運動単位とは
脊髄神経から伸びる一つの運動神経はいくつかの筋線維の束と結びつくユニットを「運動単位」と言います。
その筋肉の収縮と弛緩をコントロールしています。
運動単位を英語で、motor unit(モーターユニット)と言い、その筋線維と運動神経が結びつく点をmotor point(モーターポイント)と言います。
そのモーターポイントに関する筋の解剖学書はこちらの参考書がとても便利です。
運動単位には、「大きな運動単位」と「小さな運動単位」の2種類に分けることができます。
- 大きな運動単位:一つの運動神経から数百本~数千本の筋線維を支配するユニット
- 小さな運動単位:一つの運動神経から数十本の筋線維を支配するユニット
発揮する力の強度に応じて、収縮に動員させる大小の運動単位を変えています。
低強度トレーニングは、小さな運動単位が優先的に動員され、筋トレ強度を高めていくと大きな運動単位が動員されるようになります。
また使われる筋線維の数も増えていきます。
例えば、野球選手が肩のインナーマッスルを鍛えるために、負荷の軽いゴムバンド用いて、手で引くトレーニングがあります。
これは、負荷が軽いため大きな筋肉の運動単位を動員させず、あえて肩の小さな運動単位に動員させて、インナーマッスル群を鍛えるトレーニングです。
大・小の運動単位を使い分ける
筋線維が収縮・弛緩する数は、発揮する力の強度に応じて異なるサイズの運動単位を使い分ける「サイズの原理」に基づいているのです。
収縮する筋線維の数が発揮する力の強度によって変わるのであれば、高強度トレーニングを行うことが、すべての筋線維をまんべんなく収縮させるための最も効果的な方法だと考えられます。
筋肥大するなら高重量で鍛える筋トレが良いのか?
実際に私も、高校時代のトレーニングは、重量を意識したウエイトトレーニングでパワーを高めていました。
しかし、近年の筋肥大における運動単位の研究では、単純に重量をこなす高負荷なトレーニングより「総負荷量」を高めるトレーニングが筋肥大に有効的だというのです。
その総負荷量に関する論文報告を分かりやすく読み解いてみました。
また、筋肥大のメカニズムについて関心がある場合は、筋タンパク質の合成の研究論文の解説もご覧ください。
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