【名称】尾骨筋
【よみ】びこつきん
【英語名称】Coccygeus muscle
尾骨筋とは、骨盤の底にある骨盤底筋群の一つです。
といっても、ふだんはほとんど意識することのない筋肉ではないでしょうか。
ところが、尾骨筋を含む骨盤底筋群は、膀胱や子宮と距離が近いため女性の体の悩みにも関係することが多いのです。
そこで、骨盤底筋群の一つ、尾骨筋について、その位置や働き、ストレッチの方法やそのメリットなどについてお伝えします。
目次
尾骨筋とは
尾骨筋とは骨盤底筋群の一つと述べましたが、「筋群」というように骨盤の周辺には多数の筋肉が集中しています。
尾骨筋が骨盤底筋群のなかでどこに位置し、どのような働きを担っているのかを詳しく見ていきましょう。
尾骨筋の位置(起始停止)
尾骨筋は、その名の通り尾骨に付着する筋肉です。仙骨下部と尾骨の間に存在します。
これだけではわかりにくいので、よりイメージしやすいように尾骨筋が属する骨盤底筋群の構造から見ていきましょう。
尾骨筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#47)
骨盤底筋群とは骨盤の底にある筋肉群のことで、坐骨結節というお尻の骨の間に位置しています。
坐骨結節間で3層構造となっており、表層、中間層、それに深層からなる筋肉群のことです。
それぞれの層に小さな筋肉がいくつもあるのですが、尾骨筋と呼ばれる筋肉は深層にあって尾骨とつながっています。
尾骨から腸骨につながるのが腸骨尾骨筋、尾骨から恥骨につながるのが恥骨尾骨筋とさらに分かれているのが特徴です。
起始 | 仙骨尖 |
停止 | 尾骨 |
神経 | 仙骨神経叢 |
尾骨筋の作用
骨盤底筋群のなかでも最深層にあるのが尾骨筋です。
骨盤底筋群は、骨盤内にある臓器を支えたり、膣や肛門を引き締めて排尿や排便をコントロールしたり、また、子宮環境にも関係があったりとさまざまな役割を果たしています。
尾骨筋もそのなかの一つの筋肉として働いており、この部分の筋肉が緩んでしまうと、尿が近くなったり下腹部がぽっこりしたりといったトラブルを引き起こすこともあるので注意です。
おすすめ書籍私がおすすめする参考書籍です。ぜひ興味のある方はご覧ください。尾骨筋をストレッチするメリット
女性にとって大切な部分を支える筋肉ですので、ここをストレッチして引き締めることにはさまざまなメリットがあります。
メリット骨盤のインナーマッスルの骨盤底筋を引き締める
尾骨筋は骨盤底筋群の一つですが、骨盤底筋群は骨盤内でインナーマッスルとしてさまざまな役割を果たしています。
先ほど述べたように、骨盤内の内臓、膣や肛門、子宮などとも関係していますから、ここが引き締まると女性特有のお悩みを改善することにもつながるでしょう。
尾骨筋自体は体の奥深くにある地味な筋肉ですが、それが属する骨盤底筋群は、体の要とも言える骨盤のなかで内臓を支えるなどの重要な働きを担っています。
骨盤底筋群が引き締まると、骨盤からつながる足やお腹などの筋肉も一緒に連動して引き締まるでしょう。
メリット産後の骨盤矯正
妊娠中に母体にかかる負担はとても大きなものです。
そのため、出産後もしばらくはさまざまな筋肉や靭帯が緩くなっており、特にお尻やお腹周りの筋力が低下しています。骨盤も緩んでいる状態です。
産後のぽっこりお腹を解消したいと悩むママさんは多いと思います。
通常なら自然に元に戻っていくものですが、約10か月もの妊娠期間で筋力が低下している状態ですから、緩んだままの状態で骨盤が固まってしまうこともあります。
骨盤の歪みは姿勢の悪さにつながり、姿勢が悪いと筋力をさらに低下させてしまいます。
そのため、骨盤が歪んだ状態ではケガをしやすく体調不良にもなりやすいのです。骨盤矯正のためにもストレッチは大切です。
尾骨筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
骨盤の内側から引き締めるインナーマッスルメソッド
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#1)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
尾骨筋ストレッチのまとめ
骨盤の深層部にある尾骨筋はあまり知られていない存在ですが、インナーマッスルとして大切な働きを担っていることがわかりました。
この筋肉を含む骨盤底筋群は年を取るともに衰えていき、特に出産後の女性ではかなり筋力が低下してしまっています。
放置していると体の不調にもつながりますので、ぜひストレッチやトレーニングで引き締めましょう。
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