【名称】骨盤底筋
【よみ】こつばんていきん
【英語名称】pelvic floor muscles
特に女性にとって、日ごろから正しくケアすることでたくさんのメリットがあるの筋肉が骨盤底筋です。
この筋肉は骨盤の底の部分にあり、お尻の穴を締める際にもよく使います。
この筋肉が持っている役割は多く、年齢と共に多くの人が抱える排泄器官に関する悩みを解決してくれる他、良い姿勢を維持するなどの働きもしています。
また、骨に近い位置にある深層筋で、内臓を下からしっかりサポートする役割も持っています。
目次
骨盤底筋とは
「縁の下の力持ち」という言葉がピッタリの骨盤底筋は、お尻の穴など排泄や出産に大きく関与する筋肉です。
体の上半身と下半身をつなぐ骨盤の底面にあり、尾骨筋や尿道括約筋、深会陰横筋また肛門挙筋など4つの筋肉から構成されている筋肉群です。
骨盤底筋というと一つの大きな筋肉だというイメージがありますが、実際には4つの筋肉がそれぞれ重なり合うように構成している筋肉群なのです。
骨盤底筋の解剖図を動画で簡単解説
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骨盤底筋は、骨盤隔膜と尿生殖隔膜という役割が異なる2つの筋肉群に分けることができます。
骨盤隔膜は肛門挙筋および尾骨筋によって構成されていて、尿生殖隔膜には尿道括約筋と深会陰横筋が分類されます。
骨盤底筋の位置(起始停止)
骨盤底筋は、骨盤の底面に位置しています。
以下の①表層、②中層、③深層、④尾骨筋の4つの筋肉が互いに重なり合いながら、ハンモックのような形を作り、内臓を下からしっかりとサポートしています。
骨盤底筋が位置する骨盤は、恥骨や尾骨、座骨など複数の骨によって形成されています。
その骨盤の底の部分に空いている穴をふさぐように位置しているのが、骨盤底筋です。
①表層
起始 |
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神経 | 筋陰部神経(S2~S4) |
②中層
起始 |
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神経 | 筋陰部神経(S2~S4) |
③深層
起始 |
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神経 | 筋陰部神経(S2~S4) |
④尾骨筋
起始 |
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神経 | 筋陰部神経(S2~S4) |
骨盤底筋の作用
骨盤底筋には、たくさんの働きがあります。
例えば、深呼吸をする際には腹腔内圧を適正な範囲に維持する役割があります。
骨盤の穴をふさぐように位置していることで、空気が逃げてしまうのを防いでお腹の中にシッカリと空気を溜めます。
また体幹におけるインナーマッスルを適切に作用させることによって、良い姿勢を維持する働きもしています。
骨盤の中におさめられている複数の内臓を、底部からしっかりとサポートすることによって、骨や内臓を正しい位置に維持できます。
それに骨盤は上半身と下半身をつなぐ役割をしているため、骨盤の状態を整えることによって上半身のバランスが良くなります。
見た目には、姿勢が良くなるという効果があります。
この筋肉にはまた、括約筋としての働きもあります。
括約筋というのは、筋肉を締めたり緩めることによって物体の通過を管理する役割を持つ筋肉のことです。
骨盤を底部からサポートしている骨盤底筋は、尿道や結腸などの穴も管理しています。
つまり、締めることによって排せつ物が漏れてしまうことを防ぐために重要な筋肉なのです。
北野 優旗
では、さっそく骨盤底筋のストレッチを行ってみましょう!
骨盤底筋のストレッチのやり方
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
寝ながら簡単に骨盤底筋エクササイズ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#2)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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骨盤を引き締めて、小尻にヒップアップする方法について詳しい記事は以下も参考にしてみてください。
関連記事米国医師が開発した骨盤底筋ストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#4)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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骨盤底筋の収縮力を高めるストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#44)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
骨盤底筋の弛緩力を高めるストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#105)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
股関節から骨盤の深層筋をほぐすストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#105)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 15秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
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立ちながら骨盤底筋引き締めエクササイズ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#1)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
骨盤底筋のストレッチ効果
この筋肉をストレッチによって鍛えることは、たくさんの効果があります。
筋肉は骨盤底筋に限らず、普段の生活の中でストレッチやトレーニングをしていないと、少しずつ筋力が低下してしまいます。
この筋肉を鍛えることによって、骨盤のバランスを整えることができ、上半身と下半身の位置やバランスを正常な状態へと近づけることができます。
また、年齢と共に起こりやすい排泄器関係のトラブルに関しても、予防効果が期待できます。
特に女性にとって、骨盤底筋のストレッチ、エクササイズなどのセルフケアの重要性は以下の論文でも示されています。
「骨盤底筋体操を取り入れた女性の健康づくり教室の成果」
骨盤のインナーマッスル群の収縮力がアップ
この筋肉をストレッチすることによって、骨盤をコントロールしているインナーマッスル群の質を高めることができます。
特に年齢と共にトラブルが起こりやすい括約筋としての働きがアップすれば、なかなか人には相談しにくい排泄系の悩みも、スッキリと解消できるでしょう。
骨盤のインナーマッスル群の収縮力が高まると、ポッコリしたお腹を引き締める効果も期待できます。
この筋肉が筋力低下すると、内臓は重力によって下に下がってきやすくなります。
この筋肉をストレッチすることで、内臓を合うべき位置へとリフトアップし、ポッコリしやすいお腹をスッキリした状態に維持できます。
骨盤のバランスが整う
骨盤を内側から覆っている骨盤底筋は、骨や内臓、筋肉のバランスや位置を改善する働きがあります。
そのため、普段の生活の中でストレッチすると、骨盤のバランスが良くなり、骨盤が支えている上半身のバランスも良くなります。
姿勢が良くなるので、見た目にもプラスの効果が期待できるでしょう。
また、姿勢が良くなることによって全身の筋肉に負荷が正しくかかるようになり、代謝がアップして痩せやすい体質へと近づくことも可能です。
せっかく引き締めて骨盤のバランスが整っても、姿勢が悪いと意味がありません。
日頃の立ち姿勢や座り姿勢が悪いと骨盤が広がるだけでなく、様々なデメリットが生じてしまいます。以下の記事も参考に読んでみてください。
骨盤底筋ほぐしのまとめ
骨盤を底面からハンモックのように覆っている骨盤底筋は、内臓や骨のバランスを整える働きに加え、結腸や尿道など排泄を司る穴の括約筋としての役割りも持っています。
ストレッチすることによって見た目が良くなるほか、年齢を重ねることによって抱えやすい排泄系の悩みも解消できます。
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