【名称】錐体筋
【よみ】すいたいきん
【英語名称】Pyramidalis
人間の体にはさまざまな筋肉があります。体の表面からでも確認できる大胸筋や腹直筋などの大きな筋肉は、トレーニングやストレッチでも意識しやすい筋肉群です。
一方、私たちの体には一般的にはまったく知られていないような小さな筋肉も無数に存在しています。
「錐体筋」もそんな筋肉の一つです。実は、そんな無名の筋肉なのにもかかわらず、錐体筋はきれいなお腹を作るのに隠れた役割を果たしています。
ここでは、錐体筋とはどこにあるどんな筋肉で、どんな働きをしているのかを詳しく見ていきましょう。また、錐体筋をストレッチする具体的な方法とそのメリットも併せて解説します。
錐体筋とは
腹筋というと、「シックスパック」とも言うように、体の正面で6つに割れている腹直筋が有名です。
そのほか、内臓を支えて前に飛び出ないようにしている腹横筋、美しいくびれを作るのに重要な腹斜筋(内腹斜筋、外腹斜筋)もあります。
この3つが腹筋群のなかでも特に大きな筋肉ですが、そのほかにもたくさんの小さな筋肉が集まっています。錐体筋もその一つです。
下腹部にある筋肉で、具体的には恥骨の辺りから始まっています。
錐体筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#42)
人間の錐体筋はあまり発達していませんが、カンガルーやコアラなどの有袋類の動物では大きく発達しています。
というのも、彼らはお腹に子どもを育てるための袋を持っているからです。この袋を支えるために錐体筋が重要な役割を担っています。
人間の場合、その発達具合は個人差があり、人によってはまったく見られないこともあるようです。
逆に、発達している人だと、体の中心に向かってグイっと骨盤底を近づける力があります。そのため、ここを鍛えることで下腹部をタイトにすっきり見せることが可能です。
錐体筋の位置(起始停止)
上でも少し述べたように、錐体筋は恥骨上縁から始まっている筋肉です。
「錐体」という名前の通り、上方に向かうほどすぼまっており、腹直筋の真ん中の縦ライン、いわゆる「白線」の下側の端っこに付着しています。ちなみに、お腹の筋肉はすべて白線で終わります。
参考書籍筋の起始停止・作用・神経・動脈・モーターポイントを参考にした「図説 筋の機能解剖」
錐体筋の働き
お腹の真ん中にある腹直筋は、体を曲げたり伸ばしたりする時に働きますが、その働きを補助するのが錐体筋の働きです。
なお、体の横側にある腹横筋は、上にも述べたように、内臓を正常な位置に抑えこむ働きがあり、この筋肉が衰えた状態が男性に多い太鼓腹です。錐体筋は腹横筋より下側に位置しており、ここが衰えると下腹部が前に突き出した「ぽっこりお腹」になってしまいます。
おすすめ書籍私がおすすめする参考書籍です。ぜひ興味のある方はご覧ください。錐体筋をストレッチするメリット
錐体筋がどのような筋肉かわかったところで、ここをストレッチするとどのようなメリットがあるのか確認しておきましょう。
腹直筋を補助してぽっこりお腹解消
先にも述べたように、錐体筋には腹直筋を補助する働きがあります。
男女ともに年を取るとお腹が出てきますが、それは腹直筋を始めとした腹筋群が衰えて内臓の重さに耐えられなくなるからです。
下腹部がぽっこりするのは、錐体筋が衰えて内蔵が元の位置より下がってしまっているからです。
錐体筋をストレッチして鍛えることで、内臓の位置を元に戻し、ぽっこりお腹の解消が期待できるでしょう。
骨盤の前傾バランスを整える
姿勢の悪さは背筋に原因があるように思われていますが、実は腹直筋とそれを補助する錐体筋も大きく関係しています。
骨盤に与える影響が大きな筋肉なので、ここが衰えると骨盤が前傾し、姿勢が悪化するのです。
しっかりストレッチすることで骨盤のバランスの改善が期待できるでしょう。
錐体筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
下腹部を緩めて骨盤の前傾角度バランスを整える
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 深呼吸3回×3セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント | |
効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
下っ腹のぽっこりお腹解消メソッド
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#21)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 15回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
錐体筋ストレッチのまとめ
小さな目立たない筋肉ですが、錐体筋は腹直筋を補助するという重要な役割を持っています。
ここをストレッチすることで、ぽっこりお腹や猫背の解消が期待できるなど美容面でも健康面でもメリットがあります。
ぜひトレーニングメニューに取り入れて、美しいボディラインを目指してください。
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