棘下筋(きょくかきん)ストレッチ方法・起始停止・作用

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北野 優旗

こんにちは、身体均整師&パーソナルトレーナーの北野です。
今回は 筋肉名称大全集 の【棘下筋】についてご紹介します。

棘下筋(きょくかきん)機能解剖学図・起始停止・働き

棘下筋(きょくかきん)機能解剖学図・起始停止・働き

【名称】棘下筋
【よみ】きょくかきん
【英語名称】Infraspinatus

《棘下筋のストレッチ方法》肩の外旋運動をスムーズにする(タオル使用)

さっそくストレッチを始める

棘下筋(きょくかきん)とは、棘上筋肩甲下筋小円筋などと合わせて肩の深い部分を構成する筋肉です。「回旋筋腱板」や「ローテーターカフ」と呼ばれる筋肉の一種でもあります。重要な働きを担う筋肉でありながら、どこのどんな筋肉かよく知っているという方は少ないのではないでしょうか。そこで、ここでは棘下筋の位置や働きと、ストレッチすることのメリットなどについて詳しくお伝えしていきます。

棘下筋とは

まずは棘下筋がどこに位置しており、どんな働きを担っているのかを理解しておきましょう。

棘下筋の位置(起始停止)

冒頭でもお伝えしましたが、棘下筋は棘上筋肩甲下筋小円筋とともに回旋筋腱板を構成しています。これは肩の深層部にある筋肉のことで、肩を安定させるために働いているのですが、棘下筋はそのなかでも強力な筋肉です。回旋筋腱板は肩の深層部にありますが、棘下筋だけは表層にあるので触って感じることもできます。肩甲骨の出っ張りのやや下辺りを触るとわかるでしょう。具体的には、肩甲骨から上腕骨の大結節につながっています。

棘下筋の解剖図を動画で簡単解説

【消音】タップして動画を見る(#5)

起始

棘下窩・棘下筋膜内面

停止

上腕骨大結節中部

動脈

肩甲上動脈、肩甲回旋動脈

神経

肩甲上神経(C5、C6)

作用

肩の外旋
参考書籍筋の起始停止・作用・神経・動脈・モーターポイントを参考にした「図説 筋の機能解剖

棘下筋の作用

棘下筋は、小円筋などとともに肩の運動をスムーズにするために働いています。具体的には、肩関節を外側にねじる動き(外旋)と、腕を水平に広げる動き(水平伸展)です。また、肩の後ろ側を安定させるという役目もあります。たとえば、物を投げる動作で肩が抜けないよう保護しているのも棘下筋です。日常生活でも負担のかかりやすい筋肉ですので、バレーボールのような肩を使うスポーツをやっている方だとかなり酷使してしまいます。

棘下筋の肩の外旋動作を動画で簡単解説

【消音】タップして肩の外旋動作を見る(#D17-2)

肩の外旋動作では棘下筋の他に、僧帽筋小円筋三角筋なども連動して肩の外旋動作を行います。
※参考:Muscle Premium – Visible Body

棘下筋が酷使されて傷ついたり柔軟性が低下したりすると、肩の安定性を保ちにくくなります。腕の骨が前や上にずれやすくなるのです。そのままの状態で放置していると、年を取るほどに肩関節の可動域が失われ、肩関節のさまざまなトラブルに見舞われやすくなります。若い人でもスポーツをされる方なら痛めやすい筋肉ですので、ストレッチでしっかりほぐしてあげることが大切です。

おすすめ書籍私がおすすめする参考書籍です。ぜひ興味のある方はご覧ください。

棘下筋ストレッチのメリット

棘下筋がどのような働きを担っている筋肉なのかわかったところで、ここをストレッチするとどのようなメリットがあるのかを押さえておきましょう。

メリット猫背などの悪い姿勢が改善する

猫背や巻き肩と呼ばれる姿勢は、腕が体より前方に位置しており、かつ、内側にややねじれているのが特徴です。

猫背を改善する

棘下筋のストレッチで猫背を改善する

このような姿勢になるのは棘下筋などの肩の筋力が低下しているのが一つの原因ですので、棘下筋をストレッチしてしっかりほぐすとともに鍛えてあげることで、肩を後ろ側に引っ張って腕を正常な位置に戻すことができます。その結果、猫背や巻き肩などの悪い姿勢の改善にもつながるのです。

メリット硬い肩甲骨回りの筋肉が楽になる

辛い肩を解消

つらい肩を解消

棘下筋は肩甲骨の下側で肩を安定させる働きを担っているため、ここの筋力や柔軟性が低下すると固く凝り固まってしまいがちです。肩をもみたくなりますが、肩甲骨の下側の筋肉が影響しているケースも少なくありません。しっかりほぐしてあげることで、肩が楽になるとともに腕の可動域も広くなります。

メリットスポーツでケガを防ぐ

棘下筋は、肩を外側にねじったり腕を後ろに振ったりする動作で重要な役割を担っています。そのため、物を投げる動作をするスポーツ、たとえば、テニス、バドミントン、ソフトボール、バレーボールなどをやっている方だと、いつの間にか酷使してしまい、気づいた時にはケガをしてしまっていたなんて恐れもあるのです。

バレーボールのスパイク(アタック)で酷使する棘下筋

バレーボールのスパイク(アタック)で酷使する棘下筋

棘下筋をしっかりストレッチすることで、ケガを防ぐとともにスポーツでのパフォーマンス向上も期待できるでしょう。

棘下筋のストレッチ方法

 動画で分かりやすくストレッチ方法を解説

タオルを使った棘下筋ストレッチ

【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#23)

姿勢
  1. タオルの両端を頭上で持つ
方法
  1. ゆっくりと後頭部側に両腕(タオル)を下ろす
    下がる範囲でOK
回数

10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう)

ポイント
  • 顔が前のめりにならないように姿勢を真っすぐ正しながら行うことで効果を発揮します。
効果
  • 肩甲骨が開いたり閉じたりしながら、肩の外旋運動を調整します。
    スムーズに行えるようになったら、肩のインナーマッスルである棘下筋含め、棘上筋小円筋大円筋肩甲下筋に対してストレッチすることになります。
  • 血行も促進されるのでつらい肩が解消、肩甲骨の可動域アップにつながります。
  • 野球やバレーボール、バドミントンなどのスポーツ選手のウォーミングアップやクールダウンにも使えるストレッチ体操です。

当ストレッチ効果のある筋肉各種
#棘上筋 #小円筋 #大円筋 #肩甲下筋

肩甲骨インナーマッスルストレッチ

【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#7)

姿勢
  1. 両腕を横に持ち上げ、肩と水平にする
  2. 手の平を外へ向ける
方法
  1. 小さな円(直径20cm程)を描くように腕全体を回す。
    肘は曲がらないようにしっかりと伸ばしきって行うことが大切です。
回数

10回×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう)

ポイント
  • 首の肩甲挙筋、僧帽筋などに力が入らないように
    無駄な力をかけずに行うことがポイント
効果
  • 肩甲骨のインナーマッスルと言われる棘下筋、棘上筋小円筋大円筋肩甲下筋に対してストレッチエクササイズが可能です。
    普段動かさない細かな筋肉群に収縮、弛緩を与えるため筋肉がポンプ作用として働き、血行が改善されます。
    よって、肩甲骨の可動域アップにつながります。
  • スポーツを行う際のウォーミングアップで取り入れるのもお勧めです。

当ストレッチ効果のある筋肉各種
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座りながら棘下筋ストレッチ

【消音】タップしてフィットネス動画を見る (#65)

姿勢
  1. 床にM字開脚姿勢をとる
方法
  1. 両手の甲を脇腹に当て、
  2. 肘を両膝で挟む
回数

10秒×2セット(セットの間隔は1分程あけましょう)

ポイント
  • 気持ちい範囲でゆっくり脚を内側に寄せますが、急に寄せると棘下筋が伸びすぎてしまうのでゆっくり痛みのない程度で伸ばしましょう
  • ゆっくりと息を吐きながら行いましょう
効果
  • 縮まった棘下筋がストレッチされることで肩甲骨や肩関節の外旋運動がスムーズに行われるようになる。
  • 棘下筋のストレッチで紹介していますが、このストレッチ小円筋大円筋のストレッチとしても可能です。合わせて伸ばしましょう。
  • ボールを投げたり、腕を振ったりする肩を動かすスポーツでは効果的なストレッチ
    スポーツのケアとしても役に立つストレッチです。
  • 肩の巻き込みも改善され猫背の改善にもつながるおすすめです。

当ストレッチ効果のある筋肉各種
#小円筋 #大円筋 #棘下筋

棘下筋ストレッチのまとめ

棘下筋は、肩周りや腕を動かす日常動作に欠かせない筋肉です。そのため知らず知らずに酷使し、気づいた時には痛くて腕が後ろに回らなくなっているなんてことにもなってしまうことがあります。

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北野 優旗

ストレッチでしなやかさを取り戻すことで、日常生活での動作がスムーズになるでしょう。

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北野 優旗

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北野 優旗

『QITANOカラダづくりラボ』運営 / 著書。1982年1月生。順天堂大学にてスポーツ健康学を学び、保健体育教員資格取得。中学・高校・大学では陸上競技で全国2位の実績。身体均整法を取得し、整体の実技、セルフケアトレーナーを取得。2007年 三豊市にきたの均整院を開業。2015年 美脚・骨盤エクササイズグッズ「スタイルアップレグール」を開発販売。当サイトはトレーナー、整体師としての経験を基にコンテンツ情報を配信しています。
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