筋肉トレをすることによって、筋肉は大きくなっていきますが、そのメカニズムを知っていますか?
トレーニングを積み重ねて筋肥大する知識を身に着ければ、より効果的なトレーニングと食事を意識することができます。
論文をもとに、少しでも分かりやすく簡潔にまとめてみましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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筋肥大のメカニズムとは
筋肥大のメカニズムについて、弘前大学大学院医学研究科の津田英一先生より新たな論文が報告された。
筋力増強の理論(2017年)
筋肥大のメカニズムとは
筋力増強訓練で生じる筋肥大は筋線維の断面積が増大したものである.筋線維の断面積増加は,それを構成する筋タンパクの合成が分解を上回った結果生じる.弘前大学大学院医学研究科
津田英一
結論からお伝えすると、
食事にプラスしてトレーニングを行えば、筋タンパク質の「合成」が「分解」を上回るようになり、筋線維は肥大していくということです。
論文をもとに、もう少し分かりやすい言葉で解説します。
筋タンパク質とは
そもそも筋肉は、数千から数十万本という筋線維が束になって形成されています。
筋肥大は、筋線維が増えるということではなく、筋線維の一本一本を肥大させていくことで筋肉が大きくなるのです。
そしてこの筋線維の中には、さらに「筋原線維」と呼ばれる器官が束ねられています。
その筋原線維には「アクチン」「ミオシン」といった筋タンパク質からできており、筋線維の肥大は筋タンパク質の合成によって作られているのです。
筋タンパク質の合成と分解について
筋タンパク質は24時間、常に「合成」と「分解」を繰り返しています。
普段、私たちのカラダは食事を取ることで、筋タンパク質の合成と分解が均一に保たれて、現状の筋肉量をキープすることができているのです。
食事と筋トレを行えば、筋タンパク質の「合成」が「分解」を上回るようになり、筋線維は肥大していくことになります。
筋タンパク質の合成方法とそのメカニズム
筋肥大を効率的に上げたいと考えた場合、筋タンパク質の合成を積極的に行っていきたいと考えます。
そのためには「哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)」です。
mTORとは、細胞の増殖や分化、自食作用などをコントロールする大切な役割をになっています。
mTORについて
mTORをもう少し分かりやすくすると、例えば、ベンチプレスの筋トレでバーベルを持ち上げるときに上腕三頭筋の1本1本の筋線維が収縮し、大きな力が生まれバーベルが持ち上がります。
この筋線維の収縮作用が筋タンパク質の合成を促進されるきっかけになります。
筋線維内にある筋小胞体から「カルシウムイオン(Ca2+)」が放出されます。
次に、筋線維の収縮そのものが刺激となり、細胞膜を構成する「ホスファチジン酸(PA)」が増加します。
さらに、細胞の成長を調整する「インスリン様成長因子(IGF-1)」の分泌が増加します。
これらの3つの因子によって活性化されるのがmTORです。
mTORの活性化が筋肥大につながる
3つの因子によって活性化されたmTORは、タンパク質の合成を促進させる「p70S6キナーゼ」を活性化します。
一方で合成を抑えようとする「4EBP-1」を不活性化します。
これらの一連のメカニズムの流れがあるからこそ、筋トレをして筋タンパク質の合成が促進され、筋線維が肥大化し、大きく太い筋肉が出来上がるのです。
正しい食事とトレーニングで筋タンパク質の合成により大きな筋肉を作ることができます。
食事に不安を持つ方は、プロテインで高タンパク質を補うとより効率的な筋肥大を目指すことができます。
またトレーニングを実施するにあたって、筋肥大を目指した筋トレでは「総負荷量」を取り入れると効率よく筋肉が太くなるという、さまざまな研究結果から報告されています。
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