【名称】頭長筋
【よみ】とうちょうきん
【英語名称】Longus capitis muscle
顎を引くという動作に大きな関係を持つ頭長筋は、姿勢を良くしたい人にとってはぜひ知っておきたい筋肉の一つです。
インナーマッスルで触診できない筋肉で、凝って硬くなっている人がたくさんいる筋肉でもあります。
目次
頭長筋とは
頭長筋とは、首の部分にある頸椎と、後頭骨の前面にある頭部をつなぐ筋肉で、体の中心に近い部分にあるため、触診することはできません。
舌の動きや喉の働き、目や鼻などの感覚器官の機能にも影響を与える筋肉ですが、意識してストレッチしてあげないと、なかなか柔軟な状態を維持できません。
頭長筋の位置(起始停止)
頭長筋は、第3~第6の頚椎の横突起部分の前結節を起始部とし、後頭骨の前部に位置する咽頭結節のサイド部分を停止部としています。
後頭骨の前部と言うことで、頭部の中心部分に位置する筋肉の一つと言えるでしょう。頚神経の第1前枝~第5前枝を支配する筋肉です。
頭長筋の解剖図を動画で簡単解説
【消音】タップして動画を見る(#71)
この筋肉は、頚椎を中心として左右に1つずつあります。
頭を屈曲する際には両側作用するのが特徴で、頭を右に傾けると右側の筋肉が収縮し、それに伴って左側が伸展する、と言った対の作用をします。
意識して左右どちらかだけを動かすことはできません。
しかし、頭を傾斜しながら少しだけ右や左に回旋するという動きをすると、片側だけが作用します。
起始 | 第3-6頚椎(横突起前結節) |
停止 | 後頭骨(底部下面の咽頭結節前方) |
神経 | 頚神経前枝 (C1-C5) |
作用 | 両側が働くと頚椎を前方に曲げ、片側が働くと頚椎を同側に曲げる |
頭長筋の作用
この筋肉が繋いでいる頸椎と後頭骨は、頚椎に対して後頭骨が少しだけ前後にスライドします。
会釈をしたり、うなずくといった頭を前後に軽く動かす動作をする際には、頚椎を曲げることなく、このスライドによって頭長筋が収縮します。
デスクワークなど、下を向くことが多い作業をしていると、普段の生活の中で頭長筋を酷使しやすいものです。
筋肉が凝って硬くなってしまうため、注意しなければいけません。
凝って硬くなると、頭蓋骨の向きが下を向いたように前屈してしまいます。
姿勢が悪く見えるので、注意しましょう。
また、頭蓋骨の向きが傾くと、首が頭の重量を効率的にサポートできなくなるため、いろいろなトラブルが起こりやすくなってしまいます。
頭長筋をストレッチするメリット
頭長筋をストレッチすることには、健康面や美容面でたくさんのメリットが期待できます。
メリット頭の前後の傾きバランスを整える
深層部にあって触れることができない頭長筋は、凝っていてもなかなか気づきにくいものです。
下を向くことが多い人や姿勢が悪い人だと、この筋肉に負荷がかかり、頭の前後左右のバランスが悪くなってしまいます。
触診できないため、マッサージなどでは筋肉の凝りを解消することはできません。ストレッチという方法が有効です。
顎を引くという動作に大きく関係があるこの筋肉をストレッチすると、自然と姿勢が良くなるという審美的なメリットもあります。姿勢が良くなれば、自信を持っているように見えますし、スタイルが良く見えるものです。女性としては、ぜひ普段からストレッチをしたい筋肉です。
メリット首や肩の緊張感を和らげる
頭を支えている首や肩には、たくさんの筋肉があり、頭長筋もその一つです。
これらの筋肉が硬くなると、頭部への血行が悪くなり、疲れやすくなったり集中力がかけてしまいます。
それに、筋肉が硬くなることによって首や肩に自然と力が入ってしまいます。ストレッチすることで筋肉を柔軟にし、緊張感を和らげてリラックスできます。
また、首や肩の緊張感が和らぐと、血行が良くなります。
頭部へ十分な酸素や栄養素が行き届き、疲労回復効果や集中力アップといった効果も期待できます。
頭直筋のストレッチ方法
動画で分かりやすくストレッチ方法を解説
インナーマッスルまで届く頭長筋ストレッチ
【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#51)
姿勢 |
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方法 |
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回数 | 10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう) |
ポイント |
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効果 |
当ストレッチ効果のある筋肉各種 |
頭長筋ストレッチのまとめ
頚椎から後頭骨をつなぐ頭長筋は、うなずいたり会釈をしたり、顎を引くなど首の前後の動きをサポートします。
デスクワークなど頭を前に倒した状態が長い人は凝りやすいため、普段からストレッチをして柔軟にしておきたいものです。
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