北野 優旗
こんにちは、身体均整師&パーソナルトレーナーの北野です。
マッスルメモリーという言葉を知っていますか?
それは「筋肉の記憶」という意味です。
今回は、筋トレするにあたってマッスルメモリーがある人は優遇されて筋肉が発達しやすいという内容でご紹介します。
目次
マッスルメモリー(筋肉の記憶)とは
マッスルメモリーとは、過去に筋トレや運動経験で築き上げた筋肉は、再び復活しやすいという意味です。
これは、きちんと科学的にも証明された情報であり、昔鍛えた体はもう一度つきやすいという事なのです。
科学的研究論文「マッスルメモリー(筋肉の記憶)は、遺伝子レベルで残っている」
イギリスのキール大学とリバプール・ジョン・ムアーズ大学、ノーザンブリア大学、及びマンチェスター・メトロポリタン大学が共同研究を行ったもので、
マッスルメモリーは「以前鍛えられた遺伝子学的な記憶を持っていることを確認します」と発表されたのです。
筋トレ未経験の男性8人を週3回のトレーニングを7週間行う。
その後、7週間筋トレを休んでもらい、そして再び週3回のトレーニングを7週間行ってもらう。間間で観察すると、被験者は最初の7週間で筋肉が肥大た。
そして7週間の休養を挟むと筋肉量は実験前の状態に戻ってしまった。7週間の休養後に再開したトレーニングを終えると、被験者たちの筋肉は再び肥大しました。
しかも、最初の7週間よりさらに大きく肥大したのです。結論(引用)
”We identify that human skeletal muscle possesses an epigenetic memory of earlier acute and chronic anabolic stimuli when encountering later muscle hypertrophy.”
(翻訳)人間の骨格筋が、後の筋肥大に遭遇したときに、初期の急性および慢性の同化刺激の遺伝子学的な記憶を持っていることを確認します。著者情報 所属
英国スタッフォードシャーのキール大学医学部科学技術研究所(ISTM)
リバプールジョンムーア大学スポーツ運動科学研究所、リバプール、イギリス
ノーサンブリア大学スポーツ・運動・リハビリテーション学科、ニューカッスル・アポン・タイン、イギリス
マンチェスターメトロポリタン大学ヘルスケアサイエンス学部、マンチェスター、イギリス
マッスルメモリーがなければ、さらに大きく肥大することはあり得ません。
論文では、前半7週間と後半7週間の筋トレの内容は同じものだったそうです。
どんな人がマッスルメモリーを持っているの?
それでは、どのような人がマッスルメモリーを持っていることになるか、勘の良い方は分かると思います。
中途半端に止めたジムへ通っていた人
「数年前ジムに通っていたけど、3ヵ月も経たずに辞めちゃいました」という人も多いと思います。
続かず少し筋トレ経験がある人でも、一時は筋トレに励んでいたのでマッスルメモリーは健在です。
あなたの頭では、「筋トレなんて、またゼロからスタートになる・・・」と思い込んでいるかもしれませんが
確実にあなたの手、足、お腹、お尻などの筋肉の遺伝子たちは記憶しています。
全くトレーニング経験のない人と比べれば、格段に筋肉のつき方は早いということです。
途中で気持ちが萎えて、諦めた人でも一度しぼんだ筋肉を取り戻せると勇気が湧く論文情報ですね。
中途半端にジムを止めた人でも決して筋肉は裏切りません!
学生時代に部活動で運動経験がある人
学生時代に運動部に所属していた人も多いのではないでしょうか?
北野 優旗
私も学生時代は陸上競技に10年間励んでいました。
これは男性だけでなく女性でも運動部に所属して体を動かす日々を経験ことがあればマッスルメモリーは存在するということです。
筋トレは、重量物を上げるウェイトトレーニングだけでは、ありません。
腹筋、背筋、腕立て伏せ、プランク、鉄棒など自重トレーニングも筋トレとして感がられます。
筋肉痛を経験したことがあれば、それはれっきとした筋トレをしていたことになります。
陸上部はもちろん、バスケットボール部、バレー部、バドミントン部、卓球部、野球部などすべてのスポーツにおいて筋肉に負荷をかけて勝負に挑んだり日々のトレーニングで筋肉に刺激が伝わります。
そのマッスルメモリーは何年経とうが筋肉の細胞レベルの記憶に残り、再びトレーニングを始めると復活しやすいのです。
私の経験においても、現役時代やり投げや砲丸投げで鍛えた筋力や動きは、今でも少しトレーニングを重ねれば従来の動きを取り戻しやすいと感じています。
ちなみに、文部科学省の「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書」によると以下のように記されており、現在でも多くの学生が運動部に所属して体を鍛えているのです。
運動部活動の在り方に関する調査研究報告書
中学校で約65%、高等学校(全日制及び定時制・通信制)で約42%の生徒が参加
(平成24年度 日本中学校体育連盟、全国高等学校体育連盟、日本高等学校野球連盟調べより)平成25年5月27日
一昔前の学生(現在20歳以上)であれば、より多くの運動部活経験者がいるはずです。
マッスルメモリー(筋肉の記憶)は、18年ブランクの39歳私でも体現できた
上記でも記述した通り私も学生時代は陸上競技に励んでいました。
中学1年から大学4年の10年間は、毎日ウェイトトレーニング、走り込み、基礎自重トレーニング、ジャンプトレーニングなど全身の筋肉を鍛えてきました。
当時現役時代は、体重64kgでベンチプレスのMAXは120kgでした。
18年程のブランク期間がありますが
仕事の合間を見つけては、半年前ほどからトレーニングを始めて現在100kgを上げるまで筋力が復活しました。
また、50m走のタイムは現役時代のベストタイムは5.8秒。
半年前からのトレーニングで現在では6.2秒まであげることができました。
しかし39歳という年齢もあり、瞬発的な筋力(パワー)はどうしても現役まで戻すことは難しく感じていますが
6.2秒まで体力を戻せたことに驚いています。
やはり、マッスルメモリーは存在するものだと私自身の体で身をもって感じることができました。
学生時代は体を鍛え、歳を重ねてからも筋肉はよみがえる!
大人になって体の体型が気になる人も多いと思います。
30代からぽっこりお腹やお尻のたるみが目立ってきて、慌ててカラダを鍛え始める方も多いと思います。
今回の記事では、若いうちに体を鍛えていることが、どれだけ優遇されて筋肉は発達することがご理解いただけたかと思います。
筋力だけでなく、体型の維持も容易になるということです。
運動経験が少しでもある方なら、マッスルメモリーは存在します。
諦めずに、筋トレをすることで昔のような体型、それ以上のボディを作ることができます。
筋肉は絶対に裏切りません!ぜひ今からでも体を鍛え始めてみましょう!
さらに、私のように30歳を過ぎ、年齢を重ねて40代、50代で体型の崩れが気になる方でもマッスルメモリーは存在します。
筋肉の記憶はあると言っても、ダイエットで部分痩せしようとは思わないでください!
間違ったダイエットやトレーニングでは体を引き締めることはできません。
アメリカのスポーツ科学ジャーナル「Journal of Strength and Conditioning」(2011年9月)に掲載された研究結果によると、腹筋のエクササイズをしても腹部の筋力増加は見られたが、体重、体脂肪率、内臓脂肪率、腹囲、腹部負荷脂肪に有意な変化が認められなかったそうです。
その研究結果については、こちらの記事でご紹介します。
合わせて読んで頂けますと幸いです。
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