にも効果を得たい方向けになります。
応用③は強化を加えたシークエンスのポーズになります。
応用①~③どれも強度が高いため、ご自身の体に合わせて無理なくチャレンジしてみてくださいね。
応用①ガルーダアームの魚のポーズ
ガルーダアームとは、ワシのポーズに代表される腕の組み方のことであり、手軽に行えるポーズのひとつです。
より肩甲骨の可動域を広げ、肩や首をすぅーっと楽にしてくれるでしょう。
足は伸ばしたままでもかまいませんし、腕と同様に絡ませることでSNS映えするポーズになります。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~10呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用②蓮華座の魚のポーズ
蓮華座を組んで行う魚のポーズの応用です。
魚のポーズは主に上半身への効果が高いポーズです。こちらの蓮華座を組んで行うことにより、前ももを伸ばす・股関節の柔軟性アップ・下半身の血流を促進など下半身にも効果が得られます。
蓮華座が組めない場合は、あぐらや足の裏同士を合わせて行うなど、ご自身の体に合わせてチャレンジしてみてくださいね。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~8呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用③橋のポーズ
魚のポーズのシークエンスとしておすすめしたいのが橋のポーズです。
同じ後屈のポーズでもあり、仰向け姿勢のまま続けて行うことができます。
こちらも上半身への効果に加えて、気になるお尻~太ももの強化などトレーニング効果が高いポーズになります。
すらりとした美脚、キュッと上がった美尻になりたい方!ぜひ行いましょう。
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
応用④魚のポーズができない方向け
魚のポーズの姿勢がつくれない方は、道具を利用することでサポートすることができます。
初心者の方や慣れない方は、ヨガ専用道具を使うことをお勧めします。
ヨガブロックを利用した魚のポーズ
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 5~10呼吸 |
ポイント |
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効果 |
当エクササイズ効果のある筋肉各種 |
安全と注意事項
魚のポーズは、すべてのレジスタンスエクササイズと同様に、効果と安全性のために正しいフォームとテクニックを必要とします。
次の安全と注意事項は、魚のポーズを正しく行い、怪我のリスクを減らすのに役立ちます。
- 首にトラブルを抱えている場合は無理に行わないでください。
- 背中、腰に違和感を感じる場合は中止してください。
- ポーズを行う前、ポーズ解放する際に首を痛めないようにゆっくり動作するように注意してください。
- コツや軽減法を参考にしながら、角度を緩めたり、見直してください。
- 無理にポーズを完成させようとせず、ご自身の体と相談しながら行ってください。ヨガブロックを使用しての軽減法をおすすめします。
- 体に負担がかかりすぎないように長時間は行わないようにしてください。
- ヨガは他人と比べるものではありません。ご自身のペース、呼吸でリラックスして行いましょう。
- 魚のポーズ中に痛みや不快感を感じる場合は、すぐに運動を中止してください。
- 魚のポーズを行ってよいかどうか不安を感じる場合は、ご自身で判断せず、かかりつけ医にご相談ください。
- ヨガマットの使用をおすすめします。
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